墓マイラー必読の書『世界のすごい墓』が地球の歩き方図鑑シリーズに新登場!

公開日 : 2023年02月02日
最終更新 :

大好評の地球の歩き方「旅の図鑑」シリーズに、新たな1冊『世界のすごい墓』が加わりました。世界の偉人、君主たちが眠る、194の墓と霊廟を、旅の雑学とともに解説。墓参りのガイドとなるのはもちろん、偉人たちの功績を知り、また国ごとに異なる死生観や文化に触れることのできる図鑑です。

実は墓だった有名な観光名所

白大理石で造られたタージ・マハルの壮麗な霊廟
白大理石で造られたタージ・マハルの壮麗な霊廟

世界的に有名な観光名所のなかには、墓所や霊廟として建てられたものがいくつかあります。インド北部にある「タージ・マハル」はその代表といえるでしょう。ムガル帝国の第5代皇帝シャー・ジャハーンが、妃ムムターズ・マハルのために建てた霊廟で、完成まで22年を要した壮大な建築物です。左右対称の均整のとれた造りと、最高級の材料を惜しみなく使った装飾で、インド・イスラム建築を代表する傑作とされています。本書では、ほかにもスケールに圧倒される12の墓を紹介しています。

タージ・マハル Taj Mahal

開館時間
日の出〜日没
無休
料金
650ルピー
アクセス
アーグラー・カント駅Agra Cantonment Railway Stationから約6km

さまざまな場所にある墓地と霊廟

島がまるごと墓地になったサン・ミケーレ島
島がまるごと墓地になったサン・ミケーレ島

イタリアのヴェネツィアには、水の都らしく船で訪ねる墓地があります。ヴェネツィアの潟に浮かぶ正方形の島、サン・ミケーレ島です。水際に建てられた教会があるほかは、なんと島全体が墓地。フランスの支配下にあった19世紀に整備されたもので、当時、不衛生とされていた墓地を本土から離れた場所に移して、疫病の蔓延を防ぐ目的もあったといわれます。れんが造りの壁で囲まれた墓地には、ロシア・バレエ団の創設者セルゲイ・ディアギレフや作曲家ストラヴィンスキーが眠っています。

サン・ミケーレ島 Island of San Michele

アクセス
ヴェネツィアのサンタ・ルチア駅近くから水上バスで約40分
古代ギリシアの神殿を思わせるエル・ハズネの正面
古代ギリシアの神殿を思わせるエル・ハズネの正面

ヨルダン屈指の観光名所であるペトラ遺跡は、古代、キャラバンたちが行き交った場所に残る広大な史跡。ここで発掘された遺構のひとつ「エル・ハズネ」は、この地を支配していたナバタイ人の王の霊廟と考えられています。砂岩の崖を切り取って造られたファサード(正面)は、2000年の時空を超えて、バラ色に輝いています。映画『インディ・ジョーンズ最後の聖戦』のロケ地になったことでも知られ、多くのファンが訪れています。

エル・ハズネ El Khazneb

開館時間
6:00〜18:00(冬期は〜16:00)
料金
1日券50JD
無休
アクセス
アンマンAmmanからバスがある。ペトラ遺跡内はラクダなどで移動

陽気さあふれるカラフルな墓地

故人の職業や趣味が刻まれたメリー・セメタリーの墓碑
故人の職業や趣味が刻まれたメリー・セメタリーの墓碑

墓地というと、一般的に「暗く厳かな場所」ととられられていますが、そのイメージを覆すような、色彩豊かで楽しげな墓地が世界にはあります。たとえばルーマニアのサプンツァという村にある墓地は、その名も「メリー・セメタリー(陽気な墓地)」。1935年、木彫り職人のスタン・イオン・パトラシュが、墓碑に故人の肖像とその人生を伝える手書きの文字を刻んだのがきっかけとなり、800基を超えるカラフルな墓碑が並ぶ墓地になったのでした。

メリー・セメタリー Merry Cemetery

アクセス
サプンツァSăpânțaへの拠点となるシゲトゥ・マルマツィエSighetu Marmațieiから西へ約20km
色とりどりの墓が並ぶチチカステナンゴの市民墓地
色とりどりの墓が並ぶチチカステナンゴの市民墓地

グアテマラのチチカステナンゴの市民墓地もまた、明るい雰囲気の墓地として知られます。マヤ文化が色濃く残るこの地では、死者を敬うことで、避けることのできない「死」と折り合いをつけることができるのだとか。ピンクや水色の家型墓地がずらりと並ぶ様は、まるで小さな村のようです。ほかにもメキシコのイスラ・ムヘーレスの墓地などポップで色彩あふれる墓地があり、「死」に対するネガティブなイメージが薄らいていくかもしれません。

チチカステナンゴの市民墓地 Chichicastenango Cemetery

アクセス
グアテマラ・シティの空港La Aurora International Airportから北西へ約140km

墓参り、参拝の際に気をつけたいマナーと心得

パリの凱旋門の足元にある無名戦士の墓には追悼の炎が
パリの凱旋門の足元にある無名戦士の墓には追悼の炎が

墓地や霊廟は、神聖な場所。故人へのリスペクトの気持ちをもって、参拝しましょう。たとえば、大聖堂の内部に墓がある場合など、ノースリーブや短パンといった露出度の高い服装では入場できないことがあります。入る前に帽子を脱ぐのも基本的なマナーです。また、イスラム圏の国で女性がモスクに入る際は、スカーフで髪を覆う必要があるなど、国や宗教によってタブーとされる行為もあるので、注意が必要です。世界には、戦争の犠牲者を追悼するために造られた墓地も多数あります。志半ばで命を落とした人々のために祈りを捧げ、平和の尊さを知ることは、墓巡礼の貴重な体験となることでしょう。

TEXT: 『地球の歩き方 W31 世界のすごい墓』編集担当 坂井彰代(オフィス・ギア)   
PHOTO: iStock

〈地球の歩き方編集室よりお願い〉
渡航についての最新情報は下記などを参考に必ず各自でご確認ください。
◎外務省海外安全ホームページ
・URL: https://www.anzen.mofa.go.jp/index.html
◎厚生労働省:新型コロナウイルス感染症について
・URL: https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708_00001.html
(関連記事)https://www.arukikata.co.jp/web/catalog/article/travel-support/

筆者

地球の歩き方書籍編集部

1979年創刊の国内外ガイドブック『地球の歩き方』の書籍編集チームです。ガイドブック制作の過程で得た旅の最新情報・お役立ち情報をお届けします。

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