全米で最旬のアートタウン!『地球の歩き方 フロリダ』に掲載のマイアミ最新情報をご紹介!

公開日 : 2023年07月28日
最終更新 :

2023年8月1日に『地球の歩き方 フロリダ』最新刊が発売されます。オーランドのテーマパークの新スポットや最新アトラクション、人気スポットセブンマイル・ブリッジに登場したトラムツアー、空港の新ターミナルや開通した高速鉄道「ブライトライン」、円安を乗り切るためのお得情報など、最旬情報盛りだくさんの誌面のなかから、とっておきのスポットを教えちゃいます☆

マイアミの変貌ぶりが半端ない!

冬でも暖かく、避寒地であるマイアミはアメリカ人にも人気の都市。久しぶりのマイアミで、最初に驚かされたのがダウンタウンのスカイラインでした。高層ビルが一気に増え、スカイラインが完全に別モノと化していました。
高層ビルだけではありません。かつて、カメラを肩にかけたままダウンタウンを歩くと、地元の人にカメラはかばんの中にしまうようにと注意されたこともありました。今では建物も道路もすっかりきれいになり、海沿いにはジョギングをする人や犬の散歩をする人などが数多く見られ、いたって平和的な雰囲気でした。マイアミ市全体で見ればまだ治安がいいとはいえないところもありますが、ずいぶん改善された印象でした。

タワーマンションや高層ビルが林立するマイアミのダウンタウン
タワーマンションや高層ビルが林立するマイアミのダウンタウン

無数の壁画(ミューラル)で観光地化したウィンウッド・アート地区

大きく変容したマイアミのなかでも、特に紹介したいのが「ウィンウッド・アート地区」と「デザイン地区」のふたつのエリアです。どちらも、マイアミ・ダウンタウンから車で10分ほど北へ行ったところにあり、かつては倉庫街だったり、さびれていたところでもありました。10年前のウィンウッド・アート地区は、壁画がポツン、ポツンとある程度で、見学する人もまばら、あまり長時間いたくない場所でした。しかし、今では数えきれないほどの壁画をいたるところで見ることができます。壁画の一つひとつが、マイアミらしく鮮やかな色使い。それぞれのアーティストの思いがこめられた壁画はどれもカッコよく、見ているだけで心が躍るようです。訪れる人もとても多く、観光バスが次々にやって来るほどの名所に変貌しました。

名物の壁画をガイドの案内で鑑賞するツアーも人気
名物の壁画をガイドの案内で鑑賞するツアーも人気
電信柱をアート作品にする芸術家も登場
電信柱をアート作品にする芸術家も登場
壁画は英語でミューラルmural。どれもビビッドで、マイアミアートのアツさが伝わってくる
壁画は英語でミューラルmural。どれもビビッドで、マイアミアートのアツさが伝わってくる

建築の屋外ギャラリーが高級ブランドのショールーム

かたや、デザイン地区はウィンウッド・アート地区とはまったく別のアートに彩られたエリアです。斬新で、おしゃれ、個性的なデザインの建物が18ブロックほどのエリアに集中しています。最大の特徴は、建物のほとんどが高級ブランドショップである点。

パームコートに鎮座するフラーの『フライズ・アイ・ドーム』。有名店のテナントに囲まれている
パームコートに鎮座するフラーの『フライズ・アイ・ドーム』。有名店のテナントに囲まれている

「ブランド街」と聞くと、ニューヨークの五番街や東京の銀座通りを連想するかもしれません。マイアミのデザイン地区は1本の大通りではなく、約170の建物が5×3ブロックのエリアにまとまっています。一般車両乗り入れ禁止の道もあり、公園を歩く気分でショッピングが楽しめます。道が1本違うとガラッと雰囲気が変わるのもおもしろく、一種の迷宮のよう。高級ブランドが多いものの、リッチな人だけでなく普通のマイアミっ子も大勢訪れ、マイアミの多様性を見ることもできます。豊かな緑のなか、ジェラートショップがあったり、ブランコがあったり、いつものアメリカのショッピングゾーンとは違った、マイアミらしい開放的な空気を味わえるでしょう。

日本でも人気のブルガリのショップ。格式ばらずにふらっと寄れるのがマイアミ
日本でも人気のブルガリのショップ。格式ばらずにふらっと寄れるのがマイアミ

ウィンウッド・アート地区、デザイン地区。どちらのエリアも、マイアミが全米一アートな町であることを実感させてくれるところです。

デザイン地区には子供向けの遊具もあって、家族連れで来る人も多い
デザイン地区には子供向けの遊具もあって、家族連れで来る人も多い

マイアミ—オーランドを結ぶ高速鉄道

マイアミでは、公共交通機関にも大きな変革がありました。ダウンタウン中心部に直接乗り入れている高速鉄道「ブライトライン」の開業です。ドイツのシーメンス社の技術を導入した鉄道で、すでにマイアミからウエスト・パームビーチまで開通していました。それが今秋オーランドまで延伸され、ついにフロリダの2大都市を3時間30分で結ぶことになったのです。

マイアミセントラル駅に乗り入れる高速鉄道「ブライトライン」。車内はWi-Fiも開通
マイアミセントラル駅に乗り入れる高速鉄道「ブライトライン」。車内はWi-Fiも開通

フロリダ版新幹線といもいえるブライトラインは、快適な乗り心地はいうまでもなく、どの車両にも広い荷物置き場や自転車ラックが設置され、車椅子の人でもゆうに使える広さのトイレもあり、手洗いの温水や、石鹸、温風も自動で出るなど、誰にでも使いやすくなっています。加えて、これまでアメリカの列車にはなかった車内販売も登場しました。

サステナブルが浸透しつつあるアメリカでは自転車を電車に持ち込む人も多い。ブライトラインにも専用のラックがある
サステナブルが浸透しつつあるアメリカでは自転車を電車に持ち込む人も多い。ブライトラインにも専用のラックがある

日本の新幹線との大きな違いのひとつが、駅の待合室です。空港のビジネスクラス・ラウンジのように、ゆったりとしたソファがいくつも置かれ、横にはバーカウンターもあります。無料のWi-Fiも開通して、コンセントの数も豊富。ブライトライングッズも販売する売店は、無人でキャッシュレス。デザインもスタイリッシュで、いるだけで高級感を味わうことができます。

West Palm Beach駅の待合室。おしゃれなホテルのロビーを思わせる
West Palm Beach駅の待合室。おしゃれなホテルのロビーを思わせる
アメリカで車内販売のワゴンが回るのは実に画期的。飲み物や軽食が販売される
アメリカで車内販売のワゴンが回るのは実に画期的。飲み物や軽食が販売される

これまでアメリカの旅客鉄道といえば「アムトラック」という半官半民の会社の運営で、貨物の線路を借り受けて走ることから、遅れることで有名です。ニューヨーク—ワシントンDC間を除けば運行本数も少なく、移動手段というより鉄道の旅を楽しみたい人向けでした。しかし、ブライトラインは1時間に1本の運行と使い勝手もよく、飛行機のように予約をしなくてもその場で乗ることも可能です。駅舎がそれぞれの町の中心部や便利なロケーションにあるのも大きなメリット(オーランドは国際空港発着)で、まさに日本の鉄道の感覚で利用できるのです。もし、2026年のWBCの開催地が今年同様マイアミだったら、お昼までオーランドのテーマパークで遊んで、そこからマイアミに向かってWBC観戦もできてしまうのです。
ところで、トランプ前大統領がマイアミの連邦裁判所に出廷するところがTV放映されていましたが、マイアミの裁判所はなんとブライトラインのマイアミセントラル駅の目の前でした。その東隣が刑務所というのはなんと準備のいいことか!

ブライトラインのマイアミセントラル駅。上はタワーマンションとオフィスビルになっている
ブライトラインのマイアミセントラル駅。上はタワーマンションとオフィスビルになっている

2023年春、侍ジャパンの優勝でおおいに盛り上がったマイアミ。優勝の余韻を楽しみつつ、久しぶりの海外旅行に、アートにあふれるマイアミはいかがでしょうか?

旅のバイブル「地球の歩き方」ガイドブック

世界屈指のリゾート地、アメリカ・フロリダ州。マイアミ、キーウエスト、オーランドなどの都市、ビーチや国立公園を網羅。ウォルト・ディズニー・ワールドなどのテーマパークやケネディ宇宙センター、セブンマイル・ブリッジなどの情報も満載!

※当記事は、2023年7月28日現在のものです

TEXT: 『地球の歩き方 ガイドブック B10 フロリダ 2024年~2025年版』編集担当 山本玲子
PHOTO:(有)地球堂、iStock、Brightline

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筆者

地球の歩き方書籍編集部

1979年創刊の国内外ガイドブック『地球の歩き方』の書籍編集チームです。ガイドブック制作の過程で得た旅の最新情報・お役立ち情報をお届けします。

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