北海道のコーヒー文化発祥の地、函館で食べたいソフトクリーム「コーヒーソフト」
これまで何度か訪れてきた北海道の入り口、函館は、「函館朝市」で知られる新鮮な魚介や空港から近い温泉などで知られる街ですが、そんな函館でおすすめのソフトクリームのテイストが「コーヒーソフト」です。
北海道と函館のコーヒーの深いつながり
早くは江戸時代に日本に伝わったといわれるコーヒーですが、北海道とコーヒーには意外なつながりがあるそうです。
江戸時代末期、政府の命で日本最北端の稚内に本州から北方警備のために藩士が送られ、その際、北海道北部特有の気候と栄養不足のために病気になる藩士が続出し、命を落とした人も多かったそう。
そこで政府は、当時すでに薬としての効能が知られていたコーヒーを北方警備の藩士に配給したため、当時としては、稚内で薬としてコーヒーが飲まれたことは、日本で一般の人がコーヒーを飲んだ最初の例のひとつとのこと。
南国で生産されるコーヒーが、薬としてとはいえ、北海道でいち早く飲まれたことは、コーヒー好きとしてはとても意外な発見でした。
稚内市には、コーヒーを飲むことなく亡くなってしまった藩士の「津軽藩士詰合記念碑」があり、それはコーヒー豆をかたどったものだそうです(参考:稚内観光情報)。
また、稚内では毎年(コロナ禍を除く)「わっかないコーヒーフェスティバル」が開催されています。
一方、明治になると東京を中心にコーヒーを嗜好品として楽しめるカフェができましたが、北海道では1932年に鈴木商店(現・美鈴珈琲)と十字屋食料品店(現・十字屋珈琲店)のもとになる店が函館でコーヒーの焙煎や販売促進のための卸事業などを開始し、十字屋食料品店は、ブラジル政府直営の「ブラジル珈琲宣伝所」の特約店としてコーヒー宣伝活動のイベント(試飲会)などにもかかわっていたそうです。
稚内とコーヒーのつながりは、北海道でもあまり知られてはいませんが、南国で生産されるコーヒー豆が、意外にも北海道と向かい結びつきがあったことに驚きました。
北海道では昭和の頃から老舗コーヒー豆店として知られるのは、「美鈴珈琲」ですが、そんな歴史を背景に、函館ではよく見られるソフトクリームがコーヒーテイストのソフトクリームです。
近年は札幌市内でもコーヒーテイストのソフトクリームを食べられるお店がありますが、函館ではコーヒーテイストのソフトクリームを食べられるお店がいくつもあります。
有名なところでは、美鈴珈琲の「コーヒーソフトクリーム」(400円)。
函館市内・近郊の美鈴珈琲の店舗で販売・提供しています。
また、人気の老舗喫茶店として知られる「コーヒールームきくち」の人気メニューのひとつは「モカソフト」(テイクアウト:290円)。
テイクアウトでも店内でも食べられる「モカソフト」は、ときには行列ができる人気のソフトクリームで、こちらのモカソフトも美鈴珈琲を使って作ったコーヒーテイストのソフトクリームです。
また、トラピスチヌ修道院の目の前にある「はこだて市民の森売店」でも「オリジナルコーヒーソフトクリーム」(430円)を販売しています(数量限定)。
こちらも美鈴珈琲との協働で作ったコーヒーテイストのソフトクリームだそう。
コーヒーソフトクリームは、甘い中にコーヒーの香りとほろ苦さを感じるちょっとオトナな味のソフトクリームです。
甘さとほろ苦さのバランスは、一度食べるとクセになる味。
なかには、コーヒー粉をトッピングしてくれるお店もあります。
北海道の旅では、ソフトクリームのハシゴは定番プランのひとつですが、函館を訪れたら、コーヒーソフトクリームのハシゴもおすすめです。
コーヒーテイストのお土産 in 函館
ほろ苦いコーヒーテイストは、甘いお菓子との相性がぴったり。
函館では"美鈴珈琲"ブランドのコーヒーテイストのお土産もおすすめです。
多くの函館・近郊のお土産店で扱っているので、ぜひお土産として、旅行中のおやつとして、コーヒーテイストのお菓子もチェックしてみてください。
筆者
北海道特派員
市之宮 直子
小樽生まれ、江別育ち、札幌在住のフォトライター。三度の飯より北海道を撮ることが好きな道産子北海道Loverです。
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