136.じゅうたん作りが無料で見学できる！サマルカンド・ブハラ・シルクカーペット工場

サローム（こんにちは）！

ウズベキスタン旅行中、もし一般家庭を訪れる機会があればぜひ床に注目してみてください。どんなお家でも、日本ではなかなか見つからなさそうな立派なじゅうたんが敷かれていることでしょう。ウズベキスタンは有名なカーペットの産地であるトルクメニスタンやイラン、アフガニスタンといった国々に近く、じゅうたん作りの原料となる羊毛やシルクも豊富にあります。さらにかつては日本と同じく家で床に座って暮らす生活様式が一般的だったことから（今でも地方の民家などでは椅子が全く見当たらないことも）、この国では昔からじゅうたんは人々の生活に欠かせない重要なものだったのです。
シルクロードの国ウズベキスタンにふさわしいお土産として、ぜひじゅうたんを買ってみたい！とお思いの方は、ぜひサマルカンドのじゅうたん工房サマルカンド・ブハラ・シルクカーペット工場を訪ねてみてください。ここは1992年にアフガン人のカーペット職人が設立した工房で、その名の通りシルク製カーペットを中心に高品質なじゅうたんを製作しており、その様子を何と無料で見学できてしまうのです。

敷地に入ると、何やら植物の皮などが保存されているのが目に入ります。これ、実は全てじゅうたんに使われる染色なのです。ザクロからは赤色、インディゴからは青色、くるみからは茶色、サフランからは黄色やオレンジ色。さらにそれぞれの染料を混ぜ合わせることで、無限の色彩が表現できるのです。ここで作られるじゅうたんの染料はほぼこのような自然素材で、それゆえ丈夫で長持ちするのだといいます。
まるで風呂釜のような巨大な大鍋もここに。これで原料を煮て色を出すのです。

中に入ると、いきなり無数のじゅうたんがご登場。このじゅうたんたちの美しさといったら！写真と見違えるような出来栄えのじゅうたんもあり、美術館に入ったかのような錯覚に陥ります。このように来訪者に怒涛のじゅうたんを見せて圧倒させ、さっそく購買意欲を掻き立てるのは何とも上手なやり方です。恐れ入りました...。

じゅうたんが張り巡らされた廊下に、ここを訪れた各国の賓客の写真が飾られた一角があります。顔を見てすぐ誰か分かるほどの著名人ばかりなので、ぜひ見てみましょう。かの小泉元首相もここを訪れたようです。

それでは2階に上がって作業部屋に行ってみましょう。たくさんの機織り機の前に織り手たちが腰を下ろし、慣れた手つきでどんどんじゅうたんを織っていく様は圧巻です。
かつては織り手どうしで楽しくおしゃべりしながらじゅうたんを仕上げていったのでしょうが、この現代では脇にスマホを置いて音楽を聴きながら作業している織り手もおり、皆思い思いのスタイルでじゅうたんを作っています。現在400人ほどの織り手が働いているとのこと。

タイミングが良ければ、ガイドが実演も交え、流ちょうな英語でじゅうたん作りの一連の工程を説明してくれます。始めてすぐは難しいけど慣れたら簡単になってくるよ、、とのことですが、こんな緻密な作業など自分には一生かかっても無理な気がします...。

そしてもちろんここで作っているじゅうたんはこの場で購入が可能。1階に戻ってショップへ行ってみると、四方八方を埋め尽くすじゅうたんの数々に目がくらむことでしょう。床にも売り物のじゅうたんが重ねられており、足の踏み場に困るほどです。

自然の素材を使い、手織りで作られているだけあってさすがにどのじゅうたんもそこそこ値が張り、中には数千ドルするシルクカーペットも...。しかし日本で買うことを考えればお得なはず。また玄関マットなどにぴったりな小さめのウール製じゅうたんならお手頃価格で購入可能です。無数のじゅうたんから十分吟味して、あなたの琴線に触れるようなこれぞという一品を見つけ出してみてください。値段交渉も忘れずに。

じゅうたんはちょっと手が出ない...という方は、同じくこの工場で作られた衣装や、バッグやスカーフなどの小物雑貨を購入するのはいかがでしょう？やはりどの商品も市内のお土産屋さんより高めですが、その分センスもクオリティも一味違います。

人気観光地のシャーヒズィンダ廟群から徒歩約10分と立地も良く、観光の合間に気軽に訪れることができるのも嬉しいこのサマルカンド・ブハラ・シルクカーペット工場。じゅうたん作り見学だけでも、ぜひ立ち寄ってみてください。

それではコルシュグンチャ・ハイル（また会う日まで）！