ローマを訪れたら絶対食べたい名物グルメ5選!穴場レストランも紹介

公開日 : 2024年02月12日
最終更新 :

長い歴史のなかで洗練されてきたローマのグルメ事情。町には大衆食堂のトラットリアやレストラン、ピッツェリアが多く店を構えており、現地の人だけではなく世界中から訪れる観光客の舌を魅了します。

せっかく美食の国のイタリア、そしてローマを訪れたのであれば、その土地ならではのおいしいローマ料理をがっつり堪能しましょう。本記事では、ローマを旅行する際にはぜひ食べてほしい名物グルメと、おすすめの店を紹介します。

1. 絶対に堪能したい!「カルボナーラ」

今では世界中で人気のカルボナーラ。カルボナーラの歴史は比較的浅く、1944年のローマ解放でアメリカ軍が持ち込んだ卵やベーコンが流通し、その材料を元にイタリア人シェフが発明したといわれています(諸説あり)。

日本で食べるカルボナーラはクリーミーさを出すため牛乳や生クリームを使うこともありますが、本場のカルボナーラはシンプルにベーコン、卵、黒コショウ、チーズで仕上げ、日本のカルボナーラと比べても濃厚な味わいです。

ここローマでカルボナーラが有名なレストランといえば「La Carbonara」。日本のガイドブック等では、このレストランはカルボナーラ発祥の店といわれていますが、実際には発祥の店ではありません。カルボナーラを提供していることに加え、先代のオーナー兼シェフの妻が炭鉱労働者:Carbonaioだったことで、カルボナーラ:Carbonaraという店の名前になっているわけですが、そうした部分で勘違いした人々によってそのような噂がひとり歩きしてしまったようです。

そのような噂もありますが、こちらの店はそのおいしさで多くのガイドブックにも取り上げられることから、多くの旅行者が連日列を作っています。

La Carbonara

住所
Via Panisperna, 214, 00184 Roma

ほかにも、ローマの町なかには有名店でなくてもレベルの高い店が多くあります。

有名な観光地「真実の口」からもほど近い「In Roma dal 1917」という店では、ローマ市内に数あるカルボナーラを出すレストランの中でおいしいカルボナーラを食べることができます。公式HPでも “世界で一番有名でおいしいカルボナーラ” とうたっているだけあり、使用する材料の黒コショウ、卵、豚のほほ肉などは産地にこだわったものです。季節限定のアーティチョーク入りのものや、ベジタリアン対応のカルボナーラなど、創意工夫を凝らしたカルボナーラを堪能できます。

ローマの人たちのカルボナーラに対する愛情は強いので、メディアでおいしい店が取り上げられることも多く、各店が切磋琢磨をして日々味の追及を行っています。

In Roma dal 1917

住所
via dei Fienili 56,00186 Roma

2. ローマを代表する肉料理「サルティンボッカ」

ローマ地方の郷土料理として見逃せないのがサルティンボッカ(Saltinbocca)。この料理は、薄切りの仔牛肉に生ハムや香草巻き上げソテーした料理で、まだ日本人にはなじみの薄いグルメですが、ローマ近郊では何世紀にもわたって親しまれている肉料理です。

おいしいサルティンボッカが食べられるレストランが位置するのは、ローマの下町トラステヴェレ地区という場所です。多くの地元民も訪れるトラステヴェレは、昔から名店のレストランがたくさんある場所として欧米を中心に旅人の間で広く知られてきました。石畳が敷かれ歴史情緒感じる町並みは、訪れるだけでも異国感を感じることができます。

そんなトラステヴェレにある「Dar Sor Olimpio al Drago」は伝統的なローマ料理を提供するレストランとして知られており、ここのサルティンボッカは生ハムの塩味とセージの香りが口の中で一体となり、仕上げに入れる白ワインの風味が優しく全てをまとめます。

店内の雰囲気や接客もよく、料理の量も多すぎず日本人に合う量です。おいしいサルティンボッカとすてきな町の雰囲気、好みのワインを片手に特別なひと時を過ごしましょう。

Dar Sor Olimpio al Drago

住所
Piazza del Drago, 2, 00153 Roma

3. ひと口食べると口のなかでイタリアの風が吹く「ライスコロッケ」

ローマが発祥のライスコロッケ(Supplì)は、見た目は俵型のコロッケのようですが、中身にトマトソースを絡めたリゾットとモッツァレラチーズが入ったイタリアならではのコロッケです。トマトとチーズというイタリア定番の組み合わせで、現地では老若男女に愛されるソウルフードとして多くの店で見かけます。

筆者が推薦するローマトップレベルのライスコロッケを提供する店はガイドブックでもよく紹介される「Bonci」です。元々は切り売りのピザが有名な店ですが、ここのライスコロッケは中身がしっかり入っていて、口に入れると米のうま味が口いっぱいに広がり、チーズの風味も相まってもうひと口、もうひと口と止まらなくなります。

Bonci

ローマ市内にいくつか店舗がありますが、観光の途中でも訪れやすいのはヴァチカン美術館からほど近い場所にある「Bonci Pizzarium」です。ショーケースのなかにはピザを中心にライスコロッケや揚げ物などところ狭しと並べられています。切り売りのピザはたくさんの種類があり、見たことがない組み合わせのものもあります。注文までの待ち時間に味を想像するのも楽しみのひとつ! 店内はあまり広くないのですが常に多くのお客さんでごった返していて、整理券が配られています。

Bonci Pizzarium

住所
Via della Meloria, 43 00136 Roma

「行列には並びたくないけどBonciのライスコロッケ、切り売りピザが食べたい」という方は「Panificio Bonci」をこっそり紹介します。

こちらの店は同系列の店にも関わらず、Bonci Pizzariumと比べると行列が少ない穴場です。ランチの時間から少しずらすと比較的スムーズに買うことができておすすめです。

Panificio Bonci

住所
Via Trionfale, 36, 00195 Roma

4. しっとりジューシーな食感がたまらない「ポルケッタ」

ローマを含むイタリア中部が発祥とされるポルケッタ(Porchetta)。豚肉を長時間低温調理でしっとりとローストした料理で、作る人によりハーブやスパイスの配合が微妙に異なるので自分好みの味を探すのが楽しい伝統的な料理です。

もともとはお祝いや特別な行事のときに子豚を丸々一頭ローストしたものが始まりとされていますが、今では町の惣菜店でも気軽に買うことができ、ポルケッタをパンにはさんだパニーノの屋台も町なかでよく見かけるようになるなど、とてもカジュアルな料理となりました。

ポルケッタはローマ近郊のカステッリ・ロマーニ地方のアリッチャ(Ariccia)という町が有名です。ローマからは地下鉄A線の終点駅である「アナニーナ(伊語:Anagnina)」よりCotral社のバスを利用して「ヴェッレトリ(伊語:Velletri)」行きでアリッチャ下車となり、所要時間は約1時間30分です。旅程に余裕がある場合は足を延ばしてみるのもおすすめです。

ローマ滞在で時間がない方は、ローマ最大の市場といわれるトリオンファーレ市場を訪れてみましょう。庶民の台所で気軽に本場のポルケッタを堪能することができます。

トリオンファーレ市場

5. 新鮮な海鮮がゴロゴロのった「ペスカトーラ」

あまり海鮮料理の印象がないローマですが、ローマ近郊のオスティア・アンティーカ(Ostia Antica)という町では新鮮なシーフードを楽しめます。町なかには古代ローマの港町の遺跡もあるので、グルメと観光を兼ねて訪れるのもおすすめです。

そんなオスティア・アンティーカの端にある筆者おすすめの店が「Arianna al Borghetto」です。家族経営の素朴な雰囲気のレストランですが、まさに家庭料理!といった優しい味付けで港町ならではの料理を食べることができます。特に日本人にも馴染みのあるペスカトーラは絶品で、パスタを覆いつくす勢いの数種類の魚介からでた出汁がパスタと絡まり、フレッシュなトマトの酸味と相まって食べる手が止まりません。シンプルながらも奥深い味を楽しめます。ほかにはボンゴレやその日ならではの海鮮系のパスタもおすすめで、この店のおいしさを知っている筆者は写真を見るだけでも涎が止まらなくなります。

ローマ中心部のサン・パオロ門駅(伊語:Roma Porta San Paolo)からオスティア・リド線(伊語:La ferrovia Roma-Lido)で約30分というアクセスのよさもあり、週末にもなると多くの人がこの町の海鮮料理を食べに訪れます。

こちらのレストランでは、魚系の料理は基本的にその日の新鮮な食材を使って提供しているため、時期や季節によってメニューが変わることがあります。ペスカトーラが食べたいという方は、ぜひ店の方に聞いてみてください。

Arianna al Borghetto

住所
Via del Forno, 11, 00119 Roma
URL
なし

【番外編】ローマで工夫たっぷりのヴィーガン料理を堪能

チーズや肉を使うことが多いイメージのイタリア料理ですが、近年では動物・自然愛護の観点や健康ブームなどに配慮してヴィーガン(完全菜食主義者)向けのメニューを提供する店が増えました。ローマは世界中から色々なバックグラウンドを持った人が訪れるため、多様な食事のなかから自分に合ったものが選べるのは嬉しいですね。

筆者自身はヴィーガンではありませんが、先日訪れたヴィーガンレストランでおすすめの店があったので紹介します。ローマ・テルミニ駅からほど近い「Rifugio Romano」で提供される料理は、肉・魚・チーズなどの動物由来のものを全く使用していませんが、ナッツや豆腐などを使用して野菜だけではなかなか再現できないコクや食感豊かな料理を提供しています。店内は重厚な雰囲気で、外の喧騒から離れてゆっくりと料理を楽しむことができます。

まだ日本ではあまりメジャーではないヴィーガン料理ですが、欧州では広がりつつある料理の一つですので、イタリアを訪れた際はイタリアならではのヴィーガン料理をぜひ試してみてください。料理の味はもちろんですが、工夫が満載の調理法や味付けなどに着目して食べるのもとても楽しいです。

Rifugio Romano

まとめ

町中にレストランが点在しているこの永遠の都ローマでは嗜好や予算に合わせて好みの店を見つけることができます。今回はローマでメジャーな料理を紹介しましたが、イタリアはエリアによって多様な食文化が存在するため、紹介しきれないほどのおいしい料理がたくさんあります。

筆者の持論ですが旅と食は連動するものです。訪れた土地土地のおいしいものを食べ、歴史背景に思いを馳せながら食事を楽しむだけでも、本やウェブサイト情報だけでは得られない感覚を得られます。日本で食べるイタリア料理ももちろんおいしいかもしれませんが、ぜひローマを訪れた際には今回紹介した店も利用してみてください!

筆者

イタリア特派員

田澤 龍太郎

現地でサッカーを中心にしたスポーツ留学サポートや旅行アシスタントやコーディネーター等と現地在住の強みを活かした仕事をしながらどっぷりと濃いローマライフを満喫中。

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