金融街シティでもフォートナム&メイソン! 食事もできる元王立取引所「ロイヤル・エクスチェンジ」

公開日 : 2024年02月11日
最終更新 :

日本人に大人気、イギリス土産の定番ともいえるブランド「フォートナム&メイソン」(関連記事)といえば、ピカデリー・サーカスの本店が有名ですが、実は金融街のロンドン・シティ地区(City of London)にも支店があるんです。

地下鉄バンク駅すぐの「ロイヤル・エクスチェンジ(The Royal Exchange)」には、通常店舗のほかに、飲食もできるバー・レストラン「The Fortnum’s Bar and Restaurant」があります。

王室と深い繋がりを持つ創業者

あまりにも壮大で、入るのに気後れしてしまいそうな外観のロイヤル・エクスチェンジですが、案の定450年以上もの歴史を持ち、その建物はイングランドの重要指定建築物、「グレードI」(関連記事)に登録されています。

現在は高級ブティックや飲食店が入るハイエンドなショッピングモールですが、もともとは「エクスチェンジ」という名のとおり、1566年にやり手の商人トーマス・グレシャムが開いた、ロンドン初の商取引所でした。

グレシャムは世界最古の金融取引所であるブリュッセル証券取引所で、王室の職員として働いていたこともあり、ロイヤル・エクスチェンジは1571年に女王エリザベス1世によって王室の称号を与えられ、正式に開業します。

ブリュッセル取引所をモデルにしたというだけあり、神殿のような立派な柱が特徴の建物は、見た目がブリュッセルのものにそっくり!

再建を繰り返す“不死身”の元王立取引所

王室の称号とともに、酒類販売の許可も女王より受けていたため、グレシャムは1660年に建物を増築し、証券取引所の上にイギリス初のショッピングモールを作りました。

ところが、シティ地区の⅓が燃えてしまったという1666年に起きたロンドン大火災で、ロイヤル・エクスチェンジも被害を被り、再開には3年の月日を要すことに。

1838年には当時まだコーヒー店を営んでいた、現在の保険関連の団体「ロイズ」が入居しましたが、このコーヒー店のストーブから出火しロイヤル・エクスチェンジの建物は再び消失。

1844年に、現在の建物の原形となるローマ神殿風の8本の柱を入口に据え、装い新たに今度はヴィクトリア女王によって開業されます。

残念ながら、まだまだ災難は終わりません。1941年には第2次世界大戦により目の前の通りが爆撃を受けますが、幸いロイヤル・エクスチェンジは惨禍を免れました。こうしてようやく3度目の正直で平穏が訪れ、現在にいたります。

飲食→買い物の順に楽しむフォートナム&メイソン

幾多もの困難を乗り越えてきた、歴史あるロイヤル・エクスチェンジの建物に入ると、まずはその天井の高さに圧倒されます。

3階まで吹抜けになった内部の1階には、冒頭で紹介したフォートナム&メイソンのバー・レストランが中央にあり、その周りをティファニーやオメガなどの宝飾品店がぐるりと囲むように並んでいます。

フォートナム&メイソンのショップもその一角にあり、通常であれば買い物のあとにでもひと息つきたいところですが、ロイヤル・エクスチェンジではまずバー・レストランで飲食することをおすすめします。

というのも、レシートを見せるとすぐ隣にあるフォートナム&メイソンのショップでの買い物が1割引(要確認)になるからです! 今回はランチをしましたが、気軽なお茶休憩でもよいですよね。

外からは丸見えですが、背の高いソファ席で囲われているので、案外人目は気にならず、むしろ高い天井を独り占めしているかのような非日常感を味わうことができます。

帰りはビルの入口とは反対の、奥の方から出ると「なぜこんなところにこの方が?!」と思った、アメリカの元大統領であるエイブラハム・リンカーンの石像を拝めます。

リンカーンの生まれ故郷の近くで採石されたものを使って彫られたこの胸像は、1930年にリンカーン表彰委員会よりグレシャム委員会へ贈られたもののようです。

ビルの外側にもエルメスやジョー・マローンのほか、アサイーボウルの店やベーカリーなど、気軽に利用できる軽食店もあるので、各店舗の営業時間などは以下のウェブサイトからそれぞれ確認ください。

◼️
ロイヤル・エクスチェンジ(The Royal Exchange
・住所
4-7 Royal Exchange, London EC3V 3LR
・アクセス
地下鉄バンク駅から徒歩2分
・営業時間
月-金7:30〜22:00

筆者

イギリス特派員

パーリーメイ

2017年よりロンドン南部で家族と暮らしています。郊外ならではのコスパのよいレストラン、貴族の邸宅、城めぐり、海沿い情報などが得意です。

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