モロッコの玄関口、タンジェヘ

Tanger

アルヘシラスから足を延ばして

タンジェ(スペイン語の発音はタンヘ)に着いたら、メディナと呼ばれる旧市街へと向かおう。厚い城壁に囲まれ、その中には敵の侵入を防ぐため、複雑な迷路のような道が造られている。とはいっても、モロッコのほかの町に比べるとタンジェのメディナはこぢんまりとしているので、道に迷って出られなくなるということはない。香辛料が並ぶスーク(市場)や、衣料やみやげ物を扱う商店などをのぞきながら、路地から路地へ。歩き疲れたら、プチ・ソッコPetit Socco にあるカフェテラスでミントティーを1杯。グラン・モスクGrand Mosquéeから聞こえてくるアザーン(礼拝の時間を知らせる合図)に、イスラム世界にいることを実感する。 プチ・ソッコから北の方角に歩いていき、階段を上ってアッサ門を抜けた所がかつての要塞カスバKasbah。旧王宮は今はモロッコ博物館Musée de la Kasbah になっている。海に面したカスバ広場からは、晴れていればスペインまで見渡せ、すばらしい眺めだ。カスバ門を出て南に下れば、周囲に食堂やカフェが並ぶ大きな広場、グラン・ソッコGrand Socco に出る。 かつて、タンジェは国際商人でごった返し、密輸人やスパイが暗躍する舞台であった。そうしたエキゾチックで危うい雰囲気が、多くの芸術家たちをひきつけた。画家マティスやドラクロワがアラブ世界を題材にした作品を描き、また1950 年代を中心に活躍したポール・ボウルズ、ウィリアム・バロウズといった作家たちがタンジェで創作を行っている。 ところで、メディナを歩いているとみやげ物屋の客引きにあうはず。買い物を楽しむのもいいが、ここはヨーロッパではないことを忘れないように。交渉をちゃんとしないと、思いっきりぼられる。また、最近は取り締まりが厳しくなり声をかけてくる自称ガイドは少なくなったが、それでも特に女性は注意が必要。「メディナを案内する」などと言われても、相手にしないこと。ひとりで行く自信のない人は、ツアーに参加するほうが無難だろう。

写真

  • 活気あふれるメディナのスーク

    活気あふれるメディナのスーク

  • カフェでは甘いミントティーを

    カフェでは甘いミントティーを

  • 大道芸人に出会うこともある

    大道芸人に出会うこともある

  • 迷路のようなメディナ内

    迷路のようなメディナ内

  • 白と緑のミナレット(尖塔)
が美しいグラン・モスク

    白と緑のミナレット(尖塔) が美しいグラン・モスク

  • 天気のよい日はジブラルタル海峡の向こうにスペインが見える

    天気のよい日はジブラルタル海峡の向こうにスペインが見える

基本情報

アクセス

タリファから高速船が毎日4 〜6便運航、所要約1 時間、料金は片道€38。この高速船は旧市街近くの港に到着するが、今後変更されることもあるので要確認。アルヘシラスからの船は、タンジェ旧市街から約45km 東にある新港Tanjer Med に到着する。高速船で約1 時間30 分、フェリーで約2 時間30 分。各社合わせて1 日10 便ほど運航しており、片道€45 程度。フェリーは天候によって遅延、欠航することがあるので注意。アルヘシラスからタンジェへの日帰りツアーは昼食付きで€50 〜60、ホテルと食事が付いた1 泊ツアーは€80 〜と、フェリー往復よりも安い。アルヘシラスの旅行会社(→ P.352)に前日までに申し込む。
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