キュランダ（クランダ）とアサートンテーブルランド

キュランダはケアンズの北西30km（車で約40〜50 分）に位置する人口約3000 人の高原の町。その昔は先住民がこの地域に暮らしており、キュランダという名前はこの地の先住民の言葉で「熱帯雨林の村」という意味。19 世紀には鉱山の町として栄え、1886 年には鉱山で働く人のために鉄道が敷かれた。これが現在、観光用のキュランダ・シーニックレールウェイ（→ P.102）となっている。キュランダへは、この鉄道と世界有数の長さを誇る熱帯雨林俯瞰用ケーブルウェイのスカイレール（→ P.102）を組み合わせて訪れるのが一般的となっている。　キュランダの町は、鉱山鉄道が利用されなくなったあとの1960 年代から、ヒッピーが自由を求めて集まっていた。　現在では町には多くのアーティストが住み、キュランダ・ヘリテージマーケットKuranda Heritage Market やキュランダ・オリジナル・レインフォレストマーケットKuranda Original RainforestMarket で、彼らの作品を観ることができる。また、蝶や鳥の飼育施設や小さな動物園（→ P.91）もあり、のんびり散策するには最適だ。またキュランダから車で5 分ほどの場所には、レインフォレステーション・ネイチャーパーク（→ P.88）がある。人気の水陸両用車アーミーダックに乗れたり、コアラを抱いて記念撮影できたり、先住民のショーが観られたりする人気の熱帯雨林テーマパークだ。
高原地帯と熱帯雨林が楽しめる アサートンテーブルランド
キュランダから西は大分水嶺（グレートディバイディングレンジ）に開けた高原地帯で、アサートンテーブルランドと呼ばれている。この一帯の気候は複雑で、キュランダ同様の熱帯雨林があるかと思えば、わずか数km 先が降雨量の少ない乾燥気候となっていたりする。こうした特異な気象条件と標高の高さを利用し、牧畜業、農業（コーヒーや紅茶、マンゴー、ライチー、バナナなど）が盛んだ。　見どころは点在しており、レンタカー利用が基本だ（ケアンズ発のツアーも多い）。よく知られているのが、マリーバMareeba 近郊の花崗岩渓谷グラニットゴージ・ネイチャーパークGranite Gorge Nature Park。ここには固有のイワワラビーであるマリーバロックワラビーが生息しており、入口で餌を買っておけば誰でも簡単に餌づけが楽しめる。
またマリーバの町ではコーヒーワークスThe Coffee Works、ジャックス・コーヒー農園Jaques CoffeePlantation などのコーヒー農園、ゴールデンドロップ・ワイナリーGoldenDrop Winery やデ・ブルーイズ・ブティックワインde Brueys BoutiqueWines といったフルーツワイナリーがあり、試飲などが楽しめる。　ヤンガバラYungaburra の村外れにある巨大な絞め殺しのイチジクのカーテンフィグツリーCurtain Fig TreeとカテドラルフィグツリーCathedral Fig Tree や、カンタス航空のCM 撮影にも使われた熱帯雨林の中の美しい滝ミラミラ・フォールズMillaaMillaa Falls もぜひ見ておきたい。　ほかにも火山湖のひとつバリン湖Lake Barrine でのクルーズとバリン湖ティーハウスでのアフタヌーンティー、アサートン近郊ガロ・デイリーランドGallo Dairyland でのチーズやチョコレート購入、さらにオーストラリアン・プラティパスパークAustralian Platypus Park でのカモノハシ・ウオッチングなどは外せない。ほかにも、ケアンズの水源ティナルー湖Lake Tinaroo でのウオータースポーツなどが人気だ。週末にアサートンAtherton 〜ハーバートンHerberton 〜レーベンスホーRavenshoe を結ぶ歴史保存鉄道の蒸気機関車、鍾乳洞のチラゴー洞窟Chillagoe Caves などが見どころだ。