写真映え間違いなし! 南ドイツ・バイエルンの美しすぎる町

公開日 : 2023年01月10日
最終更新 :
筆者 : 吉村 美佳

ドイツの美しい風景といえば、深い森の緑や雪景色の木々、メルヘンな街並みを想像する人も多いのではないでしょうか? 本記事では、それらとは一味違った美しいドイツの風景をご紹介します。きっと写真映えすること間違いなしの素敵な雰囲気の町へ行ってみませんか?
ドイツ南部に位置するバイエルン州の中でも最南端、オーストリアとの国境近く、ガルミッシュ・パルテンキルヒェンについてご紹介します。

※ バイエルン州観光局が企画した「G7参加国ジャーナリストのためのプレスツアー」に参加して経験したことを元に、書いています。

結婚式の様子が描かれた家
結婚式の様子が描かれた家

家の壁面に描かれた素敵な壁画、リュフトゥル画

ガルミッシュ・パルテンキルヒェルは、ドイツ最高峰の山の麓にある山岳リゾートの町です。西のガルミッシュと東のパルテンキルヒェルから成り立ちます。のどかな風景に混じったとても美しい「ルートヴィヒ通り」(パルテンキルヒェル)は必見です。筆者が訪れた11月下旬は、あいにくの天気でしたが晴れていれば、青い空に映える壁画をさらに楽しめたでしょう。

実は、このルートヴィヒ通りは、過去に2度も大火災に見舞われています。
多くの建物が消失してしまいましたが、2軒の家が現存しています。そのうちの一つが通称「古い家(アルテ・ハウス)」と呼ばれる家です。

ルートヴィヒ通り8、通称「古い家(アルテ・ハウス)」
ルートヴィヒ通り8、通称「古い家(アルテ・ハウス)」

700年もの歴史を持つとされる、ルートヴィヒ通りのなかでも最も貴重な建物のひとつです。建物自体は12世紀に建てられたといわれており、壁画は1821年に描かれています。

今現在、世界中で郵便物を配送する際に使われているシステムの元となるのは、タクシス郵便です。これは、トゥルン・ウント・タクシス家の考案によるもので、以前郵便物は、薬屋または肉屋が商品の運搬の「ついで」に配達していたところ、駅を設置し、疲れた馬を休憩させると同時に別の馬に乗り換えて郵便物を届ける仕組みでした。これにより郵便物が素早く届けられるようになったわけです。
このタクシス郵便の絶頂期である1763年に建設された建物がここにはあります。

世界の郵便制度を作り上げたトゥルン・ウント・タクシス家の建物
世界の郵便制度を作り上げたトゥルン・ウント・タクシス家の建物

当時は、馬や御者のためのスペースが建物の後ろにあったそうです。1867年に郵便事業が国営化された後も、郵便局として使われていました。

  • ルートヴィヒ通り45、110年強の歴史を持つレストラン

    ルートヴィヒ通り45、110年強の歴史を持つレストラン

なお、この通りには、とても素敵なチョコレート屋さんがあります。ページの最後でご紹介しています。

それでは、ルートヴィヒ通りを地図上で確認しておきましょう。

車で20分ちょっとにあるミッテンヴァルト

ミッテンヴァルト
ミッテンヴァルト

ガルミッシュ・パルテンキルヒェンから東南東方向へ車で20分程移動すると、ミッテンヴァルトの町に着きます。町の名前は直訳すると"森の真ん中"という意味です。筆者が訪れた日は霧が立ち込め、幻想的な雰囲気を醸し出していました。

素敵な建物が並ぶメインストリート
素敵な建物が並ぶメインストリート

町のメインストリート「オーバーマルクト」の両側の建物はホテルやレストランなどの商業施設が入っています。壁には聖書の場面を題材にした絵が多く描かれ、町中を歩いているだけでもまるで美術館を訪れているような錯覚に陥ります。

雨が結構降っていて、どうしてもカメラのレンズには水滴が。
一つ一つの絵を見ていると、本当に素晴らしい芸術作品。これを見ていれば、もう美術館なんか行く必要がない!というのは言い過ぎでしょうか。

教会までもが美しい絵画で飾られています。
教会までもが美しい絵画で飾られています。

ミッテンヴァルトでは、素敵なレストランを訪れました。素敵な壁画、天井画もさることながら、店内は趣のある調度品が飾られていて、とても優雅なひと時を過ごせます。

ミッテンヴァルトのレストラン、アルペンローゼ
ミッテンヴァルトのレストラン、アルペンローゼ
  • 民族衣装で登場のウエイターさん

    民族衣装で登場のウエイターさん

  • 天井画といい、雰囲気は最高です

    天井画といい、雰囲気は最高です

  • アイスバインも一度は食べたい

    アイスバインも一度は食べたい

  • 階段を降りるところの飾りは、ザウワークラウトを千切りにするための昔使われていた卸金

    階段を降りるところの飾りは、ザウワークラウトを千切りにするための昔使われていた卸金

  • レストラン内は素敵な雰囲気

    レストラン内は素敵な雰囲気

  • 同じ大きな部屋の中ですが、端の方は少し落ち着いているかも

    同じ大きな部屋の中ですが、端の方は少し落ち着いているかも

レストラン名
Hotel Gasthof Alpenrose
住所
Obermarkt 1· 82481 Mittenwald

昼食後、ミッテンヴァルトからクリュン(Krün)へ移動します。クリュンまではミッテンヴァルトから車でわずか10分少々です。

伝統壁画「リュフトュル画」の画家(リュフトュルマーラー)、べアンハート・リーガー氏

ローカルヒーロー、べアンハート・リーガー氏
ローカルヒーロー、べアンハート・リーガー氏

クリュンでは、伝統を守り通すリュフトゥル画家、べアンハート・リーガー氏のアトリエを訪問しました。
リュフトゥル画とは、南ドイツ、オーストリアの一部地域に限定された伝統的な壁画のことです。

天然素材の色を用いた伝統の絵画。必要な色は石炭や泥、膠(にかわ)などから得られる基本の色を混ぜ合わせて作っています。冬は作業をするには寒すぎるため、外壁に絵を描くのは春から秋にかけてのみです。
顧客からの仕事の依頼があると、まず顧客が望む絵について聞き取り調査をします。その後実際にキャンパスとなる建築物を見に行き、窓の位置、ドアの位置を確認後、デザインをしていきます。
伝統的な絵画ではありますが、昔と今の建築物の違いもデザインに影響するのだそうです。冬の寒さが厳しいドイツでは、昔は窓が小さく造られていましたが、今は比較的大きくなっています。その辺りを見極めてデザインを決定します。
「アーティストから見ると、窓は例えると目であり、絵画は女性のまつ毛のようなものなのです。」とべアンハートさん。
生まれも育ちもこの地方、子供の時からこの職業につきたかったのだそうです。

「大きな町で絵を描く人もいるけれど、自分は故郷に根付いた絵を描いていきたい。私の描く絵は、一時的な芸術ではなく、地域のためのものです。」

「絵やシンボルというのは、豊かさの象徴です。教会にもバロック、ルネッサンスの様式にのっとった芸術がありますが、ここで生まれ育った自分の芸術を、壁画として地元のために残していきたいのです。」
そう熱く語るべアンハートさんは、数少ない地元芸術リュフトュル画を後世に伝える、まさにローカルヒーローなのです。

特別素敵なチョコレートのお店、ショコラテリエ・アメリエ

見た目も美しい、素敵なチョコレートがいっぱいのカウンター
見た目も美しい、素敵なチョコレートがいっぱいのカウンター

最後に番外編です!
たくさん歩くご褒美に、甘いチョコレートのお店にも入ってみませんか。
ルートヴィッヒ通りにある「ショコラテリエ・アメリエ」は、現地ガイド一押しのお店です。

2003年創業のこのお店は、素材の良さと手作りにこだわるだけではありません。
業界で初のカカオ追跡哲学(CT哲学)というものを提示し、カカオ豆の生産から品質管理まで一貫して行なっているのです。

試食用のチョコレートを頂いたのですが、見た目が美しいだけでなく、とってもおいしいチョコレート。疲れを一気に吹き飛ばします。
店員さんの対応もとても優しく、お店に入って良かった! と思わせる、ちょっとほっこりするお店です。

工具などもチョコレートで作られています
工具などもチョコレートで作られています

クリスマス前の時期によく見るキリストの生誕をかたどった人形、クリッぺもチョコレートで作っているようで、このお店のものが町のあちこちのショーウインドウに展示されているとか。その展示マップも用意されていました。
ガルミッシュ・パルテンキルヒェンを訪れた際はぜひ立ち寄ってみてください!

ショコラテリア・アメリエ

住所
Ludwigstraße 37, 82467 Garmisch-Partenkirchen
公式ホームページ
https://www.chocolaterie-gap.de

以上、美しいバイエルン州にある美しい街を紹介しました。ドイツ旅行の際にぜひ訪れてみてください!
皆さん、次回の旅行では、南バイエルンを目指してみませんか。

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