ウェルネスな旅で訪れたい、ドバイのベジタリアン&ヴィーガン・レストラン

公開日 : 2023年06月09日
最終更新 :

食は旅の最大の楽しみのひとつ。美味しいだけじゃなく、ヘルシーで心も満たしてくれる食事を選びたいものです。世界中の最先端が集まるドバイで近ごろ増えているのが、ベジタリアンやヴィーガン(完全菜食主義)のカフェやレストラン。農法や製法にこだわり、有機・無農薬、遺伝子組み換えの食材を使わないなど、店によって強いこだわりがあるのも特徴。ウェルネスな旅におすすめのレストランを、厳選してご紹介します。

ダイエット中、アレルギーがある人も安心なオールデーダイニング

お値段が比較的リーズナブルで、豊富なメニューも人気の理由。
お値段が比較的リーズナブルで、豊富なメニューも人気の理由。

カフェ感覚で気軽に利用でき、写真映えするメニューで評判なのが、「バウンティ・ビーツ(Bounty Beets)」。ジュメイラビーチに面したミナセヤヒ地区にある「ル・メリディアン・ミナセヤヒ・ビーチ・リゾート&ウォーターパーク」内のオールデーダイニングです。前回、ウェルネスなホテルとしてご紹介したWドバイ-ミナセヤヒ の庭からは歩いてアクセスできるので、便利。

カリフラワーのステーキ。ヴィーガンメニューとは思えないほど満足感があります。
カリフラワーのステーキ。ヴィーガンメニューとは思えないほど満足感があります。

店内はオープンエアのテラス席と、ピンクを基調にしたインテリアがおしゃれな室内席があります。ブレックファストタイムや夕暮れなら、テラス席がおすすめ。メニューのネーミングもユニークで、カリフラワーのステーキは「CAUL ME STEAK!」(カリフラワーとCall:呼ぶを掛けた造語らしい)、グルテンフリーの自家製パンが付いたメニューは「HAVE A SLICE A DAY!」、プリンのデザートは「THANKS FOR PUDDING UP WITH ME」。メニュー名からどんなルックスの料理が登場するのか、想像しながら待つのが楽しいですよ。

肉厚のステーキに見えるのは「ツナのたたき」。
肉厚のステーキに見えるのは「ツナのたたき」。
ハワイでもおなじみの「ポケ丼」。マグロ好きは万国共通?
ハワイでもおなじみの「ポケ丼」。マグロ好きは万国共通?

私たちがオーダーしたのは、先ほども紹介したカリフラワーのステーキと、ツナ(マグロ)のたたき(その名も、TUNA TATAKI)、テンダーロインステーキ、ポケ丼など。野菜を中心にグルテンフリーのメニューが充実していますが、完全なベジタリアン&ヴィーガン・レストランではなく、肉や魚を使ったメニューも豊富。メニューにはヴィーガン(V)のほか、乳製品(D)、卵(E)、ナッツ類(N)とともにカロリー表示があるので、アレルギーが心配な人、ダイエット中の人も安心。食べ物の志向が異なるメンバーが、遠慮なく好きなものを食べられるのがいいですね。
バウンティ・ビーツ Bounty Beets

遊び心いっぱいの盛り付けに盛り上がる、ビーチサイドのレストラン

夜景が楽しみなロケーション。ダンスナイト、レディースデーなどイベントも盛りだくさん。
夜景が楽しみなロケーション。ダンスナイト、レディースデーなどイベントも盛りだくさん。

ドバイで最も美しいビーチのひとつ、パーム・ジュメイラのウエスト・ビーチにあるレストランが「プラヤ・ドバイ(PLAYA Dubai)」。ドバイで人気の高いペルー料理の店として知られていて、ここでもベジタリアンとノン・ベジタリアン、両方のメニューを提供しています。

ペルー出身のシェフ、カルロ・ヴァレンティン氏は、スペインやカナダのレストランで腕を振るった経歴の持ち主。世界中で人気が高まっているペルー料理ですが、この店ではその料理にかつて移民として渡った日系人が伝えた、日本料理のテイストを加えているのが特徴です。

日本の握り鮨が、ペルー人シェフの手にかかるとこんなアレンジに。ホタテ(左)は鮮度抜群で、とろけるような美味しさ!
日本の握り鮨が、ペルー人シェフの手にかかるとこんなアレンジに。ホタテ(左)は鮮度抜群で、とろけるような美味しさ!

その解釈が、とてもユニーク。例えば前菜のメニューを見ると、代表的なペルー料理であるセビーチェ(CEVICHE)と、ニッケイ・バー(NIKKEI BAR)のリストがあり後者には、にぎり(NIGIRI)、巻き物(MAKIMONO)の名前が並びます。ベジタリアン向けは、芽ネギなどの野菜、ノンベジタリアン向きは新鮮なホタテやサーモンなど。使われている器や盛り付けにも遊び心があり、目にも楽しい料理です。

デザートのようにフォトジェニックな料理が次々に登場。
デザートのようにフォトジェニックな料理が次々に登場。
バーカウンターのインテリアがスタイリッシュ! アフターディナーのカクテルタイムにもおすすめの店。
バーカウンターのインテリアがスタイリッシュ! アフターディナーのカクテルタイムにもおすすめの店。

ポップな音楽とともにディナータイムを楽しむのもよし、サンセットタイムやアフターディナーにバーだけの利用もできます。また、ブランチタイムからオープンしているので、明るい時間に訪れ、ビーチバーやランチタイムに利用するのもいいでしょう。火曜日のレディースデー、土・日曜日の夜のダンスナイトなどのイベントも楽しみなレストランです。
プラヤ・ドバイ PLAYA Dubai

中東初のミシュランガイドを飾る、ベジタリアン・レストラン

エグゼクティブ・シェフのラウル・ラナ氏は、インド・ヒマラヤ地方の出身。
エグゼクティブ・シェフのラウル・ラナ氏は、インド・ヒマラヤ地方の出身。

最後にご紹介するのが、2022年に発刊された中東初のミシュランガイドに、オープンからわずか3カ月で掲載され話題となった「アヴァタラ(Avatara)」。ドバイで初めてオールベジタリアンのコース料理を提供するファインダイニングで、2023年には早くもミシュラン一つ星に昇格しています。

16皿のコース(450AED)の一部。それぞれにストーリーがあり、シェフの想いが込められています。
16皿のコース(450AED)の一部。それぞれにストーリーがあり、シェフの想いが込められています。
料理が運ばれてくるたび、繊細な盛り付けにため息がもれます。
料理が運ばれてくるたび、繊細な盛り付けにため息がもれます。

姉妹店である「トレシンド(Trèsind)」の奥に、隠れ家のようにあるレストランは、いうなればシェフズ・テーブル。目の前でシェフが料理を仕上げる様子を眺めながら食事ができます。メニューは16品のコースのみ。料理の数の多さに驚きますが、すべてひと口からふた口で食べられるスモールプレート。それぞれの料理に込められた想いとストーリーに耳を傾けながら、色彩、香り、食感、味わいを楽しんでみてください。

デザートのひとつは森のキノコに見立てたアイス。遊び心も忘れていません。
デザートのひとつは森のキノコに見立てたアイス。遊び心も忘れていません。

エグゼクティブ・シェフのラウル・ラナ氏は、インド北部のヒマラヤ山脈のふもとで生まれ、子どものころからベジタリアンのコミュニティで育ちました。インド料理は、もともとベジタリアンが主流。その技術、哲学、ストーリーを現代風にアレンジしたことで、ラナ氏はフランスのレストランガイド「ゴ・エ・ミヨ UAE2023(Gault & Millau UAE 2023 )」で「フューチャー・グレート・シェフ・オブ・ザ・イヤー(Future Great Chef of the Year)」の称号を獲得しています。
今、ドバイで最もホットなレストランは、いうまでもなく予約必須。ゆったりと食事を楽しむためにも、最低3時間は予定して訪れることをおすすめします。
アヴァタラ Avatara

世界各国の料理を味わえるドバイは、レストランのクオリティも世界最高水準

話題のレストランが続々と登場しているドバイ。
話題のレストランが続々と登場しているドバイ。

約9割が外国籍の居住者で占められるドバイ。ビジネス目的の移住者や観光客だけでなく、世界で活躍するクリエイターやプロスポーツ選手でもドバイを拠点にする人が増えています。健康意識やステイタスが高い人が集まれば、彼らのニーズと審美眼にかなう高いクオリティの店も増えるのは当然のこと。ファインダイニングはもちろん、ストリートフードやスイーツなども豊富で、予算とお好みに応じて選べるのもうれしいところ。また、宗教的に飲酒が禁じられている中東にあってドバイの場合、ホテルのバーやレストランでは不自由なく楽しむことができるので、お酒好きの人も心配ありませんよ。

●取材協力:ドバイ経済観光庁
ドバイの観光情報満載のウエブサイト:Visit Dubai

筆者

永田さち子

フリーランスのライター・編集者。旅、食、ライフスタイルをテーマに、雑誌やWEB記事を執筆。ハワイ記事を得意とし、渡航歴は70回以上。著書に、ガイドエッセイ「よくばりハワイ」シリーズ、「ハワイのいいものほしいもの」「おひとりハワイの遊び方」など14冊があります。プライベートでは、猫好きのへなちょこランナー。

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