【ハワイ・マウイ島】The Gathering of the Voyager(航行者の集い)
少し前になるのですが、2023年10月13日(金)〜15日(日)に開催されたThe Gathering of the Voyager(航行者の集い)に参加してきました。今年で2回目を迎えるこのイベントは、サウス・マウイと呼ばれる地域にあるワイレアにあるフェアモント ケアラニにて開催されました。
The Gathering of the Voyager(航行者の集い)は、ハワイの航海文化を讃えるコミュニティの祭典です。西暦700年頃にポリネシアやマルケサス諸島の人々がカヌーでやってきたといわれるハワイでは、航海カヌーは大切な文化のシンボルです。
イベントのオープニングは、フェアモント ケアラニ前のケオネオポロビーチで、午前6時からカフと呼ばれる古代ハワイ伝統文化の継承者によるオリ(祈り)とチャント(詠唱)で始まりました。午前5時30分頃にホテルの部屋を出て、ビーチまで歩くのですが、あたりは真っ暗。「本当に人がやってくるのかしら?」などと考えながらビーチに到着するとすでに数十人の人が集まっていました。その後も続々と人が集まってきました。
その後、カフの指示の元、各自が心身を清めるために静かに海に入るヒウワイを行います。このヒウワイは、すべての邪悪なものを捨て、新しい始まりを迎える儀式です。水着で頭までどっぷり浸かる人もいれば、足だけの人もいます。私は、カメラを持っていたこともあり、足だけちょこっと海に入りました。
各人が各人のペースで心身を清めてビーチに戻ると「E Ala E(エ・アラ・エ)」とチャントが始まりました。このチャントでは「起きよ、目覚めよ、太陽が東に昇る、高い天から深い海まで輝いている、起きよ、目覚めよ」と、新しい日が始まったことの悦びを謳っています。太陽が昇るのを見ながらのチャント、そして途中には手拍子も入ります。私も一緒にチャントに参加し、手拍子もするのですが、初めてのことでリズムはかなり狂っていたと思います。
ビーチからカヌーが出航し、イベントの講演者や登壇者が乗っているカヌーを迎えに行きます。
カヌーがビーチに近づくと、プと呼ばれるほら貝の音の応酬後に、上陸の許可を求めるチャントが始まります。無事に上陸許可を得たカヌーがビーチに到着します。
厳かにセレモニーが始まり、レイの贈呈やティの葉に包まれたホオクプ(贈り物)が講演者や登壇者に渡されます。このホオクプは、この後ホテル敷地内の反対側にあるアフ(祭壇)まで運ばれました。
イベントには、ハワイの文化や歴史に関する講演やカヌーやパドルの作り方のデモンストレーション、モロカイ島出身のデザイナーによるファッションショーやポリネシアの踊りとドラムのデモンストレーション、もちろんハワイアン音楽もあり、盛りだくさんの3日間となりました。
ヒウアイではスリッパを脱いで素足で海に入り、手拍子をしながら「E Ala E」とチャントで仲間入りさせてもらい、朝を迎えたことへの感謝できる時間がもてました。朝日に感謝するなんて、日常の生活ではできない貴重な体験です。この日は、心がスッキリした朝となりました。The Gathering of the Voyager(航行者の集い)は、ハワイ在住者でもなかなか体験のできない、本物のハワイの文化に触れられる素晴らしいイベントです。毎年10月に開催されますので、機会があればぜひ参加してください。
筆者
ハワイ特派員
小嵜 有美
昭和、平成、令和にわたってホノルル暮らし。現在はフリーで編集者/ライターそしてハワイ企業の広報担当として活動中。ハワイの食ならお任せください!
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