ニューヨークで朝食、何を食べる?在住日本人ライターが最新の朝食事情を紹介!

公開日 : 2024年02月02日
最終更新 :

ニューヨーク旅行ではやるべきこと、訪れるべきスポットがたくさんあります。ベッドの中で朝寝坊していないで、早起きして街に出かけましょう。元気な1日を過ごすには、おいしい朝食からスタートしたいですね。

有名ホテルやレストランの高級な朝食、おしゃれなカフェでの流行りの朝食、ダイナーでの気軽な朝食……ニューヨークではどんな選択も自由自在。世界各国の朝ごはんを食べることもできます。またニューヨークの朝食の代名詞ともいえるベーグルも食べなきゃいけませんね。今回は、そんな選択肢の多いニューヨークの朝食について、ニューヨーク在住の筆者が最新情報をお届けします。

ホテルの宿泊代に朝食は含まれているの?

ニューヨークのホテル代は高い
©iStock ニューヨークのホテル代は高い

日本では宿泊代に朝食が含まれる場合もありますが、ニューヨークのホテル宿泊料には、基本的に朝食は含まれていません。

中規模以上のホテル内にあるレストランは、ホテルの直営店ではなく、テナント(店子)として別経営のレストランが入っていることがほとんどだからです。宿泊料に朝食代金は含まれていませんが、別途料金を支払うことで利用でき、飲食代はチェックアウト時に宿泊料とともに精算可能です。

以下のニューヨークのホテルについての記事でご紹介した、ザ・カーネギーホテルのような小規模ホテルでは、ロビーなどでセルフサービスのパンやフルーツ、ヨーグルト、ドリンクが無料で提供される場合もあります。実際には無料ではなく、利用如何を問わず、宿泊代のほかに施設利用料金(ホテルによってはアメニティー料金とする場合も)が約30ドル上乗せされています。

旅行客に人気の朝食はどこ?

女性旅行客に人気のパンケーキの朝食
©iStock 女性旅行客に人気のパンケーキの朝食

現在ニューヨーク市マンハッタンで、観光客に人気がある有名朝食店をリストアップしてみました。行列ができていることが多いので、予約をした方がいいかもしれません。

ニューヨークで人気の朝食レストラン(2024年1月現在)

店の特徴 店名 店名(英語) メニュー 住所
パンケーキの超有名店 クリントン ストリート ベイキング カンパニー&レストラン Clinton St. Baking Co. & Restaurant 公式サイト  4 Clinton St, New York, NY 10002(ローワーイーストサイド)
常に行列ができるヘルシー系朝食カフェ シチズンズ・オブ・チェルシー Citizens Of Chelsea, A Breakfast Restaurant 公式サイト  401 W 25TH ST, NEW YORK, NY 10001(チェルシー)
アフタヌーンティーのようにベーグルとスモークサーモンが提供される、高級人気レストラン サデルズ・ニューヨーク Sadelle's New York  公式サイト   463 W Broadway, New York, NY 10012(ソーホー)

名物のベーグルを食べてみる?

ニューヨークといったらベーグル! できたてを食べたい
©iStock ニューヨークといったらベーグル! できたてを食べたい

ニューヨーク旅行時の朝食に、ベーグルを食べてみたいと思う方も多いかもしれませんね。できたてのベーグルは、皮はパリッと、中はもっちりと密度が高く、格段においしいです。プレーン、セサミ(ごま)、ソルト(塩)、オニオン、ガーリック、エブリシング(全部のせ)、シナモンベーグル、ブルーベリーなどの種類が一般的です。

旅行者にとってハードルが高いオーダーの仕方ですが、そんなに難しく考えなくても大丈夫。シンプルにいきましょう。トーストしてもらい(またはそのまま)、バターを塗ってもらうのがベーグル本来の味がわかるおいしい食べ方です。エブリシング(全部のせ)であれば、「エブリシングベーグルをトーストして、バターを塗ってね(Toast and butter the Everything Bagel)」で通じます。一緒にコーヒーを頼んでも、5ドル程度で収まりますよ。

日本のメディアでは、サンドイッチのロックス(スモークサーモン+クリームチーズ+ベーグル)がおすすめされていることが多いようですが、実はニューヨークではスモークサーモンは「ごちそうの具材」であり、日本でいうと朝から特上刺身定食を食べるようなもの、といえば近いでしょうか。加えてたっぷりのクリームチーズとスモークサーモンを挟んだベーグルはややしつこく、朝からひとりでは食べきれないボリュームであることが多いです。ニューヨークでは、一般的に卵&ベーコンを挟んでもらうベーグルが人気で、値段もロックスの半額ほどです。

ニューヨークで人気のベーグルショップ(2024年1月現在)

店の特徴 店名 店名(英語) メニュー 住所
虹色のレインボー、星条旗色のリバティーなど派手色のベーグルが人気 リバティー・ベーグルズ Liberty Bagles 公式サイト 260 West 35th St New York, NY 10001(ヘラルドスクエア)
できたて&小ぶりのベーグル3個+クリームチーズ(プレーン、ネギ、メープルシロップバターのいずれか)1個のセット販売 ポップアップ・ベーグルス Popup Bagels 公式サイト 177 Thompson St, New York, NY 10012(グリニッジビレッジ)
グルテンフリーのベーグル ピオ・ベーグル Pio Bagel 公式サイト 58 W 36th St., New York, NY 10018(ヘラルドスクエア)

ニューヨークで、朝食を食べる場合の予算は

ニューヨークの朝食にかける予算はどのくらい?
©iStock ニューヨークの朝食にかける予算はどのくらい?

物価高のニューヨークでは、外食費用は割高。特にマンハッタンでは、高額な店舗の賃貸料が上乗せされているため、より高くなります。レストランやカフェの店内で食事をした場合は、サービスしてくれたスタッフのためにチップもお忘れなく。チップはダブルタックスといって、食事にかかった税金の2倍程度が目安です。

外食の予算は、下記を参考にしてください。

外食費用目安(2024年1月現在)

パンケーキまたはフレンチトースト 18ドル 例:クリントン ストリート ベイキング カンパニー&レストラン
コーヒー 5ドル 例:クリントン ストリート ベイキング カンパニー&レストラン
フレッシュ・オレンジジュース 7ドル 例:クリントン ストリート ベイキング カンパニー&レストラン
アボカド・トースト 16ドル 例:シチズンズ・オブ・チェルシー
バナナブレッド・フレンチトースト 15ドル 例:シチズンズ・オブ・チェルシー
抹茶ラテ 6ドル 例:シチズンズ・オブ・チェルシー
サデルズタワー(Sadelle’s Tower)スモークサーモンやサラダの盛り合わせ ベーグル付き 125ドル 例:サデルズ・ニューヨーク
フレンチトースト 24ドル 例:サデルズ・ニューヨーク
レインボー(虹色)、リバティー(星条旗色)のベーグル(スペシャルなので割高) 各3.5ドル 例:リバティー・ベーグルズ
ロックス(スモークサーモン+クリームチーズ+プレーンベーグル) 13.95ドル 例:リバティー・ベーグルズ
卵&ベーコン(卵+ベーコン+プレーンベーグル) 7.5ドル 例:リバティー・ベーグルズ
できたてのベーグル3個+クリームチーズ1個のセット 13ドル 例:ポップアップ・ベーグルス
グルテンフリーのベーグル 1個 2.75ドル 例:ピオ・ベーグル

※2024年1月現在。上記料金に税金・サービス料(チップ)は含まれていません。

人気の朝食メニューと注意したいポイント

おいしそうなエッグベネディクト。でもアメリカの卵は基本的に生食用ではないので茹で加減には注意
©iStock おいしそうなエッグベネディクト。でもアメリカの卵は基本的に生食用ではないので茹で加減には注意

日本のガイドブックやメディアでは、ニューヨークの朝食として取り上げられることが多いエッグベネディクト。エッグベネディクトとは、ベーコンまたはハム、スモークサーモンの上にポーチドエッグをのせ、オランデーズソースをかけた料理で、ニューヨーク発祥だそうです。見た目も華やかで魅力的なエッグベネディクトですが、ニューヨークで食べる際には気をつけたいポイントがあります。

生食できる日本の卵と異なり、一般的なアメリカの卵は、殺菌処理が行われていないので、サルモネラ菌による食中毒が起こる可能性があります。そのため、アメリカ人は卵を生あるいは半熟状態で食べる習慣がありません。目玉焼きでもオムレツでも、日本人から見ると焼き過ぎに見えますが、食中毒を恐れてのことです。市販の卵のパックの横には、「バクテリアによる病気から身を守るために、卵は冷蔵保存し、卵黄は固まるまで調理し、卵を含む食べ物は完全に火を通しましょう」と注意書きがあります。

米国疾病予防管理センター(Centers for Disease Control and Prevention)でも、「生卵や加熱が不十分な卵を食べると、病気になる可能性があります。」としています。卵の1個1個に”P”のスタンプが押された「Pasteurized eggs(低温殺菌された卵)」であれば安心ですが、価格が2倍以上するので、各飲食店で使用しているかどうかは不明です。

筆者は10年ほど前、あるカフェでエッグベネディクトを食べて店を出た数十分後、猛烈な腹痛に襲われました。原因はエッグベネディクトのオランデーズソースかポーチドエッグ(半熟卵)と思われ、トイレを探して冷や汗をかいたのです。その経験以降、エッグベネディクトを食べたことはありません。日本からの旅行客は、長時間のフライトで胃腸が疲労しているため食中毒にかかるリスクも高く、旅程に支障をきたさないためにも、加熱が不完全な卵料理は避けた方が無難です。

また、ニューヨークでは治安の問題(トイレ内での犯罪)のため公衆トイレが少なく、ファストフード店や小さなカフェは利用客でもトイレを貸してくれないところが多いことを覚えておきましょう。

ニューヨーカーは朝食に何を食べている?

ニューヨーク市内中にあるチェーン店「ダンキン・ドーナッツ」では、手頃な値段でドーナッツやコーヒーが買える
ニューヨーク市内中にあるチェーン店「ダンキン・ドーナッツ」では、手頃な値段でドーナッツやコーヒーが買える

ニューヨークの住民は勤務先に急いで向かっているので、素早く買えるドーナッツ・ショップやベンダー(屋台)などでコーヒーやドーナッツ、ベーグルなどを手に入れる場合が多いです。

八百屋のベンダー(屋台)はひとつからでも売ってくれるので、バナナを1本買ってかじりながら歩いている人も多いですよ。

おしゃれな朝食レストランやカフェでゆっくりと食事しているのは、ほとんどが旅行客です。

安くておいしい朝食を食べたいなら

ニューヨーカーに人気の朝食ベンダーで、朝ごはんはいかが?
(C)Hideyuki Tatebayashi ニューヨーカーに人気の朝食ベンダーで、朝ごはんはいかが?

筆者がすすめたいのは、朝食のベンダー(屋台)。手早くサンドイッチを作り、香りのよいコーヒーを手渡し、笑顔と共に送り出してくれます。忙しいニューヨーカーの1日のスタートになくてはならない存在で、このインフレ下でもありがたいお手頃価格。

大人気の朝食屋台「ママジョーズ ブレックファストカート」

ベーコンエッグを挟んだシナモンレーズンベーグルとドーナッツ、コーヒーがセットのウィークリー・スペシャル 7ドル(税込)
(C)Hideyuki Tatebayashi ベーコンエッグを挟んだシナモンレーズンベーグルとドーナッツ、コーヒーがセットのウィークリー・スペシャル 7ドル(税込)

「ママジョーズ ブレックファストカート」は、グランドセントラルターミナル近く、 JPモルガンチェース銀行の前で40年近く前から営業しています。

ママジョーの愛称で呼ばれるギリシア系移民のジョアンナさんは、渡米後お金もなく、英語もできない状況でスタート。モチベーションの高さとアメリカで絶対成功するという意欲で働き続け、「ニューヨークのフードカート ベスト10」に選ばれ、2018年のベンダー大賞のファイナリストに残るまでになりました。Google mapのレビューでは、利用者から4.9というほぼ満点の評価を与えられています。

地球の歩き方の読者の皆さん、「ママジョーズ ブレックファストカート」にぜひ来てくださいね!(ママジョーより)
(C)Hideyuki Tatebayashi 地球の歩き方の読者の皆さん、「ママジョーズ ブレックファストカート」にぜひ来てくださいね!(ママジョーより)

筆者はウィークリー・スペシャルというセットをオーダーしてみました。セットの中身は以下の通り。

1.パン(ロール、ベーグル、ラップ)+卵+肉(ベーコン、ハム、ソーセージなど)+チーズ(アメリカン、ペッパージャック、モッツァレラ、チェダー、フェタ)をそれぞれからチョイスしたサンドイッチ
2.ドーナッツあるいはバナナ
3.コーヒー

筆者はシナモンレーズンベーグル+ベーコンエッグ+モッツァレラチーズのサンドイッチ、ドーナッツ、コーヒーを選びました。この3点セットで7ドルとはかなりお得。香りのよいコーヒーに、ボリュームのあるサンドイッチで、元気に朝が始められます。

「ママジョーズ ブレックファストカート」は朝食専門ですので、平日の朝4:00から11:00までの営業です。早起きして、ママジョーに会いに行きましょう!

ママジョーズ ブレックファストカート

英語名
Mama Jo's Breakfast Cart
住所
E 47th St &, Park Ave, New York, NY 10017
エリア
ミッドタウンイースト、グランドセントラルターミナル近く
店内飲食スペース
なし(持ち帰りのみ)
支払い
現金のみ
営業時間
月〜金 4:00〜11:00 土日休
おすすめ
ウィークリー・スペシャル(卵、チーズ、ベーコンなどを挟んだベーグル、ドーナッツあるいはバナナ、コーヒー) 7ドル(税込)

最後に

あなたが食べたい朝食は決まりましたか? 旅の楽しみでもある朝食の選択肢は、ニューヨークでは選びきれないほどあります。外食の高いニューヨークで、値が張る夕食は簡素にして、朝食をメインに楽しむのは節約になり、印象に残る旅になるかもしれませんよ。

おいしい朝食を食べに、ぜひニューヨークにいらしてくださいね。ニューヨークでお待ちしています!

TEXT:ニューヨーク特派員 青山 沙羅
PHOTO:Hideyuki Tatebayashi
*Do not use images without permission.
監修:地球の歩き方

※掲載情報は2024年1月時点の情報です。価格や商品構成などは変更になる場合がありますので、事前に必ず公式サイトで最新情報をご確認ください。
※2024年1月現在、1ドル:約145円です。

筆者

アメリカ・ニューヨーク特派員

青山 沙羅

はじめて訪れた瞬間から、NYに一目惚れ。プロ・フォトグラファーの夫とNY在住。

【記載内容について】

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