【スイス取材日記DAY 3】アートを“ただ見る”では終わらないチューリッヒ美術館
ウインターシーズンのスイスを巡る旅。この日はグリンデルワルトへの移動日でチューリッヒでの行動はお昼まで。クリスマスマーケットを回った前日の興奮冷めやらぬ中、ジャコメッティやモネ、セザンヌほか偉大な芸術家の収蔵品があるチューリッヒ美術館(クンストハウス チューリッヒ)に向かいます。
入口からロダン『地獄の門』がお出迎え
チューリッヒ中央駅からKlusplatz行きのトラムにのり、クンストハウス駅で降ります。下りた電車の進行方向左側と道を挟んだ向かいにある建物(別館)の両方がチューリッヒ美術館です。
本館と別館の間は渡り廊下で繋がっています。入場料を支払ったらロッカーに荷物を預けてゆっくり見て回りましょう
館内もクリスマスムード
こちらの見どころはモネ、セザンヌ、ゴッホ、レンブランドら超有名な画家の作品と、ジャコメッティ、ホドラーといったスイス出身の画家や、スイスにゆかりのある画家の作品をギュッと詰まったスペースで見られること。館内は大きなクリスマスツリーが飾られ、クリスマスムードを味わうことができます。
豊富な作品が収蔵されている背景にも思いを馳せる
この美術館の充実したコレクションはドイツ出身で第二次大戦中にスイスへ移り住んできたエミール・ビュールレのコレクションが多くを占めています。ビュールレが世界的な画家の作品を収集できた背景には、彼が美術収集家であると同時に武器商人であったことと関係があります。ビュールレが武器商人として財を成したのが、ナチスドイツや初期冷戦期であったため、その美術品の収集経路(略奪された絵画が含まれている)や、お金の出所に関して、長くヨーロッパでは議論を呼んでいるそう。そして、それらの説明が館内のかなり多くのエリアに展示されています。
永世中立国かつ、国際的な金融センターでもあるスイスの歴史の一側面をこの美術館を通して垣間見ることができました。これまで、絵画をそのものの内容や作家の好き嫌いで見ることしか私はしていませんでしたが、作家から絵を手に入れた人、それを展示する人、美術館としての社会的な責任など、これまでとまったく違う一面について考えた美術館体験でした。
ぜひ時間を取って訪れてほしい場所です。
チューリッヒ歌劇場横のレストランでランチ
チューリッヒ美術館を出ると、もうお昼時。今日のランチはチューリッヒ歌劇場横にあるおいしいレストラン『Bernadette』です。大きな窓からは、目の前に広がるチューリッヒで一番大きいクリスマスマーケット、チューリッヒ湖を眺めることができ、ほぼ満席。
私は普段からパン派ではなく、米派なのですが、レシュティしかないわけではなく、イタリアの北側に接している土地柄か、意外とリゾットのメニューがあると感じました。ひとつひとつの皿が大きく、お酒を飲む人であればメインだけでお腹一杯になる方もいるかもしれませんが、今回お邪魔したレストランはどこも付け合わせまで本当においしかったので、もし、メニューに迷ったら付け合わせで皿を選んでもいいかもしれません。
ベルナデッテ Bernadette
- 住所
- Sechseläutenplatz 1
- 定休日
- なし
- 営業時間
- 11:30~23:00LO
- 予約
- 望ましい(ウェブサイトから予約可)
グリンデルワルトに出発!
ランチ後、今回のふたつ目のディスティネーションであるグリンデルワルトへいよいよ出発します。
今回はチューリヒ中央駅からインターラーケン経由でグリンデルワルトへ向かいます。
チューリッヒからインターラーケンまでは約2時間かかります。15時チューリッヒ中央駅発の電車はインターラーケン発グリンデルワルト行きの電車との接続も10分以内とスムーズで、17時半過ぎにはグリンデルワルトへついてしまいました。それにしても電車の発着が日本と同じくらい正確で驚きます…。
電車を降りると本日宿泊するホテル『ベルグヴェルト・グリンデルワルトBergwelt Grindelwald Alpine Design Report』の送迎バスが待ってくれていました。このホテルは観光旅行者以外にも、アフタースキーの人がレストランやバーで憩う人気のブティックホテルです。
ベルグヴェルト・グリンデルワルトBergwelt Grindelwald Alpine Design Resort
- 住所
- Bergwelt 4, 3818 Grindelwald
明日は、いよいよアイガー・エクスプレスから、ユングフラウヨッホを目指す、Vバーンルートへ向かいます。
筆者
上原 康仁
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