『エドガルド・モルターラ ある少年の数奇な運命』イタリアの実話を元にしたマルコ・ベロッキオ監督の最新作
ボローニャで1858年に実際に起きたイタリア史上最大の波紋を呼んだ「エドガルド・モルターラ誘拐事件」をイタリアを代表するマルコ・ベロッキオ監督が映像化した衝撃作。2023年の東京国際映画祭ガラ・セレクションで上映された際には大きな反響を呼んだ『エドガルド・モルターラ ある少年の数奇な運命』が2024年4月26日(金)から全国公開となります。
本記事では映画のあらすじと作中に出てくるスポット情報を紹介します。
あらすじ
物語の始まりはイタリア・ボローニャにあるユダヤ人街で家族とともに暮らしていた7才を迎えるエドガルドが教会に連れさられてしまうところから始まります。
突然家族と離れ離れにさせられた理由は、エドガルドが何者かによって幼いときにキリスト教の洗礼を受けさせられたためで、彼は残りの人生をキリスト教徒として生きていかなければならないというものでした。
到底納得できないエドガルドの両親は息子を取り戻すため、世論や他国に住むユダヤ人社会に訴え一時は急速に政治的局面を迎えますが、教会とローマ教皇は揺らぎつつある権力を強化するため、頑なにエドガルドの返還に応じようとしません。
果たして家族はエドガルドを取り戻すことができるのでしょうか。手に汗握るシーン展開と「ベロッキオ監督作のなかで最も挑戦的」といわれる衝撃の結末に最後まで目が離せません。
日本で生活しているとあまり宗教のことを身近に感じませんが、住んでいる時代や場所によっては宗教が人権よりも強靭な権力持つことがあるのだと改めて考えさせられる作品です。
息をのむストーリー展開の他にも見どころ満載で、作中ではボローニャやローマの歴史ある建築や美しい町並みが大迫力の映像で映し出され、イタリアを訪れたことが無い人でも十分にその世界観に没入できます。
『エドガルド・モルターラ ある少年の数奇な運命』は2024年4月26日(金)からYEBISU GARDEN CINEMA、新宿シネマピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町、T・ジョイPRINCE品川ほか全国公開です。
作品内で登場するスポット
ローマ(Rome)
いつの時代も訪れる人を魅了してやまない官能の町、ローマは2500年の歴史の舞台にふさわしいさまざまなモニュメントが町中にあふれ、どこから見学すればよいか悩むほどです。ローマ随一の観光地「トレヴィの泉」では、ローマへの再訪を願ってコインを投げ入れる観光客の姿を多く見かけます。それほどローマという町は、一度訪れるとその魅力に魅了されてしまう町なのです。
イタリア国内はもちろん、世界中からさまざまな個性ある人々をすんなり受け入れてしまうのも、あの古代ローマ帝国の時代から首都ローマとして栄えた器の大きさのようなものを感じます。
ボローニャ
ミラノから約200kmの場所に位置するボローニャは、町全体が赤いレンガ色に染まり「芸術の町、ボローニャ」と称されています。今でも中世、ルネッサンス、バロック時代の息吹が感じられます。
現在のボローニャはイタリアを牽引する重要な経済都市のひとつで、絵本、靴、美容器具をはじめとする国際見本市が開かれることでも有名です。ビジネス都市として近代的な一面がある一方、ほかのイタリアの町に比べて昔ながらの市場や個人商店の賑わいに驚かされます。エコロジー、地産地消、というボローニャの人の堅実な暮らしぶりがうかがえる町です。
サッビオネータ(Sabbioneta)
イタリア北部のマントヴァからおよそ30km、六角形の城壁に囲まれたサッビオネータは、ゴンザーガ家のヴェスパシアーノ王子が治めたルネッサンスの理想都市です。
本作では主人公エドガルドを取り戻そうと奮闘する家族たちが、仲間のユダヤ人組織に助けを求めるというシーンでサッビオネータのシナゴーグ(ユダヤ教の礼拝堂)の内部がロケ地として登場します。
イタリア旅行には地球の歩き方ガイドブック イタリア2020~21
筆者
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