オレンジ合戦のカーニバル
カーニバルの季節が今年もやってきました。ベネチアのカーニバルは仮面の美しさで知られていますが、イタリアではオレンジ合戦を行う一風かわったカーニバルがあるのをご存知でしょうか?
トリノのさらに北にイブレアという町があります。そこで開催されるカーニバルは、オレンジ合戦で有名なのです。文字通り、町の中で、観光客も交えて激しいオレンジ投げが繰り広げられます。
このオレンジ投げの行事、どうしてイブレアで始まったのかというと、その起源は中世に遡るそうです。当時、暴君の圧制に苦しんでいた民衆が、民衆一揆を起こし、城を破壊したという歴史に由来します。イブレアのオレンジ投げは、民衆の自由の象徴といえる行事なのです。
またこのカーニバルには、マドンナ役としてヴィオレッタという女性がでてきます。
このヴィオレッタは、民衆が城を破壊したという歴史上の事実に基づいてつくられたお話の中に出てくるヒロインです。
お話の中では、ヴィオレッタは町の粉屋の娘で、横暴な君主の乱暴にもひるまず、暴君のもとから逃げ出すことに成功した勇気のある女性のシンボルということになっています。
このヴィオレッタ役は毎年、イブレアの町の若い女性の中から選ばれ、仮装行列の時にも一段と目立つ役割をつとめます。
オレンジ合戦は、馬車に乗って民衆を痛めつける暴君の衛兵たちと、馬車の下から徒歩で追いかけ抵抗する貧しい民衆たちとの戦いのシーンをイメージしています。実際にカーニバルに行った方はご存知だと思いますが、このオレンジ合戦は怪我人がでるほど大まじめに行われます。戦いの後には町の通りはオレンジで埋め尽くされ、靴もオレンジの汁でびしゃびしゃになるほど。
戦いに参加せず、観戦に専念しようという観光客は、目印のために赤い帽子をかぶりますが、たとえ赤い帽子をかぶっても、一度はオレンジをぶつけられることは覚悟で行った方がよいでしょう。
今年のイブレアのカーニバルは2月21日~24日まで開催されていました。来年の旅の予定に、このイブレアのカーニバルを入れてみてはいかがでしょうか?
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