#13 Phum Asia 民俗博物館で先人の暮らしぶりに思いを馳せよう!
コンポントムからこんにちは!
コンポントム特派員の舛屋彩子です。
今回はコンポントムにある自立支援施設「Phum Asia(プーンアジー)」について紹介していきたいと思います!
「Phum Asia」とは・・・?
コンポントム州の子供達の自立支援を目的として始まった施設で、今年で5年目。
「文化の保存・地域の若い力の育成・地域に仕事を作る」
という3本柱のミッションで活動しており、ここで学ぶ生徒たちは主にカンボジアの農村部の子供達。
中心部でより高い教育を受けています。

こちらで学ぶ子どもたちはどのように選ばれるのかというと、
プーンアジーに関わるカンボジア人の紹介により入ってくるのが主。
現在は25名が在籍し、共同生活をしています。
入所料はなんと無料で、子どもたちは施設で自分の得意分野を生かし働きながら学んでおります。
カシューナッツの栽培や加工、ハンドクラフト製品といったコミュニティビジネスにチャレンジする子供たちの支援もしており、
商品化したカシューナッツ商品は、現在コンポントム市内のホテル(ARUNRAS HOTEL)での販売も!
カンボジアの伝統舞踊を次世代へ継承する取り組みとして、観光客向けのパフォーマンスディナーショーも提供。
なんと、この取り組みは州文化芸術局の支援も受けております。

場所は、コンポントム博物館近く。
国道6号線を北上し、コンポントム博物館手前の道を右折、直進すると、左手に看板が見えてきます。
こちらの施設の見所は、「民俗博物館」と「伝統舞踊パフォーマンスディナー」!
まずは民俗博物館からご紹介していきましょう。

統一感があり温かみのある内装。
展示のための装飾は子供達のDIYや村の人々の手作り。
こちらの博物館の展示品は、コンポントムの歩く文化遺産!?コン・サオムさんという齢88歳の男性により収集されたもの。
近代化が急速に進み、カンボジアの伝統や文化の消滅に危惧したコン・サオム氏は、
コンポントムの村々から民具を収集し継承・保存活動をしようと決意。
10年もの歳月をかけて、多岐に渡る伝統民具を収集しました。
この民俗博物館の構想当初は、なかなか民具の寄贈について首を縦には振っていただけなかったものの、
信頼関係を積み重ね、承諾を得て・・・2年ほど前に遂にオープンしました。
入館すると間もなく、漁に使われる民具が。

日本では、漁と言えば漁師さんが朝方に漁船に乗って大量の魚を獲るイメージですが、
カンボジアの漁は主に川や湖で行われます。
そして個人単位で、時には子どもたちもが魚の取り方を知っているので、
今も尚、川沿いでは地元の人々が漁をする姿を見ることができます。

夕暮れ時、子どもたちが漁をする姿はなんと逞しく美しいことでしょう。

こんな古き良き風景が、コンポントムでは未だ身近に見ることができます。
博物館の展示品の使用イメージをより湧きやすくするため、コン・サオムさんの直筆の絵画も。

こちらは鳥猟のためのエアガン。矢の先端には、毒を塗布していたんだとか。

かつて、どのような知恵を駆使し狩りをしていたか?
現代の私たちにはない生きる知恵が詰まったパネルです。

そして驚くべきことに、20年ほど前にはまだゾウ狩りも行われていました。
こちらはゾウの背中に取り付けて人が乗れるようにするためのものでした。

ゾウは湖の水位が低くなると急いで逃げることができなくなるため、
毎年低地が洪水に見舞われる時期に、ボートに乗ってグループになって狩りに出かけたそう。
続きは・・・博物館で!(笑)
他にも樹液を獲る道具や

機織りに使われていた道具。

右側は、現在のカンボジアのお弁当箱の原型。
今はステンレス製になっていますが、昔は全て自然素材から作られていたんですね。

アンティークな雰囲気漂うアイロン。

これはなんでしょう?

中身は急須。

保温のために使われていました。
愛らしいココナッツ製キッチンユテンシル。


伝統楽器。

収集民具に囲まれるように、
中心にはコン・サオムさんが過去の生活の知恵からインスパイアされ新しく生み出された数々の作品が。

個々の素材の持つ色、形、テクスチャーなどをからオンリーワンの作品を生み出し続けています。
今も尚使われているもの、もはや現代では使われなくなってしまっているもの、
形を変えて残っているもの・・・
本稿で紹介した以外にも沢山の作品が館内にはありますよ。
祖先の生きる知恵と工夫に溢れた当時の生活に思いを馳せながら、
また自国の今昔と比較しながら、
カンボジアの農村部の暮らしについて学んでみてはいかがでしょうか?
Phum Asia (プーンアジー)
営業時間 日中
入館料 $3-.
次回は、パフォーマンスディナーのご紹介をしていきたいと思います!
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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