福岡発着日本海クルーズを体験! ~コスタ・ネオロマンチカ
こんにちは。「地球の歩き方」福岡特派員のDukeです。昨今、豪華客船を利用したクルーズ旅行の人気が急上昇していますね。飛鳥Ⅱなどでの世界一周クルーズは夢のまた夢としても、地中海やカリブ海、ニュージーランドなどでのクルーズを含む海外パックツアーが数多く組まれていますので、次の旅行先として検討されている方も多いのではないでしょうか。
とはいえ、いきなり海外でのクルーズというのはハードルが高いので、まずはもっと手軽にクルーズを経験してみたいという方もいらっしゃるかもしれません。私もそのひとりで、今夏、福岡発着の日本海ショートクルーズを体験してきましたので概要を紹介したいと思います。
私が参加したのは、イタリアのコスタクルーズ社が催行する福岡を出航し日本海側(舞鶴-金沢-釜山)を周って福岡に戻る4泊5日のクルーズです。クルーズ船は、一般に大型船で料金がリーズナブルなカジュアル船、料理やスパに力を入れて優雅で落ち着いた旅を提供するプレミアム船、最高級のサービスがウリのラグジュアリー船の3ランクに分けられますが、私が乗船したコスタ・ネオロマンチカはカジュアル船に分類されます。
クルーズ船が接岸する博多港中央ふ頭までは、博多駅(西日本銀行前のバス停F)から西鉄バス「88番」または「BRT」に乗り、中央埠頭の国際ターミナルで下車。ここから歩いて5分ほどのクルーズセンターで荷物を預け、簡単な乗船手続きを行います。バス停正面にある国際ターミナルには立ち寄る必要がありません。
乗船したら、まずは自分のキャビン(船室)を確認。私たちはテラス付きの部屋は取れず海側プレミアムというタイプのキャビンでしたが、シャワースペースが狭いほかはまずまずの広さで、船の中とはいえ居住環境は悪くありませんでした。
出航に際して、デッキ11のプールサイドで「セイルアウェイパーティ」が開かれ、ダンスショーやカンツォーネ、ゲームなどで楽しいひと時を過ごしました。
船内の主な施設を紹介します。
こちらはデッキ5のレセプション(左)とツアーデスク(右)。乗船中は常に携帯しなければならないコスタカードへのクレジットカード情報の登録もこのフロアで行います。
こちらはデッキ8にあるGrand Bar Piazza Italia。入って左側にバーカウンター、中央前方にステージと客席、左右両側にボックス席が並んでいます。私はここでドリンクパッケージを購入しました。パッケージはフリードリンクの内容によって、1日あたり19ドルから49ドルまでの4種類から選びます(キャビンの種類や申し込みの状況等によって、ドリンクパッケージがクルーズ代金に含まれていることもあります。というか、むしろそちらが一般的です)。
ピアノのライブ演奏に耳を傾けながら世界のワインを楽しめるワイン&チーズバー、エノテカ・ヴェローナ。
その隣の部屋はカジノで、日本の領海を出るとオープンするようです。
ネオロマンチカのメインレストラン、ボッティチェリ。朝・昼・夜の3回オープンするボッティチェリは基本的にはアラカルトで、メニューを見ながら食べたいものをオーダーします。ディナータイムは2回に分けられていますが、それでもかなり混みあいます。
こちらは、ビュッフェレストランのジャルディーノ。時々アラカルトになることもありますが、基本はビュッフェスタイルです。
上記のふたつのレストランでの食事はクルーズ料金に含まれていますが、ネオロマンチカにはこのほかに有料レストランがいくつかあります。ピッツァナポリのその一つで、「船の上のイタリア」を謳うだけあって、船上で本場のピザを食べられると大人気です。
数あるクルーズ船の中で、火力に薪を使う本格的なピザ窯を設置しているのは、唯一ネオロマンチカだけなんだそうです。
デッキ11にあるプール、サントロペ。家族連れでいつも賑わいを見せていました。セイルアウェイパーティやホワイトナイトなどの各種イベントに利用されることも多いところです。ひとつ上のデッキ12にはウォーキングコース(名称はジョギングトラック)が設けられていました。
更に後方にはもうひとつのプール、モンテカルロ。こちらは大人専用となっています。
デッキ11最後部には、スパ利用者専用のジャグジーバス。どこまでも蒼い海を眺めながらジャグジーでゆったりなんて贅沢なひと時ですね。
トレーニングジムは、ウォーキングマシンやバイク、筋トレマシン、ストレッチマットなど、船内とは思えないくらい充実していました。ややもすると食べ過ぎ、飲み過ぎに陥りがちな船の旅。時にはここにきて汗を流すのもいいですね。また、キャビンの狭いシャワースペースよりも、ジムのシャワールームの方が快適に利用できました。
ホットチョコレートを主体に、軽い飲み物やマカロンなどのお菓子が用意されているチョコレートバー。
ピスタチオ(左)とヘーゼルナッツ(右)のホットチョコレート。濃厚で美味しいです。
チョコレートバーの前で、夕方と深夜の2回(各2ステージ)行われる"Duo Allergro"のピアノ&バイオリン・デュオ。
コンサートやショーもクルーズの楽しみのひとつ。グランドバーやキャバレーヴィエンナでは連夜、さまざまなショーで観客を惹きつけていました。内容は毎日変わるので飽きることはありません。
豊富なメニューの中から、せっかくなのでイタリアらしい料理をいろいろと試してみました。基本どれも美味しく、ワインによく合う料理が多かったように思います。
ピッツァナポリのクアトロフォルマージュは、チーズの香りが濃厚で期待どおりの美味しさ!
クルーズ期間中、一度は立ち寄りたい店です。
トマトソースとアンチョビのピザ、ナポリターナ。これもアンチョビ好きにはたまりません。
ミュンヘンの老舗醸造所パウラナーのヴァイスビア。飲み物は、ドリンクパッケージによってはフリーとならないものもあるので、パッケージに含まれる内容をよく確認しましょう。
グランドバーピアッツァイタリア(デッキ8)の海側の席はおすすめです。スタッフが注文を取りに来てくれますので、ビールや好みの飲み物をオーダーして、海を見ながらゆったりまったり。大海原を眺めながら飲むビールやワインの味は格別でした。
続いて、寄港地での行動について............
各寄港地ごとにネオロマンチカがいくつかのツアーを催行していますので、それを利用する場合はデッキ5にあるツアーデスクで前日までに申し込みをします。自分で行動したい場合は交通手段を確保しなければなりませんが、港から最寄駅まではシャトルバスが運行していますのでそれを利用するのが便利です(往復で4~500円。釜山のみ無料)。最終乗船時間までに船に戻らなければなりませんので、シャトルバスの運行時間帯をよく確認しておく必要があります。
舞鶴では、西舞鶴駅から京都丹後鉄道に乗って天橋立へ。由良川を渡る橋梁では、海の上を走っているような不思議な感覚を味わいました。
東北の松島、秋の宮島と並んで日本三景に数えられる天橋立。松林の中を自転車で走るのも爽快な体験でした。
金沢では、金沢駅からバスでひがし茶屋街や近江町市場へ。
駅前で訪れる人を迎える鼓門は、能楽に使われる鼓がデザインされたもの。緩やかな曲線を描く屋根が優美な印象を与えています。
「にし茶屋街」、「主計町茶屋街」と併せて金沢三茶屋街と呼ばれ、今も茶屋と芸妓が息づく風情ある歴史の町、ひがし茶屋街。
3番目の寄港地、釜山のクルーズターミナルは新しくて立派な建物でした。
寄港地での観光を終えた乗客を静かに迎えるネオロマンチカ。たった数日過ごしただけなのに、船に戻ると「ただいま」と言いたくなります。
ざっくり言えば、クルーズ船はホテルと移動手段をまとめたようなもの。寝ている間に次の目的地に運んでくれますし、移動に伴う手荷物の整理やスーツケースを持ち運ぶ煩わしさもありません。さらに、メインレストランやビュッフェでの食事や飲みものの費用も多くの場合クルーズ料金に含まれていますので、基本的には追加費用を考慮しなければならないのは寄港地での観光だけで済みます。
クルーズによっては寄港地での自由時間にやや制約を受けるかもしれませんが、旅行の一形態として十分検討に値するというのが私の感想です。クルーズ中の船内の様子などもある程度わかったので、今後は海外でのクルーズも選択肢に含めて考えたいと思います。
また、コスタクルーズは外国船籍としては初めて、沖縄の那覇港発着のクルーズ船を就航させることになりました。本州や九州からのエアチケットを含んだツアーなども販売されているようです。選択肢が増えてクルーズの魅力がますます充実するといいですね。
筆者
特派員
Duke
縁あって福岡県北九州市に落ち着いて、はや15年。県外の方はもちろん、地元の方にも楽しんでいただけるよう、福岡・北九州の旬な情報を発信していきたいと思っています。
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