ウィズコロナ時代におけるノーベルウィークの新たな試み
12月5日から13日の日程で、今年もノーベルウィークがここストックホルムで始まりました。本来なら、今年の受賞者をはじめ、その家族や関係者、各国の要人たちが集い、一段と華やかになるストックホルムなのですが、今年は新型コロナの影響であらゆる恒例行事が中止となり、静寂さが漂っています。毎年12月10日にコンサートホールで行われる授賞式の代わりに、受賞者たちは自国でメダルや証書を受け取ることになります。
しかしながら、ウィズコロナに大活躍しているライブストリーミングがこのノーベルウィークにも大いに活かされます。
例えば、受賞者へのメダル贈呈の様子やスウェーデン国王などの挨拶が予定されている授賞式は日本時間11日深夜0時30分から、ノーベル財団ウェブページでライブストリーミングを見ることができます。各受賞者による記念講演や王立ストックホルムフィルハーモニーオーケストラによるコンサートなどのアーカイブもあるので、興味がありましたら是非ウェブページに訪れてみてください。
また初の試みとしてNobel Week Lightsというライトアップがストックホルム市内15箇所で開催されています。ljus i mörkret (リュース イー ムルクレット)、日本語で「暗闇を照らす光」をテーマに、これまでのノーベル賞を受賞した研究や発明などにインスピレーションを得て、町を活気づけています。
その一部がこちらです。
コバルトブルーに染まるコンサートハウスは、2008年以降ノーベル賞授賞式時のコンサートハウスのライトアップを担当しているPer Sundin氏によるものです。午後は明るめにしつつ、夜になると町の雰囲気に溶け込むように暗めの光加減となります。
色とりどりのライトに照らされる王立オペラ劇場ではオペラ歌手による生オペラも実施されています。演劇などのイベントは軒並み中止を余儀なくされていますが、これからもこれまで通り輝き続けることを象徴するライトアップとなっています。
ノーベル博物館は、パーティーにおいて学生や案内役がゲストをテーブルへと案内する導線から着想を得て、黄色と青色のラインで光り輝いています。
そして最大の見どころは、ストックホルム市庁舎に映し出された宇宙をテーマとしたプロジェクションマッピングです。今年物理学賞を受賞したブラックホールの研究と大いに関連のあるものとなっています。
ほかには光り輝くブランコなどがあり、詳しくはNobel Week Lights公式ウェブページで見ることができます。
もし冬にストックホルムを訪れたいというのであれば、12月10日のノーベル賞授賞式前後をおすすめします。授賞式翌日の11日には、ノーベル博物館では授賞式で使用された花などのデコレーションが展示されていたり、各国の政府関係者をお目にかかることができます。また恒例の受賞者による椅子のサインや寄贈品をいち早く見ることもできます。
今年はいつどのようにしてサインや寄贈品が展示されるのか分かりませんが、その時を待ちたいと思います。
筆者
スウェーデン特派員
たってぃ
2017年スウェーデンに移住。皆さんに読み込んでいただけるようなブログを目指してストックホルムの旬や”瞬”をお届けしていきます。
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