12月28日、今日はスペイン版エイプリルフール
日本をはじめ、多くの国で嘘をついても許されるのは4月1日のエイプリルフールですが、この起源はよくわかっていないそうですね。
スペインやラテンアメリカの国では今日12月28日がエイプリルフールに当たる日なので、それは悲しいお話に由来しています。どんなお話かというと......
イエス・キリストの誕生を星で知った東方の三賢王は、礼拝に行くためにラクダに乗り、星に導かれてベツレヘムに向かいました。そして当時ユダヤの地を治めていたヘロデ王のところに寄り、「新しい王はどこにおいでですか?」と尋ねたそうです。救世主の誕生などまったく知らないヘロデ王は自分の存在が脅されると恐れを抱き、「どこにいるかわからない。わかったら教えるように」と答えます。が、三賢王はそのあと姿を現しませんでした。そこで、ヘロデ王はベツレヘムにいる2歳以下の子供を皆殺しにするようお触れを出したのです。
〈バレンシア郊外にあるロカのベレンでは幼児虐殺のシーンを人形で再現〉
Belén de Roca http://belenderoca.com/
キリストはというと、父である聖ヨセフと聖母マリアにお告げがあったためエジプトに逃げ、難を逃れることができました。このエジプト逃避をテーマにした宗教画が多々描かれているので、美術館で目にされた方もいらっしゃるかと思います。
罪のない子供たちが殺されてしまった、12月28日はDía de los Santos Inocentes(聖なる純真な子供たちの日)と呼ばれています。ヘロデ王のお触れで殺された子供たちがいる天国に、たわいもない嘘やいたずらでみんなで大笑いする声が届くとなぐさめになるのだとか......
筆者
スペイン特派員
田川 敬子
東京生まれの東京育ち。オリーブオイル専門家としてスペインと日本で活動するほか、複数のウェブサイトにスペイン情報を寄稿。
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