イギリスのチャリティ・イベント「赤鼻デー」で笑顔に
3月のイギリスは、初旬にパイ週間があったり世界本の日(関連記事)があったりと、ブログのネタにもこと欠きませんが、今週金曜日19日はさらに「赤鼻の日」ことレッド・ノーズ・デー(Red Nose Day)があります。
レッド・ノーズ・デーとは?
赤鼻の日とは、イギリスのコミック・リリーフ(Comic Relief)というチャリティ団体が、世界の貧困撲滅を目指して主催するキャンペーンです。こちらは1988年の初開催以来、2年おきに行われる国民的イベントのようですが、私は家にチラシが投げ入れられるまでまったく知りませんでした。
それによると、このキャンペーンには「笑顔を通して募金を募り、恵まれない人たちを救う」という趣旨があるそうです。終身名誉会長のひとりとして、35年間活動に携わってきたヘンリーさんは、これまでコメディ、笑い、楽しみといった娯楽がいかに人の団結を高め、世界をよりよい場所へと変える力を持っているか、ということを目の当たりにしてきたと言います。
国を揚げての総動員イベント
国民的チャリティ・イベントというだけあり、「パートナー」と呼んではいますが、いわゆるスポンサーのような企業には大手小売業、航空会社、公共放送局......と、そうそうたる名前が連ねており、紹介しきれないほどです。
イギリスのデジタル・文化・メディア・スポーツ省(DCMS)やスコットランド自治政府、ロンドン市長といった行政サイドからの支援も手厚く、世界的なベストセラー本の『ハリー・ポッター』シリーズを使ってコラボ出版する権利を持っていたりと、調べれば調べるほど規模の大きさに気づかされます。
イベント当日には日本の「24時間テレビ」のような番組をテレビで放送したりと、特にメディアを用いた展開が得意なようです。それもそのはず、団体のウェブサイトを見ていて発見しましたが、コミック・リリーフの創設者はかの大ヒット映画『ラブ・アクチュアリー』を手がけたリチャード・カーティス(Richard Curtis)映画監督兼脚本家でした。
身近なことから始める、それぞれの参加方法
イベント名のとおり、この日は赤くて丸いものを鼻につけ、ピエロさながらおどけて募金活動をしたりすることが基本スタイルです。『パッチ・アダムス』という映画で、ロビン・ウィリアムス演じる主人公が患者を元気づけるために、赤鼻をつけていました。
イギリスでも子供向けイベントとではピエロをよく見かけますし、欧米では赤鼻=笑いという図式がかなり浸透しているようです。例年ですとテレビだけでなく、実生活でもさまざまなイベントが各地で催されますが、学校が今月3月8日から再開(関連記事)されたとはいえ、まだまだロックダウン中の今年2021年は少し勝手が違います。
わが家に届いたチラシの裏はこのようなポスターになっており、ここに好きなジョークを書き込んで自宅の窓に貼って通行人に見せたり、ソーシャル・メディアで拡散するよう指示がありました。
赤鼻は恥ずかしくてつけたくない、という人にはディズニーとピクサー社が特別にデザインしたTシャツを着るだけでも「参加」したことになる、とすすめています。関連グッズを販売する小売業者は、赤鼻をプラスチックではなく、サトウキビの搾りかすで作ったものや、Tシャツはウガンダ農家を支援するフェア・トレードの綿を使用するなど、環境対策にも力を入れています。
いずれも売り上げは、半額やそれに近い額が寄付に回されます。今回の記事は、コミック・リリーフからのチラシ(記事内写真)と、同ウェブサイトを参照しました。写真のポスターはダウンロードできますし、今年はコロナ仕様でオンライン企画がいくつか紹介されているので、興味を持たれた方は、日本からでもぜひ参加してみてください。
◼️Comic Relief・URL: https://www.comicrelief.com/
筆者
イギリス特派員
パーリーメイ
2017年よりロンドン南部で家族と暮らしています。郊外ならではのコスパのよいレストラン、貴族の邸宅、城めぐり、海沿い情報などが得意です。
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