英ヴィクトリア女王が好んだ避暑地ワイト島
イギリス南東部にあるワイト島(the Isle of Wight)は、島全体でひとつの州として成すイングランド最大の島です。ヴィクトリア女王の別荘であったオズボーン・ハウスや国際的なセーリング、レガッタ大会、近年では2002年に復活したさまざまな分野の音楽イベントなどでも有名です。
気候は温暖で、イギリスで最も日照時間が長い地域として2012年度の1位を飾ったことがあります(出展: The Telegraph)。それでも海なので突風が吹き、以前訪れたときは8月でしたが、ダウンジャケットを着込んだ観光客がいたほど肌寒い日もありました。
最終的なロックダウン規制解除がひと月も延長され、いくつかの周辺国ではイギリスからの観光目的の渡航が解禁されましたが、朝令暮改でいつまたさまざまな規制がかかるか不明なので、国外に行くのはリスクが高いです。
そのため、2021年の今年も夏休みは国内の近場旅行が無難そうです。以下はステイケーション用、あるいはコロナ収束後の旅先として参考になるよう、過去の体験をもとにまとめました。
本島からフェリーで40分
イギリス本土から島に渡るには3ヵ所から船が出ていますが、わが家は南部の港町ポーツマス(Portsmouth)からフィッシュボーン(Fishbourne)行きのフェリーを利用しました。
チケットはオンラインで事前に購入しましたが、このときは車のナンバーもすでに登録されているのか、駐車場入口では携帯すら見せず、名前だけ確認されてサァーっと通り抜けることができました。船の中にはカフェのコスタと売店が入っており、座席も十分に揃って、特にソファ席はフカフカで快適です。甲板に出るとポーツマスのランドマーク、スピンネーカー・タワーがゆっくりと遠ざかりました。
ビーチが広がる東部エリア、シャンクリンで砂遊び
イギリスは日本と同じ島国なので海岸はたくさんありますが、砂浜のビーチとなると途端に少なくなります。一見普通の砂浜かと思いきや、砂ではなく小さな貝殻や石ころの集まりなので裸足では歩けなかったり、コンクリで固められ砂浜がないことが多いです。
それに比べ、シャンクリン(Shanklin)がある東部は、イギリスでも有数のビーチが広がるエリアでBBCマガジンの「今年のベストビーチ 2019」にサンダウン湾が選ばれました(出展:BBC Countryfike magazine)。フィッシュボーンから車でさらに45分ほど進み、海に着いたらさっそくスコップにバケツを装備して砂浜に向かいました。イギリスでも砂の城を作ったり、身体を埋めたりすることは定番で、すでにほかの家族が始めていました。ギターを弾き鳴らしている粋なお父さんもいました。
海岸沿いのビーチレストラン
日が暮れたらそのまま、ビーチ沿いに並ぶレストランのひとつで夕食です。イギリス風にアレンジしたフレンチ料理が食べられる「The Brasserie」というお店に入りました。
本日のスープにシーフードのリングイネやタラ料理、海老フライのスカンピなど、ここぞとばかりに海鮮料理ばかりを注文。期待を裏切らないおいしさでした。
オールド・ヴィレッジ
おみやげ探しには、丘を越えた中心街のオールド・シャンクリン・ヴィレッジで。なかでも、島の特産品ばかりを取り揃えた店内もおしゃれな「Cavanagh & Baker」というショップがおすすめです。
島で作られているショートブレッドは、個人的にはいままで食べたなかで最もおいしかったです。個性的でかわいい瓶のジンなど、ハガキひとつを取ってもほかでは見かけないセンスあふれるデザインで、ついなんにでも手がのびてしまいます。
いまの季節にぴったりの、イギリスのビーチ情報をお届けしました。
◼️Cavanagh & Baker・住所: 103 High Street Shanklin, PO37 6NS・営業時間: 毎日10:00~17:00・アクセス: バス停Chine Avenue停留所より徒歩約3分・URL: https://www.cavanagh-baker.co.uk/
筆者
イギリス特派員
パーリーメイ
2017年よりロンドン南部で家族と暮らしています。郊外ならではのコスパのよいレストラン、貴族の邸宅、城めぐり、海沿い情報などが得意です。
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