エキゾチックな離宮「ロイヤル・パビリオン」がすごい!海の観光地ブライトン
別名「海のそばのロンドン」とも呼ばれるイギリスの一大ビーチリゾート地「ブライトン(Brighton)」には古道具、アンティーク、宝飾品が集合する路地裏「レーンズ(Brighton Lanes)」があったり海の上の遊園地こと「ブライトン・ピア(Brighton Pier)」で遊べたりと、まるでロンドンのように娯楽にあふれた楽しい町です。
なかでもイギリスとは思えないような、アジアンチックな見かけの宮殿「ロイヤル・パビリオン(Royal Pavilion)」は中に入らずとも隣接した庭園から外観だけ見ることもできるので、ぜひ訪れたい場所です。
リージェンシー様式とインド中国の融合スタイル
海からすぐで町の中心地からも近いロイヤル・パビリオンは、玉ねぎ型の屋根がインドやロシアのようで、エキゾチックな見かけをした宮殿です。
今回建物の中には入りませんでしたが内装は中国式と、建設当時のリージェンシー・スタイル(1811~1830年)とも合わさったアジアと洋の折衷型となっています。
英国王ジョージ3世が1811年に病に倒れ、長男のジョージ4世が代わって政治を行った摂政皇太子時代に、海辺の別荘として借り上げたのが始まりです。
1783年当時まだひなびた漁村だったブライトンは、海水浴が健康にいいと聞きつけた上流・中流階級の人々の保養地として人気を集め始めていました。そこにジョージ4世が別荘を持ったことで高級リゾート地としての地位を確立し、1787年にはブライトンをすっかり気に入った皇太子によって改装が行われ、離宮の原型ができあがりました。
はじめからいまのようなミックス様式だったわけではなく、当初は古典様式の外装にバロック様式の内装でした。そこにアートに造詣が深い皇太子によって、中国の家具や手描きの壁紙などが随所に取り入れられ、さらなる大規模な改装工事を経て現在のオリエンタルな姿へと変貌しました。
敷地内設備と庭園の様子
宮殿への入口は建物裏側の庭園からになります。左手にこぢんまりとした庭園が広がり、多くの人が芝生に座り込んだり寝そべったりしてくつろいでいます。
奥には屋外カフェがあり、訪れた日はなんと贅沢にも管楽器楽団の生演奏が行われており、アウトドアなので無料で聴き放題、たくさんの人が聴き惚れていました。
このカフェを背に芝生をふり返ると、庭園の樹々の合間から宮殿の裏側が覗いており、まるで木の額縁に覆われた絵画のようでした。
敷地中央にはブライトン博物館(Brighton Museum & Art Gallery)があり、おみやげショップだけなら無料で入れます。
そこを通り越してさらにカフェとは反対方向に突き進むと、町の大通りに面した宮殿の表側の外観を見ることができます。これだけ町のシンボルとして有名なわりに、やはりここでも宮殿前の芝生にそれぞれ座ってゆったりしている観光客がおり、なんとものどかで海辺のゆったりした雰囲気を味わうことができます。
帰りは入口と同じゲートから再度出て、左手すぐにある宮殿公式のおみやげショップを覗くのがいいかと思います。やはり宮殿内に入らずとも利用できるので、離宮だけでなくブライトン全体のグッズがおしゃれなデザインで売られており、ハイセンスでおすすめです。
そのあとはすぐ近くのにぎやかな町なかで食事を楽しんだり、ビーチまで足を延ばして潮風に吹かれ、桟橋上ブライトン・ピアのカフェやゲームセンター、遊園地などを冷やかすなど、見どころがたくさんあるブライトン、コロナ収束後の旅先候補地としてぜひリストに入れてみてはいかがでしょうか。
◼️ロイヤル・パビリオン(Royal Pavilion)・住所: 4/5 Pavilion Buildings, Brighton Postcode: BN1 1EE・アクセス: 電車Brighton駅徒歩約15分・営業時間: 毎日9:30~17:45 休館日12月24日(14:30以降)、25日、26日・入館料(一例): 大人(19歳以上)£16、子供(5~18歳)£10、4歳以下無料・URL: https://brightonmuseums.org.uk/royalpavilion/
筆者
イギリス特派員
パーリーメイ
2017年よりロンドン南部で家族と暮らしています。郊外ならではのコスパのよいレストラン、貴族の邸宅、城めぐり、海沿い情報などが得意です。
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