ポークパイの町『メルトン・モウブレイ』② 元祖ポークパイ店「ディキンソン&モリス」
シュマイ!(こんにちは!)
昨日3月1日はウェールズの守護聖人、聖デイビッドを記念する「セント・デイビッドデー(St.David's Day)」でした。
イングランド人の主人にとってはパンケーキ・デーの方が重要だったようですが(笑)
とりあえず、例年通り、水仙を飾ってネギのスープを作り、我が家なりのお祝いをしました。(主人はラム肉が苦手)
さて、前回に引き続き、ポークパイの町「メルトン・モウブレイ(Melton Mowbray)」編です。
日曜にメルトン・モウブレイを訪ねたため、有名老舗店「ディキンソン&モリス(Dickinson&Morris)」で元祖ポークパイを買うことができなかった私たちは諦めきれず、翌日も名物のポークパイを求め再訪しました。
そこで今回はイギリス人のソウルフード"ポークパイ"を生み出した「ディキンソン&モリス」の元祖ポークパイを紹介します。
ポークパイやご当地グルメ好きにはぜひ、訪ねてほしいおすすめの店です。
■ 元祖ポークパイ店「ディキンソン&モリス」
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▲ 1851年創業のディキンソン&モリス本店「Ye Olde Pork Pie Shoppe」
別名"ピクニックパイ"とも呼ばれるポークパイはピクニックにぴったりの軽食として、また前菜のコールドミートとして温めずにそのままいただきます。
その理由は......パイを焼き上げた際に豚肉が縮んで出来た隙間へゼラチン入りのストックを流し込み、冷やし固めてあるから!
温めたら、せっかくの旨味が溶け出してしまいますよね。
ちなみにイギリス各地で作られてるポークパイですが、「メルトン・モウブレイ・ポークパイ」と呼べるのはコーニッシュパスティー同様、定められた製法と材料で作られたものだけです。
例えば、他のポークパイは保存が効くよう塩漬けされた豚肉がよく使われてますが、メルトン・モウブレイのパイは生肉を使用。出来上がったパイの肉はややグレーがかってるのが特徴とされます。
そして、元祖ポークパイの店として知られる「ディキンソン&モリス」では創業者ジョン・ディキンソン氏のお祖母様が考案されたというドリーと呼ばれる木製の道具でペストリーを成形する昔ながらの製法も守ってます。
![IMG_5867.jpg](https://static.arukikata.co.jp/pic-images/tokuhain/welshpool/assets_c/2022/03/IMG_5867-thumb-730x875-592868.jpg)
▲ 店内で販売されているドリー
ちょっと、イメージしにくいと思うので、店内の壁に掛けられていた作業工程の写真で説明すると......。(撮影協力:Dickinson&Morris)
![IMG_5876.jpg](https://static.arukikata.co.jp/pic-images/tokuhain/welshpool/assets_c/2022/03/IMG_5876-thumb-730x651-592873.jpg)
▲ 元祖ポークパイの製造工程
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▲ ドリーを包み込むようにペストリーを成形
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▲ 秘伝の調味料で味付けした英国産豚挽肉を詰める
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▲ 蓋をし、形を整えたら、溶き卵を塗り、約1.5時間焼き上げる
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▲ 焼き上がりは側面に膨らみがあるのが特徴。ゼラチン入りのストックを注入し、冷やし固めて完成
こうして、ドリーを使用したハンドクラフト製法のポークパイは現在も店内で作られ、人気商品として販売されています。
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▲ 正真正銘手捏ねの"元祖ポークパイ"は約400gの1サイズのみで6.5ポンド(約1,000円)
そんな有名老舗店ですが、店内はとてもこじんまりした雰囲気。
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冷蔵コーナーには大小さまざまポークパイが並んでいます。
この赤いパッケージのポークパイはイギリスでは市販されているおなじみのもの。
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▲ 専門工場で機械製造されてるパイは手頃な価格。大サイズ(約440g)が3.99ポンド(約600円)
また、他にも地元の特産品スティルトンチーズやチャツネ、ジャムをトッピングしたポークパイを店内で製造&販売してます。
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▲ スティルトンチーズがたっぷり乗ったポークパイ
あと気になったのが地元の人も買いに来ていた焼きたてのパン。店を出てから気づいたのですが、隣にはパン工房が併設されていました。
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▲ 店内に並ぶ数種類の焼きたてパンやジャム、チャツネの瓶詰め
どれも魅力的でしたが、今回はハンドクラフトタイプと定番のポークパイを土産に購入。ポークパイに合うというチャツネも買いました。店員さん曰く、賞味期限は未開封なら5日以上、開封後でも3日はOK!とのこと。型くずれしないので土産にも最適です。
そして、帰宅後、早速、実食!もちろん、2種類を食べ比べです。
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▲ ハンドクラフト製法のポークパイ(左)と定番のポークパイ(右)
こちらはハンドクラフトタイプ。手焼きだからか?パイ生地はこんがりした焼き色でフィリングのポークがボコボコしてます。
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▲ ハンドクラフトタイプのポークパイをカットしたもの
そして、市販されている定番のポークパイ。機械で精巧に製造されているようでパイの焼き色は均一な黄金色、フィリングのポークもしっかり整ってます。
![IMG_5976.jpg](https://static.arukikata.co.jp/pic-images/tokuhain/welshpool/assets_c/2022/03/IMG_5976-thumb-730x548-592901.jpg)
▲ おなじみの赤いパッケージのメルトン・モウブレイ・ポークパイをカットしたもの
並べて、見比べてみると、こんな感じ。
![IMG_5978.jpg](https://static.arukikata.co.jp/pic-images/tokuhain/welshpool/assets_c/2022/03/IMG_5978-thumb-730x548-592903.jpg)
▲ 定番ポークパイ(左)とハンドクラフトタイプ(右)
やはり、ハンドクラフトタイプの方がフィリングのポークがボコボコしていて、パイ生地との隙間も均一ではありません。また、パイ生地自体が定番より厚くどっしりした感じです。
ただ、こちらは約400gに対し、購入した定番のポークパイは大サイズで約440g。実際の重さや大きさで言えば、やや小ぶりでした。
そして、気になるその味ですが......店員さんから「製法が少し異なるだけで材料は同じ」と説明されただけあって、正直なところ、味の違いはよくわかりませんでした。やはり、ハンドクラフトの方がパイ生地の食感がよりしっかりしていた点でしょうか?!
家族も同意見だったので、ぜひ食べ比べされた方の食レポを伺いたいです。
ポークパイといえば『メルトン・モウブレイ』、『メルトン・モウブレイ』といえばポークパイ!
イギリスにお越しの際はぜひ、ご賞味ください。
もちろん、本場の町でポークパイの食べ比べもおすすめです。
■ Dickinson&Morris
・ 住所: Ye Olde Pork Pie Shoppe, 10 Nottingham St, Melton Mowbray LE13 1NW
・ URL: https://www.porkpie.co.uk/
![](https://static.arukikata.co.jp/data/profile/11000/10131/20221013_122426_9d275707_w320.jpg)
筆者
イギリス特派員
June
60カ国以上の渡航歴あり。2016年、結婚を機に英ウェールズへ移住。
【記載内容について】
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