イギリス発着便り〜マルタ共和国〜

公開日 : 2022年09月05日
最終更新 :

2019年以来、ついにイギリス国外旅行が叶って訪れた先はイタリアのシチリア島の南に位置する小さな島、マルタ共和国です。イギリス同様、コロナに関する規制が一切なく、出入国時の書類なども不要で治安もよいという、とても観光しやすい国でした。

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イギリス第2の空港ことロンドン・ガトウィック空港からの直行便は、イージー・ジェット航空のみなのでそちらを利用。コロナ後の人手不足などで、海外渡航が解禁されても飛行機が直前になって飛ばないなど、たびたびニュースになっていましたが、今回はそのようなこともなく、順調なフライトとなりました。

マルタ共和国を知る

場所柄てっきりイタリアの影響が強いのかと思いきや、公用語はマルタ語と英語で、空港に降り立つなり目にしたのはイギリスのチェーン店「コスタ・コーヒー」に見慣れたスーパー「リドル」、日本食チェーンの「ワガママ」、そちこちに建つ赤の電話ボックスなどなど、拍子抜けするほどイギリスの物であふれていました。

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マルタといえば、東西冷戦の終結を告げる歴史的なマルタ会談の舞台としか思い浮かばなかったのですが、地中海のど真ん中に位置することから商業、軍事的に諸外国から狙われやすく、マルタ観光局によりますと、1964年に独立するまで多くの国に占領されてきたようです。

イギリスはなかでも最後の支配国(保護という名目のもと)で、1974年には現エリザベス英女王を君主としない共和制に移行し、マルタ共和国となりましたが、イギリス帝国の旧領土として英連邦に加盟し、行政、教育、法律においてイギリス式を受け入れました(参照:"History" VisitMalta, 2021.)。ヨーロッパで英語を公用語とする国は珍しく、日本からの留学先としても人気が高いようです。

マルタ有数の繁華街セント・ジュリアンズ

8月下旬といえば、イギリスではもう早くも夏の終わりを感じさせる気候となりますが、どっこい教科書で習ったとおりの地中海性気候のマルタでは、まだまだ夏真っ盛り! そのつもりで薄着をしていきましたが、乾燥しているとはいえ、想像をはるかに超える暑さで荷物を持って歩いたりすれば、すぐに汗だくになりました。

移動には空港で購入した市バスの乗り放題パス「tallinja card」を使いました。7日用でそんなに元は取れていないと思いますが、混雑するなか家族4人で毎回現金で支払ったりするのはたいへんなので、これがあって本当によかったです。

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今回拠点にしたセント・ジュリアンズ(St. Julian's/San Giljan)はかなり主要な観光地のようで、着くなりパレードの最中で、お手製の紙吹雪が舞うは(2階の窓からごていねいに、大量のシュレッダー紙のようなものを撒き散らしています)管楽器が鳴り響くはでとってもにぎわっていました。

海の色は言わずもがなで、これぞ夢にまで見たザ・地中海といった濃い群青色、ヨットがところ狭しと並ぶ様もなにからなにまで圧巻です。

幻と化した絶品のサーモン・ラップ

ホテルに荷物を預けてさっそく腹ごしらえに、そこらのカフェへブラっと入って昼食を。右も左もわからぬ観光客にとって、ショーケースに並ぶサンドイッチを指差せばいいだけのカフェは気楽です。

マルタはフランス統治の時代もあったせいか、ほかにもカフェがたくさんあり、どこもおいしそうなバゲットやラップサンド、ハンバーガーのように見える、分厚いバンズのマルタパンのサンドイッチが豊富に並べられています。

なかでもラップサンドは人気なようで、どの店でもたいていは残りわずかなことが多く、このとき入った「ノラ・カフェ(Nola Cafe)」にも3つしかありませんでした。最後に残っていたサーモン(€4.5)とツナ(€4)のラップ、ハム・チーズのバケット(€3.5)を頼みましたが......

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スモークサーモンが入ったものは、口のなかでトロける旨さで「こんなにもテキトーに入った店でこのクオリティ‼︎」と、おそらくイギリスから来たせいもあり、感動しました。

しかも、ラップでもサンドイッチでも基本はチキンやハムであることがほとんどで、同じ味を求めて以降行く先々でチェックしましたが、そもそも魚介類をサンドしているもの自体が少なく、特にサーモンはその後1度もお目にかかることができませんでした。

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しょうがないので他日再訪しましたが、同店でも人気製品なのか、その日はすでに売り切れ! ということで、皆さんもマルタでサーモン・ラップを見かけたら即買いすることをおすすめします。また、どこの店でも店内で食べる場合はわざわざ温めてホットサンドにしてくれるサービスがありがたい!

◼️ノラ・カフェ(Nola Cafe)・住所: Triq il-kbira San Giljan, Malta・営業時間:  月〜土 6:00〜0:00、日 6:00〜15:00・URL: https://www.facebook.com/Nolacafemalta/

夕陽を眺めながらの海沿いディナー

午後は「バルータ広場(Balluta Square)」前に広がるバルータ湾で水遊びをし、さらにはホテルの屋上プールからも海を眺めながら泳ぎ、イギリスのように水温を気にせずとことん遊び尽くしました。

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そうしてお腹を空かせてからいざ、夕飯探しにビーチ沿いを歩いて行きました。途中、猫好きにはたまらないという「インディペンデンス・ガーデン(Independence Garden)」を通りました。猫があちこちを闊歩しているようで、日差しもちょうど和らいだ頃、子供の遊び場は家族連れでにぎわっていました。

と、そこで何時なのか鐘が鳴り出し、夕陽に照らされた海と音色が相まって、幻想的な光景が目の前に現れました。そのままさらに歩みを進めると、いくつか海沿いのレストランがあったので、そのうちのひとつ「サーフサイド(Surfside)」に入りました。

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こういう景色のよい店では、なかなか予約なしで海側の席に座れることはありませんが、まさかの「お好きなところへ」と選び放題で飛び上がりました。やはり中心地から少し離れた「スリーマ(Sliema)」の端っこまで足を伸ばしたのが功を奏したのか、翌日同じように期待して入った広場前のレストランは、案の定無理で奥に通されました。

階下ではDJが音楽を回しており、さらにその下の岩場ビーチでは陽も沈むというのに、大勢の観光客がまだ水に浸かっていてワイワイガヤガヤと楽しい雰囲気も存分に味わえました。

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こちらの海水浴場は少し変わっていて、まるでプールか露天風呂のように人口的な岩の仕切りと手すりまでついています。無料でこんな、プライベートの貸切風呂のように使えるとはすばらしい!

レストランの食事も、カラマリ(イカ)のフリッター(€14.9)やマグロのシーザーサラダ(€16.9)など、お待ちかねのシーフードをたらふく食べて大満足でした。

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すっかり日が暮れた頃、今度はライトがキラキラと水面に映る夜景を見ながらホテルまでまた歩いて帰りました。

◼️サーフサイド(Surfside)・住所: Surfside, Tower Road, Sliema, Central Region, Malta・URL: https://surfsidemalta.com/

筆者

イギリス特派員

パーリーメイ

2017年よりロンドン南部で家族と暮らしています。郊外ならではのコスパのよいレストラン、貴族の邸宅、城めぐり、海沿い情報などが得意です。

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