【アメリカ・メリーランド州】モンクトンの旧駅舎と鉄道跡トレイルで自然を楽しみながら歴史を体感

1858年に完成した北部中央鉄道（The Northern Central Railway）は、ボルチモア（Baltimore）からペンシルバニア州中部サンバリー（Sunbury）までを結んでいましたが、ハリケーンによる橋や線路の損壊の影響で1972年に運行を停止しました。


現在この鉄道は、ペンシルバニア州のニュー・フリーダム（New Freedom）で、季節、イベント限定の観光列車として運行されている のみですが、1863年11月には当時のリンカーン大統領がこの鉄道を利用してゲティスバーグへ赴き、「人民の、人民による、人民のための政治...」のフレーズで有名なゲティスバーグ演説を行い、また1865年4月には、暗殺されたリンカーンの棺がワシントンDCから故郷のイリノイ州まで運ばれる際にもこの鉄道が使われるなど、かつてはアメリカ東部で主要な交通機関のひとつであったようです。


NCRトレイルは、南の起点はメリーランド州のアッシュランド（Ashland）（ライトレールの終着駅であるハント・バレー（Hunt Valley）駅から車で5分程度）、北の終点はペンシルバニア州のヨーク（York）までつながっています。


ガンパウダー・フォールズ州立公園（Gunpowder Falls State Park） の一部でもあり、メリーランド州内のトレイルだけでも全長19.7マイル（約31km）もあります。トレイルとしての一般公開は1984年に始まりました。おおむね数マイルおきにトレイルの出入り口や駐車場があるので、地元の人々の散歩やジョギングルートとして、またトレイル脇に流れる川で釣りやカヌーをする人が訪れたりしています。

モンクトンのトレイル出入口には、1898年建築の旧モンクトン駅舎が保存されています。現在は建物内部に入ることはできませんが、外回りのプラットホームなどを見ることができます。

旧モンクトン駅前の広場には　モンクトン・ホテル（The Monkton Hotel）という古いレンガ造りの建物があります。ここの1階のカフェでコーヒーや軽食を買ってひと息つくこともできます。

元々は鉄道の線路が通っていたため道は平らでほぼ直線です。途中細かな砂利の舗装が敷かれ、凸凹があまりないため歩きやすく自転車でも走行しやすい道です。実際、自転車でトレイルを利用している人を多く見かけました。
春になって暖かくなったら自転車を持参してサイクリングに挑戦してみたいところです。