マカオ再開!リセットされた新生マカオの最新情報をお届け

公開日 : 2023年08月30日
最終更新 :

2023年の1月8 日から段階を経てロックダウンが解除されたマカオ。いま、そしてこれからのマカオをご紹介・ご案内する前に、ロックダウンの時期、マカオはどうだったのか? これからのマカオはどうなって行くのか? 今後はどういうポイントを楽しんでいけるのか? などをお伝えする必要があると考え、この内容のリポートにする事に決めました。

2023年1月 ようやくロックダウンが解除されたマカオ

中華人民共和国特別行政区マカオ。かつてはポルトガル領だったこの町も、2008 年のカジノを巡る法律の変更とともに大きく様変わりし、2019 年まではIR(カジノ)の恩恵を受け、天井知らずの大発展を成し遂げました。
しかし2020年1月、世界的なパンデミックの発生を受けてマカオ政府はいち早く国境を閉鎖。ウイルスを入れさせないという決断をし、この小さな国を守ることを決定しました。
人口65万人、東西4kmと少しに、南北で7km をわずかに超える距離。その面積はわずか30平方キロメートル。東京都内で比較すると、府中市とほぼ同じくらいのコンパクトシティですから、もしパンデミックが発生したらあっと言う間に医療崩壊してしまいます。そのような事情もあり、2023年1月末までの間、実質3年間にわたる事実上のロックダウン状態でした。

この3 年間の間、マカオは完全なロックダウンが3回ありました。その間は部屋からの外出を許されず、食糧の買い出しも制限されました。こう聞くと中国本土のあの壮絶なロックダウンを連想する方もいらっしゃるかとは思いますが、マカオの場合は少々異なります。
この町はIRの大きな恩恵を受けているために税金はほぼ無税のほか、手厚い社会保証が施されております。その延長でロックダウン中も市民は手厚く保護され、特に零細企業は数100万円の給付金が申請する事もなく政府から振り込まれてきました。これには感謝しかありません。
しかしこの間、多くの店、特に飲食関係の店が閉店を余儀なくされ、町の風景は大きく様変わりしました。名店といわれた店も廃業が多く、そういう意味から冒頭にある言葉「リセットされた街」という表現を使わざるを得ないのが現実です。
大規模店で特にそれは顕著で、例えばベネチアンマカオの看板店でもあった有名なイタリアンレストラン〝ポルトフィーノ〟も廃業するなど、このパンデミックはマカオに大きな爪痕を残しました。

政府と市民が一体となって乗り越えたパンデミック

我慢を強いられている市民に対し、政府は精一杯出来る限りの事をしてくれました。
毎年恒例のマカオグランプリは休む事なく、2020年から2022年の3年間、地元マカオと中国大陸の選手のみで開催。その内容に対しては地元マカオ市民からは批判もありましたが、それでも開催を続ける事で「伝統」を途切れる事なく継続させた事は大いに賞賛される部分だと思います。
毎年、旧暦の端午の節句(6月)に行われるドラゴンボートは2020年こそ中止となりましたが2021年には復活。ロックダウン中に打ちひしがれているマカオ市民の心を大いに鼓舞し、奮い立たせてくれました。
2022年のクリスマスには、マカオタワーのあるエリア(南湾地区)で、夜空のドローンショーが開催されました。ドローンショーのテーマはマカオの極めて日常的な事に絞られており、これは明らかに観光イベントとしてではなく〝マカオ市民へ向けたメッセージ性〟の強いイベントである事が伺えました。

この様にロックダウン時の状況を先にお知らせしなければならなかったのは、その後にマカオ自体に大きな変化があったからに他なりません。その部分をキチンとお伝えしなければ、コロナ禍以前にマカオを訪れたことがある方々にとって、現在のマカオの町と大きなイメージの隔たりができてしまうからです。
ここ数年の間にマカオは大きな方針転換をしました。

明確な方針転換を打ち出したマカオ特別行政区

写真提供:COGPM(GCS)
写真提供:COGPM(GCS)
写真提供:COGPM(GCS)
写真提供:COGPM(GCS)

マカオのイメージ? というと殆どの方が「カジノと自動車レースがある町」と答えられると思います。
マカオ政府は2022 年度「スポーツ&ツーリズム」という観光テーマの指針を打ち出しました。そしてカジノを前面に出さない事もより強化されたのも事実です。これは中国中央政府の指示でもあり、それに沿って今後は「スポーツ&ツーリズム」をより強く全面的に打ち出していきます。

マカオでスポーツといえばやはり〝マカオグランプリ〟が代名詞となる〝モータースポーツ〟が挙げられます。そのマカオグランプリ、今年は記念すべき第70回記念大会として開催され、10年前の第60 回大会と同様、2週にわたって開催されます。

このような経緯を経て2019 年を最後に閉ざされていた世界への扉が再び開き、この2023年度 第70回マカオグランプリは再びFIA(世界自動車連盟)のタイトルが懸けられ、FIA F3、GTレースとともに〝FIAワールドカップ〟の名称で開催される世界戦となります。

さらに今年は、マカオグランプリの父といわれる故・テディ・イップ・シニアのチームであるセオドールレーシングが創立50周年を迎えるアニバーサリー・イヤーです。同チームは1992年を最後に一旦活動を休止しますが、2013年 第60回記念大会に於いてテディの子息等が立ち上がり、第2期セオドールレーシングを復活させ、そのまま優勝し、自らのカムバックを飾るという伝説的な偉業を成し遂げました。

マカオグランプリ

URL
hhttps://www.macau.grandprix.gov.mo/en/

再スタートしたマカオ これからの展望

あれからちょうど10 年が経過し、未曾有の困難を乗り越えたマカオはゆっくりと、しかし着実な復活への第一歩を踏み出しました。
町をはじめ大きな変化があり、以前からマカオに遊びに来て頂いていた方々はその変化に驚く事でしょう。観光地の一部はいまだにシャッター街のままになっている部分も多く、この状況はすぐには回復しない事を物語っています。

また国としての旅遊関連に関するプロモーションは中国本土へ向けての発信がメインとなっており、ほかの国への発信は若干遅れています。
マカオ航空の日本とのあいだを往来する便は、8月8日時点で週の便が成田で4便、関空が5本まで回復しています。

いくつかのIRではこの閉鎖期間のあいだにも、新しい施設の建設を進めた結果、パンデミック中にもかかわらず、素晴らしいホテルが次々に竣工しました。

これらを含めて新しいフェーズに入ったマカオ。人も町も含めてリセットという再スタート地点に立った2023 年、このマカオの地より最新の情報をお届けします。

マカオ航空

URL
https://www.airmacau.com.mo/

筆者

マカオ特派員

マカオナビ

マカオは中国中央政府の指示もあり、ルールや法律の変更が非常に早い地域です。できる限りの早さで最新の情報をアップしていきます。

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