【イタリア】音楽家が集うボローニャの小さな教会で火事

公開日 : 2023年09月28日
最終更新 :
筆者 : 望月 唯

9月11日の朝方、ボローニャの教会「la chiesa dei Santi Cosmo e Damiano(サン・コスモとサン・ダミアーノ教会)」で火事がありました。
幸い犠牲者や怪我人はいませんが、美しい教会の屋根が抜け押ち、現在は人が立ち入れない状況です。
2019年におきたパリのノートルダム寺院の火災を覚えている方もいらっしゃるかと思いますが、歴史的建造物が火事被害に合うのはとても悲しいことですね。
こちらは小さいながらも、多くのボローニャの音楽家たちがコンサートに利用していた教会です。

学生やプロの卵にも音楽の場を提供してくれていた場所

火災前。小さなステージ
火災前。小さなステージ

1時間10ユーロ(約1,600円)という破格で、この美しいステージを使わせてもらえていました。
コンサート、レッスン、オーディションへの録音などに多くの音楽家が活用していました。

火災前。入口
火災前。入口

ボローニャは音楽家の数が多いのに対して、コンサートができる場所がとても少ないのがデメリットです。
場所があってもいつも同じ人しか演奏できないなどの問題もあります。
ボローニャの音楽院に所属をしていれば演奏のチャンスはありますが、プライベートで勉強している人にはなかなか難しいでしょう。
そこでこちらの教会は、プライベートで教えている先生のお弟子さんの発表会や、卒業試験の予行練習コンサートなどでも、目的問わず快くスペースをレンタルしてくれていました。
別室にもピアノがある部屋があります。

※現在は入れません。

教会のすぐそばには旧中心街の壁の残りも

旧中心街の残りの壁
旧中心街の残りの壁

サン・コスモとサン・ダミアーノ教会は、こちらの記事で紹介した11世紀のボローニャの中心街の壁のすぐそばにあります!
アーケードをくぐると、この先は11世紀以前のボローニャの街だった場所…ぜひチェックしてみてくださいね。

またみんなで音楽できる時を願って…

筆者撮影、教会での練習風景の動画です。(火災前)

よくコンサートもやっているので、工事が終わり、また音楽活動が再開できるようになったらお知らせしたいと思います。

筆者

イタリア特派員

望月 唯

ボローニャ在住のメゾソプラノ歌手です。ボローニャ生まれのピアニスト・マルコと一緒にボローニャの歴史や裏話を紹介します。

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