【コーカサス地方ジョージア国】グルメの町マルネウリの魅力
マルネウリとは
コーカサス地方にあるジョージア国の首都はトビリシ(თბილისი/tbilisi)。
首都トビリシから約20km南へ行くとマルネウリ(მარნეული/marneuli)という町があります。
この地方を代表する町ですが、荒野の真ん中の田舎町でもあります。
ジョージアからアルメニアへ向かうマルシュルートカ(乗り合いヴァン、以下マルシュ)が通過する町なので、知っている人がいるかもしれません。
マルネウリの町の特徴
ジョージアの田舎町マルネウリには以下のような特徴があります。
①市場を中心に発展
マルネウリの中心部に位置するのが、町の中央市場。
食材や生活用品が揃う市場は、マルネウリ町民の生活を支えています。
田舎町の生活のにおいにあふれるマルネウリ市場は、日本人旅行者にとって旅情をそそる風景になるかもしれません。
その一方で市場の最深部は、東京のアメ横と良く似た雰囲気も持っています。
②外国出身者が多い町
マルネウリは、特にアゼルバイジャン出身者が多い町。
町民の84%がアゼルバイジャン出身者とされています。(ジョージア語版ウィキペディアより)
また、統計には反映されていませんが、最近はトルコ出身者も多く見られます。
③独特の食文化
マルネウリの町には、多くのレストランや食堂があります。
ジョージア料理の店や、外国料理の店。
特にアゼルバイジャン出身者やトルコ出身者の店は、ハラールに基づいている事が多いので、メニューがジョージアの食文化とは大きく異なります。
この食文化の混在が、マルネウリを異質なグルメの町に仕立て上げています。
マルネウリのグルメ
以下はマルネウリで食すことができる御当地グルメの例です。
①牛肉カバビ
マルネウリの中央市場の奥に、串焼き店が並んでいる一角があります。
雑踏を奥に入った場所にありますが、日中はもくもくと煙が上がっているのでわかりやすいかもしれません。
数えたところ、串焼きを出している酒場が5軒ありました。
いずれの店でも、カバビ(ქაბაბი/kababi)が看板料理となっています。
カバビとは、つくね状の肉を串に付けて炭焼きにした料理。
カバビはジョージア料理の店でも食すことができますが、その多くは豚肉やミックス肉です。
それに対してここで食べられるカバビは、ハラールに基づいて牛肉カバビ。
私はここのカバビに惚れ込んでしまい、5店全部食しましたが、まだまだ熱は醒めそうにありません。
どの店のカバビも負けず劣らず絶品だと言えるでしょう。
それぞれ店には、ジョージア名物ヒンカリ(ხინკალი/khinkali)や鶏肉串などの別メニューもあります。
どの店も、外で肉を焼いている店員に料金を払うシステムとなっていました。
【値段】
カバビ=6ラリ
ジョッキ・ビール=3ラリ
※どの店でも、カバビにかけるサツェベリ・ソース(საწებელი/sats'ebeli)及びパンはサービス。
1店のみジョッキ・ビール2ラリの店がありました。
場所はこの付近
②ドネルケバブ/シャウルマ
日本でも人気のドネルケバブ。
実はトルコや中東を中心にさまざまなスタイルがあります。
ここジョージアではシャウルマ(შაურმა/shaurma)もしくはシャワルマと呼ばれるスタイルが一般的。
シャワルマはラヴァシ(ლავაში/lavashi)と呼ばれるシート状のパンで巻かれているのが特徴です。
マルネウリのロータリーから市場へ続くルスタヴェリ通りにはシャウルマ店が軒を連ねています。
そしてその中には、ジョージアでは珍しいトルコ式のドネルケバブの店も。
ドネルケバブとはいっても、日本のスタイルとはまた違います。
ラヴァシを使っていたり、具材が違っていたり、店によって楽しむことができます。
私はルスタヴェリ通りのMavi Denizという店で、トルコ出身者の店主と知り合い、ここで複数回ドネルケバブを食しました。
小サイズのドネルケバブはラヴァシも具材もシャウルマとは異なっており楽しい体験でした。
【値段】
Mavi Denizのドネルケバブ(小サイズ)=6ラリ
※値段は店によって異なり、サイズによって6〜15ラリ程度。
通常サイズとされるノーマルで7〜8ラリ程度が相場。
③パン
市場内やルスタヴェリ通りなどには複数のパン屋があります。
私はルスタヴェリ通りのメロディア(მელოდია/melodia)で手土産を買って帰るのが習慣となっています。
メロディアはパティスリーで、商品は菓子パンやスイーツ類がメイン。
トビリシと比較すると値段が安めで、品揃えもこの町ならではのユニークなものです。
【値段】
メロディアの菓子パン=0.8〜2ラリ程度のものが主流
この向かい側「ケーキ屋」の表示がある店
④ジョージア食堂
市場の南側の奥にはジョージア食堂があります。
ササディロ(სასადილო/sasadilo)と看板に表示されている店です。
私はここでハッシュドポテト付きのコトレティ(კოტლეტი/k'ot'let'i)を食しました。
こちらはジョージアの他の町でも見られるスタンダードな味。
マルネウリにジョージア食堂は他にもありますが、御当地グルメが面白すぎて余裕がないのが私の現実です。
【値段】
コトレティ(ハッシュドポテト付き)+ジョッキビール=11ラリ
駅の南側の「倉庫」の表示がある付近
⑤トルコ料理店
ドネルケバブ店Mavi Denizではトルコ料理のプレートをおごってもらいました。
店主がトルコ出身者なので、現地の本格的なロカンタ・スタイルです。
トルコ料理店は市場の南側にも多数あります。
マルネウリへのアクセス
トビリシとマルネウリを行き来するには、マルシュが主流となります。
所要時間は、片道1時間弱。
トビリシ滞在者にとっては、昼食のためだけに日帰りで出かけられる町でもあります。
乗り場は以下の通りです。
①トビリシのマルネウリ行きマルシュ乗り場
トビリシ発マルネウリ行きのマルシュは、ステーション・スクエアの2箇所の発着所及びサムゴリ・ターミナルより出ています。
私は、運賃が安いサムゴリ・ターミナル発を利用しています。
サムゴリ・ターミナル発の場合、終点は市場前ですが、手前で降ろされることもありました。
【運賃】
トビリシ→マルネウリ=3ラリ(サムゴリ・ターミナル発)
②マルネウリのトビリシ行きマルシュ乗り場
マルネウリ発トビリシ行きのマルシュは市場脇とロータリーの2箇所より出ています。
私はいつもロータリー発を利用しています。
ロータリー発マルシュの終点はサムゴリ・ターミナル。
【運賃】
マルネウリ→トビリシ=3ラリ(マルネウリ・ロータリー発)
※マルシュの運賃はいずれも言い値であり、交渉が必要な場合があります。
この北側
マルネウリ旅行における注意点
マルネウリ旅行には以下のような注意点があるでしょう。
①スリ、置き引き
市場、特に南側の入口付近はホームレスが見られる地域。
荷物には注意が必要です。
②危険運転
ジョージアの地方旅行において便利な交通手段となるマルシュ。
しかし地方部のマルシュにおいては、しばしば危険運転が見られます。
片側1車線の道路で、追い越しのために反対車線に出ていくといった運転です。
このマルネウリへのルートは特にこの危険運転が多い区間。
外国旅行において危険な目に会いたくないという場合、ジョージア国内ではマルシュは使わないという選択肢も考えられます。
自動車の利用は都市部だけにして、他は鉄道を利用するという方法です。
1ラリ≒54.3円
(2023年12月10日現在)
筆者
ジョージア特派員
fujinee
ジョージアのトビリシに住んでいます。音楽や芸術が好きなので、そのような記事が多くなります。
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