メイヤー ファン デン ベルク美術館(Mayer van den Bergh Museum)
こんにちは。アントワープ特派員のマユミです。 アントワープの中心地にひっそりたたずむ、ネオゴシックの美術館。 私立美術館としてスタートしたメイヤー ファン デン ベルク美術館を紹介します。 写真掲載の許可はメイヤー ファン デン ベルク美術館から事前に得ています。
この美術館ではテーマごとに13の部屋に分けて展示がされています。
魅力的なのは、手入れの行き届いたネオゴシックの建物を利用しているだけに、部屋、ステンドグラスや窓、内装、家具調度品に至るまで、インテリアが美しく、美術品を引き立てています。
さほど大きな建物ではないので、コンパクトで見やすいのも魅力です。
順を追ってハイライトを紹介していきます。
Room1 Portraits
人物や家族の肖像画を中心とした展示となっています。
特に目を引くのは、中央に展示されている、19歳のフランシスコ・デ・メディチ1世の公式全身肖像画です。
彼はのちにフランス女王マリア・メディチの父、そしてトスカーナ大公となった人物です。
Room2 Baroque Painters
新旧のバロックの画家たちの作品群。
Room5 Bruegel
ベルギーを代表する画家、ブリューゲルの部屋になります。
とりわけ印象的な作品として、写真右上に展示されている、TWELVE PROVERBS ON WOODEN PLATES があります。
木製の皿に書かれた12の格言で、絵と共に意味を読み解くのも楽しいでしょう。
NOW PERFORMING THE RESIST DANCEの制作者、Dazmaは彫刻や水彩画を専門とする現代芸術家。
ニューヨークバレエ団や、ボブ・ディランをはじめとするアーティストとのコラボとの経験が多く、共通するテーマは、演劇・劇場・音楽への魅了です。
この作品も劇場を表しています。
彼は演劇の幻想と社会的批判を組み合わせた表現を用い、この方法はしばしばブリューゲルにも共通するため、この部屋での展示になったようです。
ブリューゲル1世の芸術作品は非常に優れ、特に冬の風景画は人気がありました。
Room6 MICHELI
1898年に、Fritz Mayer van den Berghは、亡くなって間もないアートコレクターのCarlo Micheliから451点の作品を買いました。
Micheliはルーヴル美術館で働き、控えめながら優れたセンスで、当時流行していなかった小さな中世美術品のコレクションを築き上げた。
Fritzは早くから目をつけ、全財産をつぎ込み、主にフランス・オランダからの作品を保管。
メイヤー ファン デン ベルク美術館は、中世彫刻の分野でベルギーで最も重要な美術館のひとつとなりました。
Room7 LIBRARY
LIBRARYと名付けられたこの部屋は、その名にふさわしく、本がぎっしり並ぶ本棚に囲まれています。
絵画は主に、食にまつわるものや、当時の女性達を飾った、ヘッドドレスやアクセサリーの展示も多く、より生活を感じながら鑑賞することができます。
写真は美しいガラス窓と本に囲まれ、佇むMargareta Riccenの肖像画です。
Room9 STUDIO
Fritzの母、HENRIETTE MAYER VAN DEN BERGHの肖像画が中心にあるこの部屋は、美術館設立当時から、STUDIOと名付けられていました。
彼女が美術館に関する文書を書いていた部屋です。
この肖像画は1857年、彼女が19歳の時描かれたもので、当時から掲げられていました。
この年、彼女はFritzの父である、Emil Mayerと結婚しました。
Room12 MAD MEG
この美術館の中で最も有名な作品がこちらになるでしょう。
今も、さまざまな解釈がされている、とても複雑で繊細な作品。
Fritzはこの作品を1894年のケルンで488フランで購入。
子供の頃からブリューゲル作品に興味を持っていた彼は、この絵をPieter I Bruegelのものと特定し、ブリューゲル芸術研究の先駆者となります。
- 住所
- Lange Gasthuisstraat 19, 2000 Antwerpen
- 電話
- 033388188
- 営業時間
- 火-日曜日 10:00-17:00
- 休業日
- 月曜日
- U R L
- HP
- 入館料
- 10ユーロ
筆者
ベルギー特派員
マユミ・スティーブンス
ベルギー第2の都市アントワープに移住して4年目になりました。旅好きで、これまでに28カ国への滞在経験があります。
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