松本まりかの「地球の歩き方」 in サイパン ③テニアン島で古代チャモロの歴史&サイパンの戦跡を巡る

公開日 : 2024年03月11日
最終更新 :

テレビ大阪・BSテレ東ほかで放送中の「ドラマ 地球の歩き方」。次の舞台はサイパン。20年以上前に写真集の撮影で6回サイパンに訪れた松本まりかが、過去の思い出から抱いていた複雑な感情を乗り越えるべく、もう一度サイパンの旅へ。第3話では、テニアン島を訪れ、古代民族チャモロの歴史やサイパンの戦跡を巡ります。

戦争の爪痕が残る悲劇の地バンザイクリフへ

日本に1番近いサイパン島最北端の岬 高さ約80mのバンザイクリフ
Ⓒドラマ「地球の歩き方」製作委員会 日本に1番近いサイパン島最北端の岬 高さ約80mのバンザイクリフ

私たちは、ラジオ番組で日本人リスナーの美穂さんから “戦争”に関するメッセージが届いたことをきっかけに、サイパンで戦争の爪痕が残る場所を訪れることに。

まず向かったのは、サイパン島最北端の岬バンザイクリフ。太平洋戦争中、追い詰められた日本人が「バンザイ」と叫びながらこの岬で海に身を投じたことから、バンザイクリフと名づけられたという悲しい場所。この岬で亡くなった方は1万人以上といわれ、慰霊碑も建てられています。

ここで戦争体験者のリノさんとお会いし、リノさんの姉・ミチコさんが当時体験したできごとなどを伺いました。

毎年多くの日本人が慰霊に訪れます
Ⓒドラマ「地球の歩き方」製作委員会 毎年多くの日本人が慰霊に訪れます
当時の体験を語ってくださったリノさん
Ⓒドラマ「地球の歩き方」製作委員会 当時の体験を語ってくださったリノさん

バンザイクリフ

住所
7RP8+G68, Capitol Hill
アクセス
サイパン国際空港から車で40分

古代チャモロの歴史が刻まれた地へ in テニアン島

Ⓒドラマ「地球の歩き方」製作委員会

メッセージを送ってくださった美穂さんに会いに行くため、テニアン島へ。

美穂さんと美穂さんの夫・クリスさんと合流し、まずはじめに案内していただいたのは、テニアン島の南部にあるタガ遺跡。サンホセ村の中心部から徒歩5分のサンホセ公園のなかにあります。

ここでは、高さ5mを超す巨大な石柱タガ・ストーン(ラッテ・ストーン)がずらりと並び、そのたたずまいに圧倒されます。古代チャモロ人の伝説の王・タガ王が造ったといわれていて、別名「古代チャモロ人の王様の家」とも呼ばれています。約3500年前に作られたそうですが、何の目的で作られたのかは今でも謎のままなのだとか。

ちなみに、ロタやグアムにもタガ・ストーンが残っていますが、テニアン島はタガ王朝の都だったことから最大規模を誇ります。

青空のもと、テニアンブルーの海が広がり撮影日和でした
Ⓒドラマ「地球の歩き方」製作委員会 青空のもと、テニアンブルーの海が広がり撮影日和でした

次に向かったのは、テニアン島で特に人気がある観光スポット、タガビーチ。

「テニアンブルー」ともいわれ、透き通った海が広がる絶景のビーチです。その美しさから、撮影のロケ地としてもよく使われているそう。
ビーチからほど近いところにはサンゴ礁もあり、シュノーケリングなどで熱帯魚も見れる最高の観光スポット。また、タガビーチはタガ王のプライベートビーチだったと伝えられていて、古代チャモロの歴史にも関係する場所でもあります。

タガ遺跡

住所
XJ8C+PVW, San Jose, Tinian 96952
アクセス
テニアン国際空港から車で10分

タガビーチ

住所
XJ5H+6W3, San Jose, Tinian 96952
アクセス
テニアン国際空港から車で10分

統治時代の面影が残る地へ in テニアン島

サンホセ村のどこからでも見える、高さ約20mのベルタワー(鐘楼)
Ⓒドラマ「地球の歩き方」製作委員会 サンホセ村のどこからでも見える、高さ約20mのベルタワー(鐘楼)

テニアン島中心にあるテニアン島唯一の教会、サンホセ教会にも案内してくださいました。

サイパンは約300年間(1565~1898年)、スペインの統治下にあり、サンホセ教会はその当時の面影を残しています。戦争や経年劣化による傷みや傾きを住民の方が修理して、今も大切に保存されています。

また、今は鐘楼の役割も果たしていて、住民の方の結婚の案内などを流すことにも使われているのだとか。サンホセ村にとって、大切なシンボルです。

美穂さんと一緒に私も参拝させていただきました
Ⓒドラマ「地球の歩き方」製作委員会 美穂さんと一緒に私も参拝させていただきました

テニアン島には、日本統治時代の面影が残る住吉神社もあります。

テニアン島を日本が統治していたのは、第一次世界大戦後の1920~1944年。その間の1939年に、この住吉神社が建立されました。当時は、日本から来た移民の人たちが神社でお参りしたり、夏祭りも開催したりしていたそう。

太平洋戦争でテニアン島は激戦地となり、その時に住吉神社の社殿などは破壊されてしまいましたが、戦後に再建されました。鳥居は戦火を免れ、当時の姿を残しています。

また、神社名の碑には「天仁央(テニアン)神社」と記されています。

サンホセ教会

Ⓒドラマ「地球の歩き方」製作委員会
住所
XJCF+5MQ, San Jose, Tinian 96952
アクセス
テニアン国際空港から車で10分

住吉神社

住所
XJ6X+PC9, San Jose, Tinian 96952
アクセス
テニアン国際空港から車で15分

原爆と関係が深いエイブル滑走路へ in テニアン島

美穂さんとクリスさんからお話を伺い、かけがえのない時間になりました
Ⓒドラマ「地球の歩き方」製作委員会 美穂さんとクリスさんからお話を伺い、かけがえのない時間になりました

美穂さんが最後に案内してくださったのは、アメリカ軍の基地「ハゴイ空軍基地」。

この基地には、約3000mの滑走路「エイブル滑走路」が4本あります。このエイブル滑走路は、太平洋戦争末期、原爆を搭載したB-29 爆撃機が広島と長崎へ向けて飛び立った場所として知られています。

美穂さんとの貴重な出会いを経てテニアン島にたどり着き、戦争の歴史が刻まれた場所を巡っていくなかでサイパンの方々の考え方や思いに触れ、忘れられない旅になりました。

エイブル滑走路

住所
North Field , Tinian MP 96952
アクセス
テニアン国際空港から車で15分

マイクロビーチでサイパンの旅を振り返る

旅の終わりに、「地球の歩き方」ライターの原さんのお父さんが旅の記録に「七色のビーチ」と記していたマイクロビーチを訪れることに。
サイパン島のビーチのなかで最も美しく、1日のうちに7回も色が変わるといわれていて、朝から晩まで異なる表情を見せます。サンゴ礁に囲まれた、波が穏やかな遠浅のビーチなので、子ども連れの観光客の方もよく訪れているそう。サイパンの最大の街・ガラパンに位置し、ビーチ付近にはホテルも多いので、アクセスもばっちりです。

今回の旅を通して、サイパンの皆さんと交流する中で、これまで自分のなかで見つけられなかった「生きること」とは何なのか、その答えが見えたような気がします。

Ⓒドラマ「地球の歩き方」製作委員会
夕暮れ時のマイクロビーチ
Ⓒドラマ「地球の歩き方」製作委員会 夕暮れ時のマイクロビーチ

マイクロビーチ

住所
Micro Beach Garapan
アクセス
サイパン国際空港から車で20分

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筆者

真夜中ドラマ「地球の歩き方」in サイパン

松本まりか

「七色の海と精霊特集 サイパン島~マニャガハ島~テニアン島」編 2024年2月24日、3月2日、9日放送

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