UK発、シューゲイズバンドSlowdive(スロウダイヴ)の「旅する中で快適に過ごす」ヒントとは?

公開日 : 2024年04月17日
最終更新 :
Photo Credit: Ingrid Pop
Photo Credit: Ingrid Pop

2024年3月11日の東京公演、13日の大阪公演を大成功に収めた伝説のシューゲイズ・バンドSlowdive(スロウダイヴ)。再結成後2枚目となる新アルバム『EVERYTHING IS ALIVE(エヴリシング・イズ・アライヴ)』を引っ提げての来日公演は大きな話題を呼びました。今回は、バンドメンバーのレイチェル・ゴスウェル(Vo/G)にオンライン・インタビューを実施。世界中をツアーで飛び回るアーティストならではの旅に役立つヒントや母国のイギリス、日本についていろいろ語っていただきました!

「今回のアジアツアーもハードスケジュール! 日本でいつか桜を見てみたいです」

アジアツアー前のイングランドの自宅にてオンラインインタビューに応じてくれたRachel Goswell Photo: Yurie Yoshimura
アジアツアー前のイングランドの自宅にてオンラインインタビューに応じてくれたRachel Goswell Photo: Yurie Yoshimura

ー お久しぶりです! アジアツアー前の貴重なお時間をありがとうございます。今どちらにいるのですか?

レイチェル・ゴスウェル(以下、レイチェル):ハーイ、ユーリ!(注釈:筆者名)久しぶりですね。元気でしたか?こちらは朝の10時で、ちょうど朝食をとっていたところです。今はイングランドの自宅にいます。息子の部屋でいくつかのインタビューを受けています。実はイングランドに帰国してからまだ2、3日しかたっていないのです。翌日には空港のホテルに行かなければならないのです。その後アジアツアーに出ます。

ー ハードなスケジュールですね。こちらはなんとか元気でした。実は私は2023年の12月にストックホルムから東京に戻って来て、1月のストックホルム公演を逃してしまったので、今回来日すると聞いて本当に嬉しかったです。また日本に戻ってきてくれてありがとうございます。

レイチェル:それはいいタイミングでしたね。残念なことに今回のアジアツアーもまた、たくさんの時間が取れないのです。

ー 実は今回の来日で、お渡ししたいものがあります。以前大阪の単独公演でお会いした時に、あなたの親友がシュウ ウエムラで働いていたことがあるとお聞きして、前回お渡ししたリップを気に入ってくださいました。そこで新しいメイクアイテムを特別にシュウ ウエムラのPRの方から預かっています!

レイチェル:わぁ、なんというご褒美。そう、私の親友のエマはロンドンのコヴェント・ガーデンのシュウ ウエムラの店舗で何年も働いていたのです。彼女はきっと嫉妬してしまうでしょう。(笑)

東京公演のバックステージにて。シュウ ウエムラのキヌケアグローアップのBR 793(グレイズドモミジ)を手に取るレイチェル。 Photo: Yurie Yoshimura
東京公演のバックステージにて。シュウ ウエムラのキヌケアグローアップのBR 793(グレイズドモミジ)を手に取るレイチェル。 Photo: Yurie Yoshimura

ー こちらのリップとアイシャドウは日本の自然や美をイメージした色味なんです。お渡しするリップは日本の植物、モミジをイメージした色で、アイシャドウは日本のお花見がインスピレーションとなった色なんだそうです。気に入って頂けたら嬉しいです。

レイチェル:ありがとうございます。私は植物や自然が大好きなので、日本の自然から着想を得たアイテムに出会えるなんて、とても嬉しいです。今回の来日では難しいかもしれないけれど、いつか日本の桜を見てみたいです。休暇をとって個人的に旅行ができればいいのですが。(笑)実は、単独公演を行うのは今回で2回目なんです。なので、日本に来られることを本当に嬉しく思います。

東京公演のバックステージにて。シュウ ウエムラのクロマティックス クワッド アイスカルプト
ハナミ スプリングを手に取るレイチェル。 Photo: Yurie Yoshimura
東京公演のバックステージにて。シュウ ウエムラのクロマティックス クワッド アイスカルプト
ハナミ スプリングを手に取るレイチェル。 Photo: Yurie Yoshimura

「機内ではノイズキャンセリングを装着して、無音になるのが好きです」

Photo credit: Parri Thomas
Photo credit: Parri Thomas

ー さて本題に入ります。ツアーで世界中を周るレイチェルから、旅に役立つヒントを教えていただけないでしょうか? マストで持ち歩くものだったり、恋しいものはありますか?

レイチェル:私の旅の必需品はAirPods Proですね。空港に着いたら、念のためノイズキャンセリングを入れておくんです。多くの場合は、音楽も何もなく、ただ静かにしていることが多いです。長距離の移動はストレスがたまりますから。なので、ノイズキャンセリングを装着して、ただ無音になるのが好きなんです。
それに、私たちはいつも旅をしているし、たくさんのコンサートをこなしているから、あまり音楽を聴かない傾向にあります。

でも旅行中はポッドキャストを聴くのが好きなんです。今は超常現象のポッドキャストを聴いています。イギリスの、ローカルな歴史が面白いんですよ。それが今のマイブームなんです。また、長距離移動のときは、携帯電話にいくつかダウンロードしおいて、観たい、聴きたいと思ったときに聴けるようにしておくんです。映画は場合によって機内で1、2本観る時もあります。

ー 最近、気に入った映画はありますか?
いくつかあります。残念ながら今はその映画の名前が思い出せないんです。今は朝でぼんやりとしています。

「自分がやるかもしれないことを念頭に置いて写真を撮っていると思う」

Photo Credit:  Ingrid Pop
Photo Credit: Ingrid Pop

ー 世界中を旅する中で時差の問題についてはどうやって対処していますか?

レイチェル:先日、友人とこの話をしていたんです。でも私たちはどこかで仕事をすることになったら、移動してそのままライブに放り込まれる生活になります。(笑)だから自然と時差に適応せざるを得ないのです。でも、家に帰るときはいつも、母国の時差に適応するのが難しいんです。

ー 時差ボケを調整するのが難しいのは帰国してからですか?

レイチェル:はい。息子の学校へ行く準備のために、朝7時に起きなければならないからです。

ー なるほど。では、自然に時差に慣れるというのは?

レイチェル:そうですね、両側から無理やり調整させられているようなものだと思います。一方はライブ、もう一方は家庭生活ですから。基本的にイングランドに戻るとママモードに戻るんです。

ー さて、質問の続きです。あなたにとって旅とは何ですか?

レイチェル:バンドのメンバーとツアー中にたくさん旅行したりしますから。自分たちの仕事をしながら世界中を旅できるのは素晴らしいことだと思います。
ツアー中はあまりオフの時間はとれないけど、その時その時で、どこにいるかにもよるけど、バンドメンバーといろんなところに行ってみたいと思っています。どんな街でも、ほんの数時間でもいいから見て回りたいのです。

あと、私は写真を撮るのが好きで、たくさんの写真を撮ることが多いです。私はもうひとつの創作活動をしていて、
数年前から始めたんだけど、ガラスで何かを作ることをしています。私の脳の半分は、将来のインスピレーションや、自分がやるかもしれないことを念頭に置いて写真を撮っていると思うのです。

ー それはフィルムのカメラですか、それとも特定のカメラや何かですか?

レイチェル:携帯電話なんですよ。

ー それぞれの国やその日のアルバムを作ったりしますか?

レイチェル:作りません。本当は作った方が良いのかもしれませんが。特に気に入ったものをお気に入りとして保存はしているんです。でも、同じように、家に帰ってから、撮った写真をスクロールして見るのもいいものですよ。
自分が行った場所を思い出すことができる。だから、アルバムを作るほど整理整頓はしていないんです。というのも、撮影するにも整理整頓が必要なんでしょうね。

Photo: Kazumichi Kokei
Photo: Kazumichi Kokei

ー 長いツアー中、恋しくなるものはありますか?

レイチェル:息子と猫です。
私の息子は耳が聞こえなくて、スペシャリティを持っているので、私たちがツアー中離れて暮らすことを伝えることができないんです。

今までに彼は何度か私たちのコンサートに行ったし、私の仕事ぶりを見てくれました。一番最近では、去年のグラストンベリーフェスティバルの公演の前に来てくれました。
彼は父親に連れてきてもらったんだけど、iPhoneのカメラを通してライブを見たいと言い出したんです。というのも、明らかにステージ上と家での生活とでは、私の見た目が全然違っていたから。それはとても面白い経験でした。でも、私たちは離れていてもFaceTimeで連絡を取り合っているんです。
なので、「ママはツアーで今は家にいないんだ」ということを理解してもらえるといいんですが。ああ、ベン(レイチェルの息子の名前)と猫が恋しいです。

ー 地元でお気に入りの、またはおすすめの場所はありますか?

レイチェル:私はイングランドの本当に小さな村に住んでいるんです。パブもお店も1軒しかないような場所です。
なのでツアーの生活とは正反対なんですよ。自然に囲まれていて、毎日散歩するのが好きです。緑と新鮮な空気、きれいな空気が恋しくなります。都会は清潔さや空気の新鮮さに欠ける傾向があります。でも、その両方がとても恋しいのです。

昨年9月にツアーを再開したときに、それをより実感しました。それに、長いツアーをやるのはかなり久しぶりだったからです。きれいな空気や自然が恋しくなっていることにすぐに気づいたのです。自然と公園や植物園に引き寄せられるのです。緑のドーパミンを得るために。

「世の中に出て、人々が楽しんでいるのを見ると、人間の本性に対する信頼が回復する」

2024年3月11日 スロウダイヴ東京公演の様子 Photo: Kazumichi Kokei
2024年3月11日 スロウダイヴ東京公演の様子 Photo: Kazumichi Kokei

ー 今回のアジアツアーで気になっていることはありますか?

レイチェル:アジアツアーでは、年齢層がどうなっているのか気になっています。これまで演奏してきたどこの国でも、観客の年齢層はまちまちで、ティーンエイジャーが多かった。私たちにとっては驚きだったのです。どの都市でもそうでしたから。それは本当に楽しいことであり、明らかに新しいことのように思います。

ー スロウダイブは若い人たちにとって新しい経験なのでしょうね。

レイチェル:そうですね。もちろん私たちと同年代の人たちもいます。なので、複雑です。場所によってはすごく若い人もいます。他のバンドがそうであるように、ファン層が特殊なのです。女の子も多いし、独特なヘアスタイルやメイクの子もいる。それが見ていて楽しいです。またツアーに出て、みなさんに会うことができて、ニュースを広めることができて最高です。このような困難な時代だから、なおさらだと思います。

ー 今までの私の経験でも、あなた達のコンサートに感激して泣いている人を見たことがあります。それも一回だけではありません。

レイチェル:ライブで泣いている人たちがいるーー。それはとても感動的でした。でも、喜びや幸せもたくさんありました。世の中に出て、人々が楽しんでいるのを見ると、人間の本性に対する信頼が回復するように感じます。
私たちがまだこうして活動できていること、そしてそれを楽しんでいることに幸運を感じるんです。

ー ところで、音楽ファンにおすすめする、イングランドのおすすめスポットはありますか?

レイチェル:私の住んでいるところは小さな村で、村の商店とパブが1軒ずつあるだけで、何もないんです。エクセターが一番近い街で、クリエイティブなシーンがとても活発です。
エクセターには美しい大聖堂がある街なのですが、そこもまた、とても小さな街なんですよ。今住んでいる場所からたった3マイルしか離れていません。エクセター大学もあります。また、オルタナティヴ・シーンも充実しています。

レコードはオンラインで買うことが多いのですが、デヴォンのちょっと先にあるDrift Recordsというインディペンデントのレコード・ショップがあります。トットネスというところにあるんです。

トットネスってすごくオルタナティブなコミュニティなのです。小さな町ですが、個人商店がたくさんあって、独自の通貨もあるんですよ。数年前、チェーン店のコスタ・コーヒーがこの町に進出しようとしたのですが、地元の人たちは反対して、撤退してしまったんです。なので、そこにはインディペンデントな雰囲気があります。

ー トットネス、とても気になります。ありがとうございます。最後に日本のオーディエンスへメッセージをお願いします!

レイチェル:私たちは来日するのを楽しみにしています。そして、また会いましょう。可能ならば、頻繁に日本に来れたら嬉しいです。

筆者

スウェーデン特派員

Yurie Yoshimura

2021年7月よりスウェーデンへ移住し、現在はストックホルム在住。旅と音楽とスキンケアを愛する。

【記載内容について】

「地球の歩き方」ホームページに掲載されている情報は、ご利用の際の状況に適しているか、すべて利用者ご自身の責任で判断していただいたうえでご活用ください。

掲載情報は、できるだけ最新で正確なものを掲載するように努めています。しかし、取材後・掲載後に現地の規則や手続きなど各種情報が変更されることがあります。また解釈に見解の相違が生じることもあります。

本ホームページを利用して生じた損失や不都合などについて、弊社は一切責任を負わないものとします。

※情報修正・更新依頼はこちら

【リンク先の情報について】

「地球の歩き方」ホームページから他のウェブサイトなどへリンクをしている場合があります。

リンク先のコンテンツ情報は弊社が運営管理しているものではありません。

ご利用の際は、すべて利用者ご自身の責任で判断したうえでご活用ください。

弊社では情報の信頼性、その利用によって生じた損失や不都合などについて、一切責任を負わないものとします。