ケプラー・トラック

Kepler Track

ケプラー・トラックは、テ・アナウ湖と、その南に位置するマナポウリ湖との間にそびえる山々の連なりを巡る約60kmの周回ルート。氷河や広大なU字谷、ブナの森など、バラエティに富んだ風景、高度感、そしてテ・アナウの町からのアクセスの便利さなどから人気は高い。 
スタート地点はテ・アナウ湖畔のケプラー・トラック・シェルターKepler Track Shelterの駐車場と、ふたつの湖を結ぶワイアウ川に架かるレインボー・リーチRainbow Reachの2ヵ所。ほかにテ・アナウからボートを利用してブロッド・ベイBrod Bayまで行き、そこから歩き始めることもできる。トラック一周は3〜4日間で歩くことができるが、体力や経験、天候にも左右される。ほとんどの人は4日間必要だ。また、レインボー・リーチからマナポウリ湖に沿ってのデイウオークも楽しめる。トレッキングのシーズンは10月下旬~4月末。

ケプラー・トラックの歩き方

全長約60kmのトラックのうち、ブロッド・ベイBrod Bayからマウント・ラクスモアMt. Luxmoreを経てアイリス・バーン小屋Iris Burn Hutまでの約22.8kmの区間は、累積高度差1400m近くを登ったあと、すぐに1000mを下るというハードな行程だ。その後の約35kmは高度差がわずか300mほどと、ペース配分が極端に異なるルートとなっている。なかでも最も急なのは、ハンギン・バレー・シェルターからアイリス・バーン小屋までの区間。ここの上りを避けるため、ケプラー・トラック・シェルターの駐車場から反時計回りに歩く人が多い。この場合1泊目はラクスモア小屋、2泊目はアイリス・バーン小屋に泊まる2泊3日、あるいはそれにモトゥラウ小屋泊を加えた3泊4日で、トラックが一周できる。

個人ウオークの行程

ケプラー・トラックには、3ヵ所の山小屋が設けられている。夏季は管理人常駐で、ガスコンロなどがある。10月下旬~4月末の夏季ウオーキングシーズンは予約制。料金は1泊につき$102。ブロッド・ベイとアイリス・バーンではキャンプも可($32)。夏季は混雑気味なので早めの到着を。

ケプラー・トラック・シェルター(駐車場)→ブロッド・ベイ→ラクスモア小屋

(約13.8km、所要5〜6時間) 
テ・アナウ湖沿いに北上する。ブロッド・ベイからはうっそうとした森に入り、しだいに高度が上がる。途中では大きな石灰岩の絶壁も見ることができる。やがて森林限界に出ると、突然視界が開け、晴れた日ならテ・アナウ、マナポウリのふたつの湖を眼下に望むことができる。ここから緩やかな広い稜線上を45分ほど登り、ラクスモア小屋へ。立派な造りの山小屋で、テラスから望むテ・アナウ湖の眺めもすばらしい。山小屋の近くには鍾乳洞があるので、立ち寄ってみるのもいい。ただし全長は1km近いといわれるほど長く真っ暗なので、安易に奧深くまで入るのは危険だ。懐中電灯が必要。

ラクスモア小屋→アイリス・バーン小屋 

(約14.6km、所要5〜6時間) 
マウント・ラクスモアの山頂は、メインのトラックを外れ、岩がちな斜面を10分ほど登った所にある。再びメインのトラックに戻り、しばらく下るとフォレスト・バーン・シェルターに到着。ここを過ぎるとケプラーのハイライトともいえる細い稜線の区間が始まる。稜線上に連なるアップダウンが続くため楽ではないが、高度感のある眺めがすばらしい。好展望を楽しみながらハンギン・バレー・シェルターへ。この区間の狭い稜線は完全な吹きさらしのため、風雨が強いとつらい歩行となる。 
やがてアイリス・バーンの谷を見下ろす展望地を最後に、道は樹林帯に向かって急降下していく。森の中を急なジグザグで一気に下っていくとアイリス・バーン小屋に到着だ。

アイリス・バーン小屋→モトゥラウ小屋 

(約16.2km、所要5〜6時間) 
アイリス・バーン小屋を出てすぐ、小さな尾根を越える区間があるが、あとはおおむね森の中を緩やかに下る道。途中の平地からは1984年に起きた地滑り跡を見ることができる。やがてマナポウリ湖の水辺近くに立つモトゥラウ小屋へ。山小屋から約6.2km進んだレインボー・リーチRainbow Reachでは、テ・アナウ行きのシャトルバスに乗れるため、ここで2泊3日の行程を終わらせる人も多い。しかし、モトゥラウ小屋は湖に面した快適なロケーションにあるので、できればここで1泊の余裕をもちたい。

モトゥラウ小屋→レインボー・リーチ→ケプラー・トラック・シェルター(駐車場)

(約15.5km、所要4〜5時間) 
ワイアウ川に沿ったフラットな森林ウオークで、ルート一周を完歩。コントロール・ゲートからテ・アナウの町へは徒歩約50分。

日帰り〜1泊トレッキング

テ・アナウからのショートトレックとしては、ラクスモア小屋への往復がおすすめ。所要8〜10時間で日帰りも可能だが、ラクスモア小屋に1泊するプランもいい。日帰りの場合、時間を短縮するため、往路(または復路も)にテ・アナウの町からブロッド・ベイまでボートを利用するといい。ブロッド・ベイから山小屋へは往復7〜9時間ほどかかる。山小屋からさらにラクスモア山頂を目指すには、往復で1時間ほど必要となる。もうひとつのルートはレインボー・リーチからモトゥラウ小屋までの往復コース。片道約6kmで、往復3〜4時間ほどの行程だ。

おもなバス会社 

Tracknet
電話番号
(03)249-7777
ニュージーランド国内の無料通話の電話番号
0800-483-262
テ・アナウ〜ケプラー・トラック・シェルター駐車場
運行時間
夏季 9:30、14:20発の1
日2便(リクエストによっては8:45、15:40発もあり)
料金
片道$9
テ・アナウ〜レインボー・リーチ
運行時間
夏季 9:30、14:20発の1日2便(リクエストによっては15:40発もあり)
料金
片道$17

ブロッド・ベイのボート 

Kepler Water Taxi
運行時間
夏季 8:30、9:30、10:30発の1日3便
料金
$25
チケットはTracknetまたはFiordland Outdoorsで購入可能。
トラックのスタート地点
トラックのスタート地点

ケプラー・トラックのガ イド付きウオーク

Trips & Tramps
電話番号
(03)249-7081
料金
日帰りハイク大人$340~、子供$250~
ジェットボートと組み合わせた日帰りハイクなど初心者でも気軽に参加できるプランが豊富。

ケプラー・トラックの 山小屋

冬季の山小屋の利用は予約不要。料金は1泊$15〜25、キャンプの場合は$5かかる。

写真

  • 石灰岩の絶壁を見上げる

    石灰岩の絶壁を見上げる

  • ハンギン・バレー・シェルター。ここも眺めがいい

    ハンギン・バレー・シェルター。ここも眺めがいい

  • ラスクモア小屋からはテ・アナウ湖の展望がいい

    ラスクモア小屋からはテ・アナウ湖の展望がいい

  • 細い稜線上をアップダウンを繰り返しながら進む

    細い稜線上をアップダウンを繰り返しながら進む

  • 稜線上の一部にはかなり急で長い階段がかけられている

    稜線上の一部にはかなり急で長い階段がかけられている

基本情報

ケプラー・トラックへのアクセス
テ・アナウのDOCフィヨルドランド国立公園ビジターセンターから約5kmの所にあるケプラー・トラック・シェルターの駐車場から歩き始めるのが一般的。夏季はトラックネットTracknet社がシャトルバスを運行。テ・アナウから約12km離れたレインボー・リーチまで行く便もある。
最終更新 :

【記載内容について】

「地球の歩き方」ホームページに掲載されている情報は、ご利用の際の状況に適しているか、すべて利用者ご自身の責任で判断していただいたうえでご活用ください。

掲載情報は、できるだけ最新で正確なものを掲載するように努めています。しかし、取材後・掲載後に現地の規則や手続きなど各種情報が変更されることがあります。また解釈に見解の相違が生じることもあります。

本ホームページを利用して生じた損失や不都合などについて、弊社は一切責任を負わないものとします。

※情報修正・更新依頼はこちら

【リンク先の情報について】

「地球の歩き方」ホームページから他のウェブサイトなどへリンクをしている場合があります。

リンク先のコンテンツ情報は弊社が運営管理しているものではありません。

ご利用の際は、すべて利用者ご自身の責任で判断したうえでご活用ください。

弊社では情報の信頼性、その利用によって生じた損失や不都合などについて、一切責任を負わないものとします。