【スペイン 旅の最新事情】旅の準備や出入国の流れを詳細解説

公開日 : 2022年08月22日
最終更新 :
夏のイベントもノーマスク&ノーソーシャルディスタンスに©VisitValencia
夏のイベントもノーマスク&ノーソーシャルディスタンスに©VisitValencia

スペインの町を歩くともうマスク姿の人は見られません。大勢の人が集まるイベントもノーマスク、夏なので主に欧州各国からの観光客も目立ち、コロナ前と変わらない風景が広がっています。日本の入国規制が緩和されたことで、日本からの出張者や観光客が少しずつ増え始めています。とはいっても、コロナ前のようにパスポートと航空券さえあれば移動できる状況には戻っていません。そこで、ここでは23年1月現在の、スペイン入国、および日本入国の最新事情をお届けいたします。

航空業界は減便、値上げ、そして飛行時間の延長

航空業界は減便、値上げ、そして飛行時間の延長
スペインへの旅の第一歩は、航空券の購入から

入国だ出国だと心配する前に、まずは航空券を買わないといけませんね。日本―スペイン間唯一の直行便(イベリア航空)は現在運航していません。欧州や中東都市で乗り継ぎが必要となります。便数がかなり減っていることもあり、希望日は満席ということも。また、航空券を買った後に欠航になるケースも相次いでいます。その場合、航空会社都合なので違う便に振り替えてもらえますが、便数が少ないので希望日時にはならない可能性があります。燃油サーチャージの高騰で、航空券も高くなりました。

ウクライナとロシアの戦争の影響で、航路も変わっています。欧州で乗り継ぐ便の場合、スペインから日本に向かう時は、ロシアを避けて中央アジアを通過し中国上空を通るようです。飛行時間は以前より少し長いだけですが、日本から欧州に行く際は北回りになり飛行時間が数時間長くなります。機内ではマスクの着用が義務付けられています。少し前までは機内はガラガラだったものの、最近は満席のこともあるそうです。

正確で有効な情報は各国大使館から

正確で有効な情報は各国大使館から
日本出国前に、必要な手続きや証明書をよく確認しておこう

さて、日本からスペイン旅行に行く場合、何を用意すればいいのか。インターネット上で様々な情報が飛び交っていますが、間違っていたり古い情報だったりすることもあるので注意が必要です。信頼できるのはやはり駐日スペイン大使館。HPのニュースのところにとても詳しく書かれています。

◎駐日スペイン大使館 スペインへの入国条件
・URL: https://www.exteriores.gob.es/Embajadas/tokio/ja/Comunicacion/Noticias/Paginas/Articulos/20220525_NOT02.aspx

用意するのは、新型コロナウィルスのワクチン接種証明書か陰性結果証明診断書、回復証明書のいずれかひとつ。それと、日本のお住まいの皆さまはEU発行のコロナウィルス関連書類はお持ちではないと思いますので、出発前にスペイントラベルヘルス(Spain Travel Health=SpTH)のWEBかアプリ上で健康管理フォームに記入し、スペイン到着時に必要なQRコードを入手する必要があります。

ただ、直行便はないので乗り継ぎ国のルールでほかに必要なものがあるかもしれません。その場合は、同じように日本にあるその国の大使館が発信する情報を探してください。

ワクチン3回目が接種済みであれば、検査証明は不要

日本への再入国に必須なのは陰性証明書
帰国前のPCR検査は、スペイン出国前72時間以内に

楽しいスペイン滞在の後、少々複雑なのが日本入国なのですが、ここで頼れるのは在スペイン日本国大使館。特にバルセロナの総領事館のHPにわかりやすい説明があります。

◎在バルセロナ日本国総領事館 スペインから日本への帰国・入国について
・URL: https://www.barcelona.es.emb-japan.go.jp/itpr_ja/11_000001_00050.html

現在、スペインから日本への再入国に際してはワクチンを3回接種していれば、陰性証明は不要です。

ワクチン接種をしていない方はRT-PCR検査の陰性証明書が必須となります。スペイン出国前72時間、つまりスペインを出るフライトの出発時刻からさかのぼって72時間以内に検査を受けなければいけません。厚生労働省が指定する陰性証明の用紙をダウンロードして、そこに記入してもらうのが確実です。それができない場合は、厚生労働省が定める記載すべき内容がすべて書かれている必要があります。記載漏れが原因で、せっかく日本に着いたのに入国を許可されたかったケースも多々あるそうです。スペインに行かれる際は、あらかじめ日本に帰る前にどこで検査ができるか確認することを強くオススメします。

ファストトラックで楽になった日本入国

今年2月に始まったファストトラックで楽になった日本入国
楽しかったスペインの思い出を胸に、日本に帰国

2022年までは、日本に到着すると書類のチェックや提出にいくつもの窓口に並び、唾液検査をして結果を待つ必要があったため、パスポートコントロールで入国許可されるまでに4時間、5時間とかかっていました。現在ではスペインからの入国者の唾液検査は免除され、22年に導入されたファストトラックのお陰でスムーズに入国ができるようになりました。

◎ファストトラックとは
・URL: https://www.hco.mhlw.go.jp/fasttrack/

MySOSのアプリを携帯にダウンロードし、必要事項に記入のうえ、ある場合は有効なワクチン接種証明書、そしてRT-PCR検査の陰性証明書をアプリから送ると、事前に審査をしてくれるのです。審査が終わると、赤かったMySOSの画面が青か緑になります。日本の空港でこの画面を見せるだけで、立ち止まって書類を見せたり提出することなく進んでいくことができます。先ほどご紹介したバルセロナ総領事館のHPには日本到着日時の16時間前までに事前審査を申請とありますが、今現在ファストトラックのHPを見ると6時間になっています。

画面が青や緑にならなくとも、必要な書類さえあれば、時間はかかっても入国できますのでご安心ください。入国後は、空港から公共の交通機関を使って移動ができますし、自宅での待機もありません。

今またスペインでも日本でも少しずつ感染者数が増えていますが、緩和された規制が再び厳しくならないことを願うばかりです。

[2023年3月追記]
MySOSの取り扱いは、2023年1月13日をもって終了しました。日本入国のための検疫手続き(ファストトラック)は「Visit Japan Web」をご利用ください。
・URL: https://www.hco.mhlw.go.jp/

旅のバイブル「地球の歩き方」ガイドブック

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※当記事は、2023年1月現在のものです

TEXT: 田川敬子 
PHOTO: iStock、バレンシア観光局

筆者

地球の歩き方書籍編集部

1979年創刊の国内外ガイドブック『地球の歩き方』の書籍編集チームです。ガイドブック制作の過程で得た旅の最新情報・お役立ち情報をお届けします。

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