はじめてのアンダルシア旅行でおさえたい必見スポットはここ!!

公開日 : 2023年01月18日
最終更新 :

フラメンコに闘牛、ひまわり畑、白い家、そして陽気な人々と私たち日本人のイメージするスペインがアンダルシア。アンダルシア州はスペイン南部に位置する計8県からなる広い自治州で、見どころが点在しているためじっくり見てまわるには相当の日数が必要です。ここでは、はじめてのアンダルシア旅行でおさえておきたいメインとなる見どころについてお話しします。

セビーリャの大聖堂は世界で3番めに大きなキリスト教寺院

アルカサルにある乙女の中庭 ©iStock
アルカサルにある乙女の中庭 ©iStock

はじめてのアンダルシアなら訪れたいのはやはりセビーリャ、コルドバ、グラナダのアンダルシア三都。それぞれが素晴らしい世界遺産を抱える美しい町です。まずは昔から訪れる人を魅了し、オペラの『カルメン』や『セビリアの理髪師』の舞台になったセビーリャからいきましょう。

16世紀のはじめに完成したセビーリャの大聖堂は、キリスト教寺院としては世界3位の規模を誇ります。堂内にはコロンブスの墓があるほか、ムリーリョやスルバラン、ゴヤといったスペイン絵画の巨匠の宗教画も。隣接するヒラルダの塔はセビーリャのシンボルで、高さは97m、もともとはイスラム寺院のミナレットでした。高さ70mのところにある展望台からの眺めは壮観です。

大聖堂のすぐ近くにあるアルカサルは、この地がイスラム教徒に支配されていた9~11世紀に使われていた宮殿で、キリスト教徒の支配に戻った後、14世紀にイスラム文化を愛するペドロ1世王の命による大改修で麗しく生まれ変わりました。庭園もあるので、時間があればぜひ散策を。

大聖堂とアルカサル、そしてこの2つのスポットの真ん中に位置するインディアス古文書館はまとめて世界遺産に登録されています。これらの東側には昔のユダヤ人居住区だったサンタ・クルス街があり、白壁の家々や細い迷路のような小道が旅気分を盛り上げてくれます。

時間があればぜひスペイン広場もお訪ねください。広い半円形の広場にはムデハル様式の建物があり、その下にはスペイン各県を描いた色鮮やかな陶器タイル画があります。また、ボートに乗れる池にかかった橋の欄干も陶器製で見事です。

また、セビーリャはフラメンコが盛んな町で、フラメンコ舞踊博物館もあります。セビーリャ滞在の夜にはぜひともタブラオ(お酒や食事を楽しみながらフラメンコを観るところ)に繰り出し、本場のフラメンコを楽しみたいですね。

セビーリャから1時間ほどで郊外にひまわり畑が広がるカルモナやシェリー酒の産地へレス・デ・ラ・フロンテーラにも足を延ばすことができます。移動時間が長くなりますが、カディスやアルコス・デ・ラ・フロンテ―ラにも日帰りが可能です。

イスラム教文化とキリスト教文化が融合したコルドバのメスキータ

厳かな空気が流れるメスキータ内部 ©iStock
厳かな空気が流れるメスキータ内部 ©iStock

コルドバには世界遺産が2つあります。コルドバでもっとも人気の観光スポット、メスキータのある歴史地区、そして郊外にあるイスラム時代の遺跡メディナ・アサアラです。

メスキータは現在キリスト教の大聖堂として使われていますが、もとはイスラム寺院でした。キリスト教徒がコルドバを奪回した後に改修されたものの、ミフラーブ(聖地メッカの方向にある壁につくられた窪み)などイスラム様式も残されており、2つの異なる文化が融合したほかに類を見ない寺院です。

メスキータの近くにある有名な花の小道 ©iStock
メスキータの近くにある有名な花の小道 ©iStock

メスキータの周辺には花の鉢を飾った白壁の家が立ち並び、その間を細い道が入り組んだ旧ユダヤ人街があります。バルやレストラン、お土産屋さんが点在しているので、ぜひ散策をお楽しみください。

ほかには、14世紀に建てられた城で美しい庭園のあるアルカサル、12もの美しいパティオ(中庭)を持つ旧貴族の邸宅ビアナ宮殿などの見どころがあります。

メディア・アサアラへはバスで20分ほどですが、1日ほんの数便しか運行していないので時刻表のチェックをお忘れなく。

イスラム芸術のすばらしさを伝えるアルハンブラ宮殿

ナスル宮殿にあるライオンの中庭 ©iStock
ナスル宮殿にあるライオンの中庭 ©iStock

セビーリャやコルドバよりもさらにイスラムの名残を感じさせるグラナダ。それもそのはず、イスラム教勢力のイベリア半島最後の砦が1492年まで続いたグラナダ王国だったのです。

そのイスラム芸術のすばらしさを現代に伝えるのが、丘の上に立つアルハンブラ宮殿。スペインでもっとも入場者数の多い観光スポットのひとつです。アルハンブラ観光は幻想的なアラビアンナイトの世界が広がるナスル宮殿、夏の別荘ヘネラリフェ、バルタル庭園、要塞のアルカサバ、そしてキリスト教徒の時代になってから建てられたカルロス5世宮殿をまわることになるので、少なくとも半日は必要です。また、入場人数が制限されているため、特にハイシーズンはチケットの入手が難しいことで知られています。必ず事前予約をして行きましょう。3か月前から予約が可能です。

気ままに散策したいアルバイシン地区

アラブの国に迷い込んだようなカルデレリア・ヌエバ通り ©iStock
アラブの国に迷い込んだようなカルデレリア・ヌエバ通り ©iStock

アルハンブラの向かいの丘には、グラナダでもっとも古い町並みが残るアルバイシン地区があります。細い石畳の道が複雑に入り組み、歩いているだけでわくわくします。アルバイシン地区に来たらお約束なのがサン・ニコラス展望台。ここから眺めるシエラ・ネバタの山々を背にしたアルハンブラ宮殿の美しさはなんとも言えません。アルバイシンの丘に登る道のひとつ、カルデレリア・ヌエバ通り(Calderería Nueva)は狭い坂道の両脇にアラブ茶屋やアラブ料理レストラン、アラブの雑貨などを売るお店が並んでいます。エキゾチックな雰囲気を味わいに足を延ばしてみませんか?

ほかには、18世紀初頭に完成した大聖堂や、イスラム勢力からグラナダを奪回したカトリック両王が眠る王室礼拝堂などの観光スポットがあります。また、アルバイシン地区やサンクロモンテ地区には、ロマ族の洞窟住居を改装したタブラオがあり、フラメンコを観ることもできます。グラナダでは飲み物を頼むと無料のタパスがついてくるバルが多いので、ぜひ行ってみてくださいね。

アルハンブラ、ヘネラリフェ、アルバイシンはまとめて世界遺産として登録されています。

セビーリャ、コルドバ、グラナダへのアクセス

アンダルシアには白く美しい小さな町が点在する ©iStock
アンダルシアには白く美しい小さな町が点在する ©iStock

ピカソの生まれ故郷で開放的な港町のマラガ、ルネサンス香る世界遺産の町ウベダとバエサ、ヨーロッパでもっとも古い町のひとつに数えられるカディス、そしてあちこちにある小さな白い町などなど、アンダルシアの見どころを挙げると枚挙にいとまがありません。1回きりでなく、何度も足を運んでいただきたいものです。

最後にアンダルシア3都市のアクセスですが、マドリードからスペイン版新幹線のAVEでセビーリャへは2時間半、コルドバへは1時間45分、そしてグラナダへは3時間半。また、同じくAVEでセビーリャーコルドバ間は45分。コルドバーグラナダ間は1時間半、セビーリャーグラナダ間は2時間半~3時間の距離になります。

筆者

スペイン特派員

田川 敬子

東京生まれの東京育ち。オリーブオイル専門家としてスペインと日本で活動するほか、複数のウェブサイトにスペイン情報を寄稿。

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