【ドイツ】レーゲンスブルクの大聖堂

公開日 : 2023年06月30日
最終更新 :

レーゲンスブルクの目玉の一つは言わずと知れた大聖堂。
1273年から建築開始されたこの大聖堂は、この地に立つ3代目の大聖堂です。
ドイツにはいくつもの立派な大聖堂があり、それぞれ素敵なのですが、ここレーゲンスブルクのものも是非見ていただきたい大聖堂の一つです。

絵葉書の写真としては、典型的レーゲンスブルクのモチーフの一部となる大聖堂(撮影2023年5月)
絵葉書の写真としては、典型的レーゲンスブルクのモチーフの一部となる大聖堂(撮影2023年5月)

ゴシックの大聖堂

大聖堂南側
大聖堂南側

2代目の大聖堂が火災にあった翌年、1273年に着工。2代目の大聖堂を壊して瓦礫の上に建てたので、全体的に高い位置にあり、入口まで階段を登っていく形です。
建設開始当時は経済的に栄えていたのですが、何百年もの年月とともに状況は変化し、アウグスブルクやニュルンベルクなど近郊の町で手工業が発達するのに相反し、レーゲンスブルクはどんどんさびれていきました。
そんな中、当初の予定をまっとうすることなく16世紀に一旦工事を終えることになりました。
この時、西側正面入口の上にある双子の塔は、現在のものと比較するにも及ばない低いものでした。

そして19世紀、ルートヴィヒ1世により完成させるとともに、歴史の中で変化していった部分を元のゴシックの形に戻すことになりました。双子の塔も、ルートヴィヒ1世のおかげで、高さが105mの現在の姿に完成されました。
尚、この塔が完成したのは、ケルン大聖堂の完成の8年前のこと。当時は最も高い大聖堂の塔でした。(ケルンは176m)

ステンドグラスに注目

レーゲンスブルクの大聖堂に入っての最初の感想は、「暗い」ではないでしょうか。
私もいくつものゴシックの教会、大聖堂に入ってみているのですが、レーゲンスブルクのものは本当に暗いんです。でも、それが重厚感というか、神秘的というか、なんとも言えない雰囲気を醸し出している、と思うのは私がレーゲンスブルクのファンだからでしょうか。

ゴシック建築は、大きなステンドグラスを組み込んでも建物の重さに耐えられる建築様式なのです。ですから普通はこんなに暗いイメージではないのですが。
暗くてあまり見えないな、と思われるなら、一旦静かに両目を閉じ、1分ほど待ってから再び目を開けて見てください。暗闇に慣れた目には、少ない光でも先ほどよりしっかり見えるようになっているはずです。

まずはステンドグラスに注目してみましょう。南側にあるステンドグラスは古い物ばかり。
最も古いのは、12世紀のもので、それは、2代目の大聖堂から取り外してこちらに嵌め込まれたと言われています。祭壇に近い方が古く、西に行くに従って新しい物ですが、東から3つがロマネスクのもの、つまり2代目の大聖堂の時代のものです。
ガラスの色は、元々赤や青、黄色などはっきりした色でした。時と共にガラス作りの技術も向上し、様々な色を生み出すことが出来るようになりました。そして紫や少しくすんだ色合いのガラスも製作されていきます。

一方、西側(入口の上)にあるステンドグラスは全くスタイルが違います。
これらは19世紀のもので、ルートヴィヒ1世が作らせました。
古いステンドグラスは1枚のガラスに1つの色しか付けることができませんでしたが、新しいものは1つのガラスに色々な色を重ねていくことが可能になったのです。

これら貴重なステンドグラスは、戦時中取り外されて保管されました。現在、オリジナルのステンドグラスの外側には普通のガラスが保護のためにはめられています。

大聖堂のステンドグラス
大聖堂のステンドグラス

世界一の大きさを誇る、吊り型式パイプオルガン

あら、パイプオルガンはどこ?と探すと、ちょっと珍しい場所に設置してあります。
普通は、祭壇から最も遠い壁の中二階にありますが、このレーゲンスブルクの大聖堂の場合、そこには大きなステンドグラスがあります。ですからパイプオルガンのための場所がないのです。
代わりに、祭壇に向かって左側の壁にかけられています。実は結構新しいもので、2009年の作品。

吊り型式のオルガンで、直径30mmの4本の綱で重さ36.7トンのオルガンを吊っているのです。これは吊り型式パイプオルガンの中では世界最大のものです。
実は演奏台がその中央部にあるのですが、そこに演奏者がたどり着くためには、見え隠れするエレベーターを利用します。

オルガンコンサートというのも勿論あります。すでに今年のコンサートシリーズは始まっていますが、気になる方はDomplatz 5にお問い合わせください。大人1人10ユーロです(600席あります)。

大聖堂のオルガン。大聖堂の雀達が歌う時はここで演奏され、吊り型式オルガンに電子的に接続される。
大聖堂のオルガン。大聖堂の雀達が歌う時はここで演奏され、吊り型式オルガンに電子的に接続される。
5月31日
Johannes Weber氏 (Regensburg)、Henri Böhme氏 (Dingolfing)
6月7日
Franz Josef Stoiber氏 (Regensburg)
6月14日
Andreas Jetter氏 (Chur)
6月21日
David Briggs氏 (New York)
6月28日
Tobias Aehlig氏 (Paderborn)
7月5日
Matthias Giesen氏 (Linz)
7月12日
Istvan Bán氏 (Budapest)
7月19日
Kristian Schneider氏 (Elmshorn)
7月26日
Franz Josef Stoiber氏 (Regensburg)

回廊は長年の修復後、再び公開開始

2015年5月から修復されていた回廊が、やっと完成。7年の月日と6,900万ユーロ(約100億円)を費やしての改築でした。

毎日ガイド付きツアーがこの4月半ばからスタートしました。大聖堂のすぐ南にDomplatz5というインフォメーションセンターがあり、チケットが購入できます。所要時間約75分で大人8ユーロ、または大聖堂とのコンビチケットが10ユーロになります。。
0

ダブルの回廊があるレーゲンスブルクの大聖堂
ダブルの回廊があるレーゲンスブルクの大聖堂
床一面こんな状態
床一面こんな状態

たくさん写真をご紹介したいところですが、我慢。単なる回廊でなく、とても古い祭壇など、また素晴らしい壁画や美しい部屋など、見るものはたくさん。お時間があれば、是非足を運んでみてください。

【記載内容について】

「地球の歩き方」ホームページに掲載されている情報は、ご利用の際の状況に適しているか、すべて利用者ご自身の責任で判断していただいたうえでご活用ください。

掲載情報は、できるだけ最新で正確なものを掲載するように努めています。しかし、取材後・掲載後に現地の規則や手続きなど各種情報が変更されることがあります。また解釈に見解の相違が生じることもあります。

本ホームページを利用して生じた損失や不都合などについて、弊社は一切責任を負わないものとします。

※情報修正・更新依頼はこちら

【リンク先の情報について】

「地球の歩き方」ホームページから他のウェブサイトなどへリンクをしている場合があります。

リンク先のコンテンツ情報は弊社が運営管理しているものではありません。

ご利用の際は、すべて利用者ご自身の責任で判断したうえでご活用ください。

弊社では情報の信頼性、その利用によって生じた損失や不都合などについて、一切責任を負わないものとします。