【スコットランド】暮らしているからこそわかる、海沿いの町リーブンの魅力

リーブンは人口8000人ほどのこぢんまりとした住宅街です。この町の歴史は古く、15世紀には海岸沿いの町として建造物が建てられていたようですが、本格的に発展したのは1800年代に入り、鉄道が通るようになってからのようです。

町の中心地、タウンセンターには石造りの教会やお店などの古い建造物が数多く立ち並びます。高層の建物はないので空がとても広く感じられ、雲の様子や天気によって日々違った町の表情を楽しむことができます。

町の東側には長い海岸線が続き、風力発電のタービンが稼働しています。自然のなかに現れる人工物のタービンは一見不釣り合いに感じますが、実はどこまでも続く海岸線の景色のなかでよいスパイスになっています。また海を隔ててエジンバラ側の陸地が見えるなど、この町ならではの景色が広がります。地元住民も普段の散歩に利用するのんびりとした海岸です。
海岸沿いにはゴルフ場、ホリデーパーク、公園などがあり、歴史ある町のすぐそばで自然を感じることができ、ここに暮らしているだけで心が癒されます。

町の周辺には海、農地、酪農地があり、季節に応じた新鮮でおいしい食材が揃います。

近くの町、「クレイル」、「アンストラダー」、「セントモーナン」は昔から漁業の町として有名です。
ここでは新鮮な魚を買うことができるので、筆者は刺身が食べたくなると、ここに買いに来ます。
スコットランドでは刺身や寿司を食べる習慣はなく、魚はすべてフライやバーベキューで食べるのが一般的です。リーブンにあるフィッシュアンドチップスのお店は、すべて注文を受けてから料理をするので、いつもサクッと揚げたてでおいしいですよ。
この辺りでは魚を長期間保存するためにスモークやパテにすることが多く、ウィスキーのアテには最高です。

地域の野菜、肉、卵も新鮮で、近くのファームショップで手に入れることができます。
ファームショップではランチやお茶を楽しむこともでき、新鮮な地元の食材をその場で味わうことができます。
豚の血で作られたソーセージ（ブラックプディング）や、羊の内臓で作られたハギス、タラとジャガイモのスープ（カレンスキンク）、サクサクで素朴なビスケット（ショートブレッド）や、じゃがいもと小麦を混ぜて焼いたポテトスコーンなどなど。スコットランドには多くの独特な地元料理がたくさんあります。私はそのどれもが大好きで、いつか自分で作れるようになりたい、と試行錯誤の真っ最中です。

そしてスコットランドといえばウイスキーですよね。スコットランドの中でも地域によって味の特徴に違いがあり、あちこち旅をしながらその土地のウィスキーを味わう、というのも楽しみです。実は私はスコッチウィスキーの大ファンで、これまでいろんなウィスキーを試してきました。リーブンがあるファイフ地方は、スコットランド中部の低地帯一帯をしめすローランド地方に含まれます。この地域のウイスキーの特徴としては、サラッと口当たりが軽いことです。食事と合わせても飲みやすいウィスキーといえます。

リーブン近郊には、“ゴルフの聖地”といわれるセントアンドリュースがあります。
セントアンドリュースには有名なオールドコースのほかに7つのゴルフコースがあり、世界中のゴルフプレイヤーを魅了しています。ファイフ地方にはその他にも海岸沿いにクレイル、スコッツクレイグ、ランデン、リーブン、レディーバンク、キングスバーン、ダンバーニーなどのスコットランド100選に入るような有名ゴルフコースが20近くもあります。どのゴルフコースも歴史が古く伝統があり、その場を訪れるだけでも楽しめるうえに、クラブハウスではその土地の地ビールやウイスキーを味わうことができます。

ゴルフコース同士の距離が行き来しやすいほど近く、ゴルフをする人にとってはまさに最高のロケーションです。

エジンバラから車でわずか40分の場所にあるリーブンですが、豊かな自然に囲まれてのんびりした時間を過ごすことができます。まだあまりメジャーでないがゆえに夏のホリデーシーズンでも混みあうことがなくゴルフやショッピング、地場産のグルメを満喫できる穴場です。

スコットランドにお越しの際はぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。