133. サマルカンド空港攻略ガイド!唯一無二の外観の新ターミナルは必見

公開日 : 2024年01月18日
最終更新 :

サローム(こんにちは)!

日本からウズベキスタンを訪れる方の95%ぐらいは、成田からの直行便や韓国系航空会社が発着するタシケント空港から入国するはず(72. タシケント空港国際線ターミナルガイド!市内へのアクセス・両替・お店情報etc)。しかしこれから注目すべき空港がサマルカンド空港(正式名称はサマルカンド国際空港 Samarqand Xalqaro Aeroporti)で、ターミナルが大改修されたり、続々と国際線が就航したりと、タシケント空港に匹敵する空の玄関口になる可能性を秘めているのです。サマルカンドの観光業界では日本からのチャーター便が近いうちに就航するようになるという真偽不明の噂までささやかれています。
というわけで、この空港が今後日本人観光客でにぎわってほしいという願望を込め、今回はサマルカンド空港について徹底解説。両替やお店、アクセス情報などについて記載しました。

まずお伝えすべきことは、2022年に完成したこの空港の新ターミナルが、一度見たら忘れられないエキセントリックすぎる外観であるということ。この写真をご覧ください。

サマルカンド空港 ターミナル

このターミナル、果たして何を表しているのでしょう?実はモチーフとなっているのが開いた状態の本。ティムール帝国期のサマルカンドで活躍した統治者兼天文学者ウルグベクの最大の功績である天文表を表しているとのことで、トルコのデザイン会社が設計したそう。地表からは見られませんが、屋根にあたる部分には星座を模した模様が描かれており、ご丁寧にも夜はライトアップされるとのこと。こちらのサイト(https://www.silkroad-samarkand.com/resort/airport/)でターミナルの全体像が確認できます(このサイトは本来空港とは関係がない施設のサイトで、こんなに立派な空港なのに2023年現在公式ウェブサイトがありません...)。
間違いなく世界でここだけの、唯一無二の空港ターミナル。もしサマルカンドの大方の見所を見尽くしてしまった!もう行くべき場所がない!という方がいれば、ぜひこの奇抜なターミナルを鑑賞するだけでも空港を訪れてみてください。

サマルカンド空港 ターミナル
空港を出て左側にある、記念撮影にピッタリなSAMARKAND INTERNATIONAL AIRPORTモニュメント
サマルカンド空港 ライトアップ
夜に行けばターミナル全体から光が放たれるこんなギラギラライトアップが見られる

それではターミナル内へ入ってみましょう。開放感のある広々とした印象ですが、規模はコンパクトで使い勝手はなかなかよさそう。首都の空港にしては小ぢんまりとしており、出発ロビー棟と到着ロビー棟が離れているので若干不便な印象のタシケント空港と比較すると、利便性は上。

サマルカンド空港 ターミナル内

両替所や売店、SIMカード売り場、タクシーカウンターは一ヶ所に集まっており、迷う心配はありません。ただこの国の常で、各カウンターではときどき係員が不在にしていることも。またタクシーカウンターでタクシーを手配すると割高になるので、ご自身でヤンデックスなどのタクシーアプリが利用できるなら、そのままそちらで配車するとよいでしょう。
カフェやATMもすぐ近くにあります。

サマルカンド空港 各カウンター

ターミナル自体は使いやすいものの、肝心の就航路線数についてはまだまだで、国際線が飛んでいるのは2023年末現在ロシア各都市、カザフスタンのアルマティ、トルコのイスタンブールとイズミル、アゼルバイジャンのバクー、アラブ首長国連邦のドバイとアブダビのみ。国内線も空港や都市の規模の割には便が少なく、タシケント行きはウズベキスタン航空と新興航空会社Silkavia、Qanot Sharq、Humo Airの4社が競合しているのに便数は合わせて一日1~3便ほど。地方都市へはフェルガナ盆地各都市にちらほら飛んでいる程度です。増え続ける旅行者の数に反して長距離列車やバスの本数がまだまだ少ないウズベキスタン、空路での国内移動がもっと便利になるといいのですが...。

サマルカンド空港 出発便案内

この中で注目すべき路線が、Wizz Air(ウィズエアー)のアブダビ線。現在のところ、ウズベキスタンに就航している他国の航空会社の中では唯一のLCCらしいLCCで(サマルカンドの他タシケントにも就航)、預け荷物がなければアブダビまで最安30ドルというビックリ価格で運航中。アブダビからは同じくWizz Airの中東や東欧、イタリアなどの各都市へ向かう便に乗り継ぐことができ、ウズベキスタンと中東・ヨーロッパを周遊したい旅行者にとっては利用価値大ありの航空会社なのです。
去年就航を開始したこのWizz Airですが、このおかげでサマルカンドに来るヨーロッパ人バックパッカーがどんどん増えているようで、格安LCCの威力を実感しています。願わくば日本や韓国からもウズベキスタンへLCCが就航してほしいのですが...。

サマルカンド空港 チェックインカウンター
Wizz Airチェックインカウンター。私が利用した際はサマルカンドからローマまでの預け荷物込みのチケットが200ドル強でした
サマルカンド空港 ウィズエアー機体
ピンク色が基調のデザインが目を引くWizz Airの機体

なお就航便数や利用者がまだまだ少ないとはいえ、ウズベク人は飛行機搭乗の際よく大量の荷物を持ち込む傾向にあり、カウンターが混雑することもよくあるため、時間に余裕をもって空港に到着することをおすすめします。また空港ターミナル内に入る際は手荷物のX線検査が必要となります。

国際線搭乗ゲート前エリアの設備は割と充実しており、あらゆるカフェや売店が立ち並んでいます。作り置きですがプロフを出してくれる店もあるので、最後に惜別プロフを味わいたい方はぜひ。朝から生ビールが飲める店もあるのには驚きました。

サマルカンド空港 搭乗ゲート前
土産物屋もそれなりにある国際線搭乗ゲート前エリア
サマルカンド空港 搭乗ゲート前
サマルカンドの地ビール、Pulsarがジョッキで飲める!

一方国内線のゲート前エリアの設備は物足りない印象。私が訪れた時は冬のオフシーズンだったからか、売店は無人で何か買いたければ自販機(お釣りが出てこないのでご注意!)を使うしかないという有様でした。

サマルカンド空港 搭乗ゲート前
国内線のゲート前エリア。売店はあるものの誰も店員がいない...。
サマルカンド空港 フモエアー機体
タシケント行きのHumo Air(フモエアー)機体。最近ウズベキスタンでは雨後の筍のように新興航空会社がどんどん出現している

最後に市内へ/市内からのアクセスについて。空港―市内間の移動は、先述の通りヤンデックスタクシーなどのタクシーアプリを利用するのがベストです。この場合、市内中心部へ/からのタクシー料金相場は2~3万スムほど(2024年1月現在のレートで240~360円)。空港を出ると呼びかけてくる白タク運転手の言い値は10ドルほどですが、もし彼らを頼ることになった場合はガンガン値切りましょう。

日中なら路線バスでアクセスすることもできます。サマルカンドのバス特集記事(88. サマルカンド市内タクシー・バス・トラム乗車方法紹介!自作バス路線図も掲載)でも解説した通り、運賃は2000スム(交通ICカードのATTOカード利用なら1600スム)と、タクシーの1/10ほどの値段で移動が可能です。ただ空港前に直接乗り入れるのは、M1番バスの1路線のみ。このバスはサマルカンド空港から高級ホテルのHilton Garden Inn、新市街のショッピングセンターのMakon mallやディナモスタジアム前を経由してサマルカンド駅へ到達する路線で、レギスタン広場など旧市街の観光エリアへ行くことはできません。

サマルカンド空港 バス停
空港の目の前に停まる、電動バス車両を利用しているM1番バス

空港を出てまっすぐ歩いて約10分、Yuksalish Hostel近くにもう1つのバス停があり、ここを通る31、37、52番バスを利用すると、10~15分ほどの移動でシヨブバザール入口前で降りることができ、徒歩で観光エリアに向かうことができます。これらのバスで空港に向かう際も、やはり空港まで徒歩10分かかるバス停で降りることに。
シヨブバザール側のバス停の位置は少し分かりにくいですが、空港方面からのバスはGoogleマップ上のShirin gold近くに停車。空港方面行きバスは反対車線に停車します。乗車の際は、念のためバスの運転手に「Aeroportga boradimi? アエロポルトギャ・ボラディム?(空港へ行きますか?)」、「Siyob bozoriga boradimi? シヨブ・ボゾーリギャ・ボラディム?(シヨブバザールへ行きますか?)」などと尋ねましょう。

サマルカンド空港近くのバス停
シヨブバザール方面行のバスが停まるバス停

またサマルカンド空港は市内中心部からそれほど離れておらず、頑張れば旧市街へ徒歩で行くこともできます。試しに私が歩いてみたところ、シヨブバザールまで約1時間かかりました。もちろん荷物が少なくかつ歩くのが苦にならない方にしかおすすめできませんが...。

設備が立派に整えられ、タシケント空港に並ぶ空の玄関口になるポテンシャルはあるものの、何度も書いた通りまだまだ発着便は少なく旅行者が利用する機会がなかなか無いサマルカンド空港。これからあらゆる国からの国際線が就航したり、国内線の便数がもっと増えたりすれば、観光客にとって旅程のレパートリーが増えて大いに便利になるはず。今後のサマルカンド空港のさらなる発展に期待しましょう。

それではコルシュグンチャ・ハイル(また会う日まで)!

筆者

ウズベキスタン特派員

伊藤 卓巳

根っからのスタン系大好き人間です。まだまだ知られていないウズベキスタンの魅力や情報を、サマルカンドより愛をこめてお伝えします!

【記載内容について】

「地球の歩き方」ホームページに掲載されている情報は、ご利用の際の状況に適しているか、すべて利用者ご自身の責任で判断していただいたうえでご活用ください。

掲載情報は、できるだけ最新で正確なものを掲載するように努めています。しかし、取材後・掲載後に現地の規則や手続きなど各種情報が変更されることがあります。また解釈に見解の相違が生じることもあります。

本ホームページを利用して生じた損失や不都合などについて、弊社は一切責任を負わないものとします。

※情報修正・更新依頼はこちら

【リンク先の情報について】

「地球の歩き方」ホームページから他のウェブサイトなどへリンクをしている場合があります。

リンク先のコンテンツ情報は弊社が運営管理しているものではありません。

ご利用の際は、すべて利用者ご自身の責任で判断したうえでご活用ください。

弊社では情報の信頼性、その利用によって生じた損失や不都合などについて、一切責任を負わないものとします。