88. サマルカンド市内タクシー・バス・トラム乗車方法紹介!自作バス路線図も掲載

公開日 : 2023年01月28日
最終更新 :

サローム(こんにちは)!

サマルカンドで旅行者の方とお会いした際、何か旅行中に困ったことはありませんか? と聞くと、真っ先に出てくるのが市内の移動方法が分かりづらいこと。サマルカンドは世界的な観光都市にもかかわらず、タクシーや公共交通機関の情報がとにかく少なく、観光客を悩ませ続けているのです。今回の記事では、あらゆる交通手段を駆使して毎日サマルカンド市内をせかせか動き回っている筆者が、サマルカンド市内の交通機関をタクシー、バス、トラムの3種類に分けて徹底解説します。

●タクシー(ウズベク語でもtaksi/taxi タクシー)

後述しますが、サマルカンドの市バスは旅行者が使うにはなかなかハードルが高く、あまり気軽に利用できるようなものではありません。というわけで市内移動でおすすめなのがタクシー。タシケントのタクシー事情を解説した記事(31. ウズベキスタンで知っておきたいタクシーアプリ「ヤンデックスタクシー」)でも紹介した便利な配車アプリ、「ヤンデックスタクシー(Yandex Go)」がついに去年からサマルカンドでも使えるようになったので、もしSIMカードを購入しているならこれを使わない手はありません。登録台数はタシケントより少なく、多少待たされることはあるものの、ほぼ問題なく移動できるはずです。配車の種類はスタートとコンフォートから選べますが、少々料金が高いもののコンフォートの方が無難です。このヤンデックスタクシーが何らかの事情で利用できない場合は、「マイタクシー(MyTaxi)」や「Taxi OK」という代替アプリもあります。

SIMカードを持っておらず、タクシーアプリを使えない場合は、流しのタクシーに頼ることになりますが...さあこれが難関なのです。サマルカンドに限らず、この国では普通の自家用車がタクシー営業を行う、いわゆる白タクが横行しており、サマルカンドでも道端で合図する(右手を水平に伸ばして合図することが多い)と片っ端からあらゆる車が停まることでしょう。そして正規のタクシーだろうが何だろうがメーターはなく、毎回運転手に行き先を告げて値段交渉をすることになるのです。

サマルカンドのタクシー
正規タクシーは黄色の車体が目印。流しのタクシー利用の際は念のためこの車に乗ることをおすすめします

現地人であれば初乗り5000スム(2023年1月現在のレートで約60円)、少し遠くまで行って1万~1万5000スムあたりが相場ですが、旅行者と見るや吹っ掛けられることも度々。英語が通じる運転手は少なく、行き先や料金がうまく伝わらないこともしばしば。さらにほとんどのタクシーは相乗り客をどしどし乗せる営業スタイルで、先客の行き先によっては乗車を断られたり、逆に乗車中どんどん相乗り客が乗ってきたりすることも。
特にサマルカンド駅から市内へ向かう時が最難関で、駅の出口では運転手たちがずらりと揃って旅行者を待ち構えています。少し歩いて流しのタクシーを拾うと、ぼったくりに遭う確率がぐっと少なくなるでしょう。また後述しますが荷物が少なければバスやトラムで向かうこともできます。ホテルやレストランなどからタクシーに乗りたい場合は、スタッフにタクシーを呼んでもらうと安全です(その際も値段の確認を忘れずに!)。

●バス(ウズベク語でavtobus アフトーブス)

タクシーはそんなに面倒なのか、じゃあバスで、、といいたいところですが、このバスも初見ではなかなか攻略しにくい代物。サマルカンド市内には縦横無尽にバスが走り回っており、運賃が安い(バスは現金・クレジットカード払い2000スム・下記ATTOカード利用1600スム(2023年9月に1400スムから値上げ)、ミニバスは路線によって違うので運転手に要確認)のもありがたいのですが、どのバスに乗ればどこへ着くかといった情報がほぼどこにも無いのです。ただこちらもタシケントのバス情報でご紹介した(45. タシケント市内のバス事情。市バスとマルシュルートカ乗車方法)アプリ、ヤンデックスマップでルート検索ができるので、ぜひ使ってみましょう(グーグルマップはルート検索非対応)。

またおそらく今まで世に無かったであろうサマルカンド市内バス・トラム路線図を最近自作してみましたので、ぜひご参考になさってください。現状英語の路線図しか作成していませんが、私の活動先の市内観光案内所でも今後配布または販売予定です。ただ全て実際に乗って調査したわけではなく、ヤンデックスマップのルート検索を参考に作成したもので、誤りや急な路線変更がある可能性もあるのでご利用の際はご注意を...。
余談ですが、私は子供の頃から地下鉄路線図やら道路地図やらをノートに無駄に落書きしまくっていた奇特な人間だったのですが、まさかその経験をこんなところで生かせるとは思いませんでした(笑)

サマルカンド市内バス・トラム路線図
サマルカンド市内バス・トラム路線図

さて、バスの乗車方法について。まずはバス停探しから始まります。というのも、この町のバス停の中には何も目印がなく、ただバス待ちのお客がわらわら集まっているだけ...というバス停もあるのです。分からないときは周りの人にウズベク語で「Ostanovka qaerda? アスタノーフカ・カイェルダ?(バス停はどこですか?)」、「Bu yer ostanovkami? ブ・イェル・アスタノーフカム?(ここはバス停ですか?)」と聞くとよいでしょう。
なおバスの運行時間はおおむね6時から20時、運行間隔は路線によって10分~30分ぐらいとなっていますが、特に日の出前や日没後は本数が激減します。また祝祭日はそもそもバスが全く走っていないことも。いくらバス停で待っても目当てのバスが来ないときは、諦めてタクシーに切り替えましょう。また原則バス停に立っていると全てのバスが停まってくれますが、マルシュルートカと呼ばれるミニバス(路線番号17м、36м、80м)は合図して止める必要があります。

サマルカンドのバス停
典型的なサマルカンドのバス停。お店併設のバス停もよく見かける

バスの車体には小さい文字で経由地が書かれ、またバス停に着くたび車掌が降りてきて行き先を連呼するので、これで何とかして目当てのバスかどうかを瞬時に判断しなければいけません。路線番号を覚えていたとしても、急なルート変更や運転打ち切りはままあることなので、運転手や車掌に「~ga boradimi? ~ギャ・ボラディム?(~へ行きますか?)」と毎度聞くことをおすすめします。

サマルカンドのバス停
車掌が降りてきて運賃を集金、経由地を叫びまくって客集めしたあとバスとともに去っていく

日本車はほとんど走っていないウズベキスタンですが、嬉しいことにサマルカンドのバス車両はほとんどいすず製。まさにこのサマルカンドにいすずの工場があり、ここで車両が造られているのです。ただこのバスは車体が小さく、慢性的に混みあうので大きい荷物を持って乗るのは難しいかもしれません。スリにはくれぐれもご注意を。
また急発進・急停車、道の凹凸などでしばしば大揺れに襲われます。体幹を鍛えるのにぴったりの乗り物ですが、無理せず椅子に座るか手すりにつかまりましょう。去年の暮れ頃からは揺れが少なく快適な、中国製の大型バスも増えてきました。
ちなみにウズベキスタンではバス座席は全て優先席のようなもので、おじいさんやおばあさんが乗ってくると周りの乗客がものすごい勢いで席を立ち、譲ります。私たち外国人もそのマナーに倣った方がいいでしょう。逆に私たちも大きいリュックなどを背負って立っていると、席を譲ってくれることもあります。

サマルカンドの市バス車両
右が新型バス、左がいすず製旧型バス。新型車両は他に水色や黄緑色などの車体もある

降りる際は車掌に伝える必要があります。停留所直前で車掌が~da tushadiganlar bormi?(~で降りる人いますか?)と叫んで乗客に聞き、降りるならBor! ボル!と返さないといけませんが、自信が無ければ前もって車掌か運転手、あるいは周りの乗客に「~ga boraman. ~ギャ・ボラマン(~へ行きます)」と言っておきましょう。「ここで降ります」はウズベク語で「Bu yerda tushaman. ブ・イェルダ・トゥシャマン」。
車内か降りる際に車掌か運転手に2000スムを渡し、下車。できればすぐに運賃を渡せるよう、前もってポケットに少額入れておくなど準備しておきましょう。タシケントのバスでもらえるようなチケットはここではありません。車内前方には支払機もついており、VISA・Mastercardといった一般クレジットカードやタシケント地下鉄駅窓口で買えるICカードのATTOカードでタッチすると払えますが、この支払機が作動していないこともしばしば。

サマルカンドの市バス車内
旧型バス車両の車内。前方右側のポールにちょこんとついているのがカード支払い機

サマルカンド駅から市内へバスで向かいたい方へ。出口を出て道なりに行くとバス停があり、この周辺からバスが発車します。便利なのは3番バスで、ブリバール通りを経由してティムール像近くやレギスタン広場前を通ります。このバスを使って駅からレギスタン広場まで行くと、だいたい2~30分ほどです。バスが分かりにくいという方は、下記2番トラムを利用してシヨブバザールへ行き、徒歩でレギスタン広場へ向かってもいいかもしれません。

●トラム・路面電車(ウズベク語でtramvay トラムヴァイ)

サマルカンドは路面電車という乗り物に縁のなかった都市でしたが、廃止されたタシケントトラムの車両をこちらに持ってくるという形で2017年に運行開始。現在2路線が走っており、1番トラムはサマルカンド駅前から南下して住宅街のサッテパ地区へ、2番トラムはサマルカンド駅から南東に行きシヨブバザールへ向かいます。観光客が使う価値があるのは2番トラムでしょう。ただシヨブバザールのトラム乗り場からバザールや観光エリアへは坂道を上っていかなければならず、やはり大きい荷物をお持ちの方にはおすすめできません。

サマルカンドトラム車両
シヨブバザール停留所で撮影したトラム。運転間隔はおおむねバスより短い

トラムはバスに比べると幾分快適で、車体が大きいためそれほど混雑はせず、揺れることもありません。ただ停留所にはホームらしいホームがなく、途中の停留所から乗車する場合は並行するバスのバス停で待ち、トラムが停車したら車道を横断して乗車しなければいけません。降車する場合も同様に降りた後すぐ道路を横断します。

サマルカンドトラム車両

運賃はバスと同じく2000スムで、やはり乗車中か降車時に車掌か運転士に渡します。(支払機が作動していれば)カード払いにも対応しています。

快適な交通機関に慣れた日本人にはなかなかハードルの高いサマルカンドの移動方法ですが、ある意味アトラクションの一種だと思って頑張って使いこなしてくださいね。
それではコルシュグンチャ・ハイル(また会う日まで)!

筆者

ウズベキスタン特派員

伊藤 卓巳

根っからのスタン系大好き人間です。まだまだ知られていないウズベキスタンの魅力や情報を、サマルカンドより愛をこめてお伝えします!

【記載内容について】

「地球の歩き方」ホームページに掲載されている情報は、ご利用の際の状況に適しているか、すべて利用者ご自身の責任で判断していただいたうえでご活用ください。

掲載情報は、できるだけ最新で正確なものを掲載するように努めています。しかし、取材後・掲載後に現地の規則や手続きなど各種情報が変更されることがあります。また解釈に見解の相違が生じることもあります。

本ホームページを利用して生じた損失や不都合などについて、弊社は一切責任を負わないものとします。

※情報修正・更新依頼はこちら

【リンク先の情報について】

「地球の歩き方」ホームページから他のウェブサイトなどへリンクをしている場合があります。

リンク先のコンテンツ情報は弊社が運営管理しているものではありません。

ご利用の際は、すべて利用者ご自身の責任で判断したうえでご活用ください。

弊社では情報の信頼性、その利用によって生じた損失や不都合などについて、一切責任を負わないものとします。