ニューヨーク旅行で行きたい、本場のジャズクラブ3選と攻略法

公開日 : 2024年03月01日
最終更新 :

ニューヨーク旅行でやりたいことの中で、「本場のジャズを聴きに行きたい」という声を多く聞きます。しかし「本場のジャズクラブって敷居が高いのでは?」「どういうルールになっているの?」「ジャズは詳しくないけど、楽しめるのかな?」と不安を感じているかもしれませんね。

大丈夫、心配しないでください。世界中から来るニューヨークの旅行客の多くが「ニューヨークの夜は、ジャズクラブで過ごそう」と考えており、半数はジャズ初心者です。世界的な観光地であるニューヨークは、旅行者にやさしい街。ジャズ通だけが楽しむような空気感はなく、大物ミュージシャンが出演するステージでも、格式ばった感じはありません。

はじめてのジャズクラブで戸惑わないよう、攻略法をお教えします。この記事を読めば何も心配することなく、本場ニューヨークのジャズを楽しむことができますよ。

ジャズの歴史

ジャズの発祥地とされるニューオリンズ
©iStock ジャズの発祥地とされるニューオリンズ
  • 1898年〜1906年頃:ニューオリンズで、のちにジャズ音楽と呼ばれる音楽を演奏するダンスバンドが人気。バンドを率いていたコルネット奏者、アフリカ系アメリカ人のチャールズ・バディ・ボールデンは「ジャズの父」と呼ばれた。一般的に「ルイジアナ州ニューオリンズがジャズ発祥の地」とされる。
  • 1920年代:禁酒法時代にスピークイージー(もぐり酒場)でジャズ演奏が行われ、一般的に広まった。作家F・スコット・フィッツジェラルドは、戦後の開放感から享楽的になったこの時代を「ジャズエイジ(ジャズ時代)」と呼んだ。
  • 1948年:トランペット奏者のマイルス・デイヴィスのスローあるいは中程度のテンポとフォーマルなアレンジのスタイルが「クールジャズ」と呼ばれる。
  • 1950年代:「歌のファーストレディ」と呼ばれたエラ・フィッツジェラルドおよびサラ・ヴォーン、ペギー・リー、ビリー・ホリデイ、アニタ・オデイ、ヘレン・メリル、ダコタ・ステイトン、カーメン・マクレーなどボーカリストがメインのジャズが流行、「メインストリーム・ジャズ」と呼ばれる。ナット・キング・コールもこの時代に活躍。
  • 1960年代:サックス奏者のジョン・コルトレーンを代表とする、即興で演奏する「フリージャズ」が誕生。
  • 1970年代:トランペット奏者のマイルス・デイヴィスに代表されるファンク、ロックンロール、R&Bと組み合わせた「ジャズ・フュージョン」 が誕生。
  • 2000年代:ヒップホップを取り入れた「ヒップホップ・ジャズ」が誕生。ビッグネームのラッパーが、ジャズアーティストのレコーディングに協力。

ジャズクラブでのマナー/服装

本場のジャズクラブといっても、難しいルールはないのでご安心を
©iStock 本場のジャズクラブといっても、難しいルールはないのでご安心を

ニューヨークのジャズクラブといっても難しいルールや堅苦しさはなく、基本的には演奏者や観客が気持ちよく過ごせるように振る舞えば問題ありません。

マナー

  • 写真・ビデオ撮影の際はフラッシュをたかなければOKですが、出演アーティストによっては許可しない場合があるなど、ステージによりルールが異なります。各施設のルールに従うようにしましょう。
  • 鑑賞中に携帯電話やスマートフォンのチェックをすると、光が漏れて周りの方の迷惑になります。また、急な着信や通知音が鳴る可能性があるため、電源は切っておきましょう。
  • 演奏中のおしゃべりは禁止です。
  • そのほか、演奏者の迷惑、他人の鑑賞の妨げになる行為はやめましょう。

服装

  • ドレスコードはありませんが、「ブルーノート」ではスマートカジュアル、「バードランド」ではビジネスカジュアルが推奨されています。いずれも男性はジャケット着用、女性はワンピース着用であれば大丈夫です。
  • Tシャツにジーンズというスタイルで来ている観光客も多いですが、ジャズを聴くというせっかくの機会なので、おしゃれをしてみるのも楽しいものです。
  • 夏期はかなり強く冷房が効いているので、ジャケットやカーディガン、ストールを持参するなど、体温調節できる服装をおすすめします。

ジャズクラブへ行く前に知っておきたいこと

ジャズを聴きながら、カクテルをいただく
©iStock ジャズを聴きながら、カクテルをいただく

簡単な前知識があれば、その場で慌てずにすみますよ。

ニューヨークのジャズクラブでは飲食が楽しめる

ニューヨークのジャズクラブでは、ライブ演奏を聴きながら、飲食(施設によってはドリンクのみ)が楽しめます。入場料のほかに、ミニマムチャージ(最低利用料金)と呼ばれる飲食代を支払う必要があります。

照明が暗いなかでの食事になるので、フレンチフライやピザなどスナック的なものの方が食べやすいと思います。個人的にはカクテル(またはビール)+フレンチフライなどの揚げ物あるいはチーズの盛り合わせ、サンドイッチなどがおすすめ。フォークとナイフを使って食べるもの、食事をするとサクサクと音が出るサラダなどは避けた方がいいかもしれません。

飲食はできますが、レストランではないので、食事やドリンクに過大な期待を持たない方がいいでしょう。お酒が飲める人は食事をとらず、ビールを2杯注文してミニマムチャージの義務を果たしている場合も多いです。お酒が飲めない人や子供用に、ティラミスやチーズケーキなどデザートの用意もあります。メニューはジャズクラブの公式サイトで確認して、前もって決めておいてもいいでしょう。

年齢制限はあるの?

家族連れの観光客が多いので、テーブル席については「ブルーノート」は全年齢、「バードランド」は10歳以上です。子供はステージを邪魔せずに、静かに鑑賞できることが前提です。

バー席に座れる年齢は21歳以上で、写真付き身分証明書(ID)を見せる必要があります。日本では20歳で飲酒が認められますが、「アメリカでは21歳以上が飲酒可能」で日本とは異なりますので、ご注意ください。

予約/席順

ライブのチケットは、いずれも公式サイトからオンライン予約が可能です。

ほとんどのクラブ(例:ブルーノートは200席)はこぢんまりとしているので、先着順にテーブルに座る場合が多いです。グループの場合は、一緒に入場しないと同じテーブルには着席できません。開演時間より早めに到着すれば、いい席に座れる可能性が高いです。

テーブル席とバー席はどう違うの?

各ジャズクラブにより異なりますので、だいたいの目安としてお考えください。

「テーブル席」とは
テーブル席は、食事ができるテーブルに座る席。家族客でも大丈夫なように子供(騒がずに演奏を最後まで見ることができる10歳以上が目安)連れもOKです。ステージを見ながら、食事(あるいはドリンクのみ)が楽しめます。

  • 年齢制限:10〜12歳(要保護者の付き添い)以上
  • ステージ:見える
  • 飲食代:入場料のほかにひとりあたり20ドル以上の飲食の注文が必須
  • 価格:バー席より高い
  • 予約:要

「バー席」とは
「バー席」は、バーカウンターの席。テーブル席より安いですが、ステージはほぼ見えません。音楽が聞ければいい、ちょっと雰囲気を楽しみたいだけなので節約したいという人向け。満員時は、立ち見になる場合もあります。

  • 年齢制限:アルコールが許可される21歳以上(写真付き身分証明書の提示が必要)
  • ステージ:ほぼ見えない
  • 飲食代:入場料のほかにひとりあたり1ドリンク以上の注文が必須
  • 予約:店により異なります。小規模のクラブは予約不要で、先着順のようです

ジャズクラブの料金の目安は?

入場料およびミニマムチャージ(最低利用料金)は、出演アーティストやジャズクラブの規模により異なります。クリマスやバレンタインなどのイベントシーズンは割高になりますので、最低限の目安として参考にしてみてください。

基本的には、入場料とミニマムチャージ(飲食代)の両方を支払う必要があります。詳細は行きたいジャズクラブの公式サイトでご確認ください。

テーブル席
入場料:40〜150ドル+手数料〜
ミニマムチャージ(飲食代):入場料のほかにひとりあたり20ドル以上の飲食の注文

バー席
入場料:30〜100ドル+手数料〜
ミニマムチャージ(飲食代):入場料のほかにひとりあたり1ドリンク以上の注文

筆者

アメリカ・ニューヨーク特派員

青山 沙羅

はじめて訪れた瞬間から、NYに一目惚れ。プロ・フォトグラファーの夫とNY在住。

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