世界最大規模を誇るLGBTQIA+の祭典「マルディグラ ・パレード」の楽しみ方
毎年2月中旬から3月初旬にかけて開催されるLGBTQIA+の祭典マルディグラ (Mardi Gras) は、性的マイノリティと言われる人たちが主役となるイベントで、世界中から多くの人がシドニーに集まります。昨年の記事でも少し触れましたが、マルディグラ の中でも3月の第1土曜日に行われるパレードはかなりの見応えがあり、その熱気に圧倒される人は多いでしょう。
今年、そんなパレードを5年ぶりに見に行ったので、その様子とともに、気付いたことや注意点などもお伝えします!
25万人の観客が集まるマルディグラ ・パレード
2024年3月2日(土)のパレードの出場者は1万2千人を越え、推定25万人もの観客が集まりました。
ゲイ・アンド・レズビアン・マルディグラ・パレード(Gay and Lesbian Mardi Gras Parade)と呼ばれますが、実際はゲイやレズビアンの人たちだけではなく、バイセクシャルやトランスジェンダー、ストレートなどさまざまな背景を持つ人たちが出場しています。
- 公式ウェブサイト
- https://www.mardigras.org.au/
パレードはシティのハイドパークに近いOxford Street から始まり、Flinders Street を経て、ムーアパークのANZAC Paradeまでの約2kmの距離を歩きます。
開始予定は7時半からにもかかわらず、例年通り4時半にはものすごい人混みでした!
場所取りは早いに越したことはないが…
もしもパレードを最初から先頭で見たいなら、3時間前に場所取りをしたのでは遅いくらいです。ですが、午後11時までとかなり長時間のパレードになるので、知り合いの出場を見届けたら帰る人、途中で疲れて抜ける人などもいますから、出遅れても気長に待てば先頭で見れる可能性は大いにあります。私も今回6時頃から場所の確保を始めましたが、運よく前の方で見れました。
心配なら、プラスチックのイスや台のようなものを準備しておくと重宝します。それを売っている人も見掛けるかもしれません。
それと、トイレは事前に済ませておくこと、昼間は暑くても夜は冷えるかもしれないのでジェケットを持っていくことをお勧めします。カメラの準備も忘れずに!
待ちに待ったパレード開始
7時頃に先住民によるスモークの儀式が行われ、その30分後にけたたましいバイクの音とともにパレードがスタートしました。多くの企業や団体が個性的な衣装を身にまとい、賑やかに通り過ぎて行きます。そして、その度に観客から聞こえる歓声と、それを盛り上げるボランティアの人たち。この熱気や空気感はきっと現地でしか味わえないでしょう。
なお、この様子はオーストラリアにいれば公共放送局ABC(Australian Broadcasting Corporation)や、無料ストリーミングサービス ABC iview でも見ることが出来ます。
日本人の団体も参加
今年、久しぶりにパレードを見に行こうと思った大きな理由は、2022年からシドニーを拠点にマルディグラ・パレードに参加している「ジェンダー・フリー・ジャパニーズ(Gender Free Japanese)」と、福岡のNPO 法人「カラフルチェンジラボ」という日本人団体が出場していたので、その様子を現地で見たかったからでした。
そしてなんと、パレードの前にジェンダー・フリー・ジャパニーズの代表、アヤカさんとコウキさんとお話をする機会をいただきました!
誰でも参加大歓迎のジェンダー・フリー・ジャパニーズ
2021年に発足したジェンダー・フリー・ジャパニーズは、女性で生まれて男性で生きることを選択したコウキさんと、そのパートナーであるアヤカさんが代表を務める団体です。オーストラリアの同性婚が認められたのは2017年ですが、日本でも認められることを目標として、マルディグラ・パレード出場を中心に活動しています。
コウキさんは、シドニーのマルディグラ・パレードでLGBTQIA+の人たちが輝いている姿を見て、人生観がガラッと変わり、明るく堂々と生きれるようになったと言います。そんな経験から、まだまだ性的マイノリティに対しての偏見が多い日本に対して、良い影響を与えられたらという思いで立ち上げられたのがジェンダー・フリー・ジャパニーズです。
彼らは「LGBTQIA+当事者でもそうでなくても大歓迎、国籍や性別は問いません。LGBTQIA+を知らない人や、だたパレードに出場して楽しみたい人もウエルカムです!」と話します。さまざまな個性を持つ人たちと関わることで知るきっかけになる、まずはそれが大切だと。
2024年は、ジェンダー・フリー・ジャパニーズから80人の人たちがパレードに参加しています。もし興味があれば、ウェブサイトからコンタクトを取ってみても良いかもしれません。シドニーの思い出作りにもいかがでしょうか。
筆者
オーストラリア特派員
Eri オーストラリア
十数年前にワーキングホリデーオーストラリアに来たのがきっかけで、そのままシドニーに住んでいます。
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