キングスクロス、ダーリングハーストとウルムルー

南半球最大の歓楽街といわれるキングスクロス。このエリアは高台にあり、植民地時代には瀟洒な邸宅の並ぶお屋敷街だった所だ。1950 年代に入り、多くのヨーロッパ移民が流入し、作家や音楽家などを引きつけるボヘミアンな雰囲気の漂う町へと変わっていった。だが1960 年代にベトナム戦争の帰還兵たちがやってくると、セックスショップやナイトクラブが並ぶ現在の歓楽街へと、その様相を変えていったのだ。シティから続くウイリアム・ストリートWilliam St. と交差するダーリングハースト・ロードDarlinghurst Rd. の北側が、いわゆるキングスクロスと呼ばれる場所。ここにはアダルトショップやレストラン、カフェが並んでいる。ダーリングハースト・ロードの西側ビクトリア・ストリートVictoria St. はガラリと趣が変わり、閑静で落ち着いた雰囲気。バックパッカー向けの宿やカフェが多い。この一帯、通常は治安にそれほど気を使う必要はないが、裏通りには危ない所もあるので注意したい。　一方ウイリアム・ストリートの南側（この一帯をダーリングハーストと呼ぶ）には、昔ながらのテラスハウスの外観をそのままにして、内部を改装したおしゃれなカフェやレストランが多い。日本で評判になっているホットケーキと朝食の名店ビルズも、このエリアにある。　キングスクロスとシティの間、海に面して開けた一角ウルムルーも観光客が増えている。特に旧旅客ターミナルを改装したザ・ワーフThe Wharf はホテル、レストラン、プライベートヨットやクルーザーが係留されているマリーナをもつコンプレックスだ。