フィンランド・タンペレで癒やし旅!ムーミン美術館でマインドフルネス?話題のサウナレストランも
Visit Finland(フィンランド政府観光局)主催の現地視察で2022年6月26日~7月2日にヘルシンキとタンペレを旅してきました。ウィズコロナ時代の旅のハウツーをはじめ、最新のフィンランドを数回に分けてレポート。今回はフィンランド第2の都市圏タンペレのストレスフリーな癒やし旅をお届けします!
フィンランド人が住みたい人気の町
首都ヘルシンキから鉄道で約1時間半の町タンペレTampere。フィンランドを代表するテキスタイル「フィンレイソン」が生まれた工業都市として知られていますが、ふたつの湖と川に囲まれて、ゆるりとしたのどかな雰囲気も漂っています。事実、ほどよい都会感と豊かな自然のバランスがいいと、フィンランド人が選ぶ「住みたい町ランキング」の上位にランクインする人気の町なのです。
フィンレイソン工場跡のそばに立つ「タリピハ・オールド・ステイブル・ヤーズ」は、19世紀の厩舎跡を利用したスポット。かわいらしい外観のカフェや雑貨・スイーツショップが集まり、おみやげ探しにもぴったりです。
ムーミンの世界でマインドフルネスを体験
タンペレは、ムーミンファンなら一度は訪れたいムーミン美術館があることでも有名です。タンペレ駅の東側に立つタンペレ・ホール内にある美術館には、ムーミンの物語を再現したミニチュアや貴重な原画など、ここでしか見られない展示がたくさん!さらにプロジェクションマッピングや遊び心いっぱいの仕掛けがいたるところにあり、ムーミンの世界観にどっぷり浸ることができます。
そんなムーミン美術館でマインドフルネスツアーを開催していると聞き、実際に体験してきました。展示室に入る前に、参加者にはマットとブランケットを渡されます。案内役のガイドさんに従って館内を進むと、ほどなくして、床にマットを広げるよう促されます。マットの上に座るもよし寝転ぶもよし、リラックスした体勢で待っていると、ゆっくりとムーミンの小説を読み上げる声が聞こえてきました。なんと展示作品に囲まれながら、ガイドさんがムーミンのお話を読み聞かせてくれるのです。作品保護のため照明の灯りを落とした館内で、静かに語られるムーミンの物語。隣にはかわいいミニチュアやイラストの展示。脳と心はあっという間にムーミン谷に誘われていきます……。
作者トーベ・ヤンソンが書いたムーミンの小説は、生きる知恵や困難の乗り越え方など、登場人物をとおして人生に必要なさまざまな気づきを教えてくれます。子どもも読みやすいやさしい言葉で書かれていますが、哲学的な要素も多く、現代社会に生きるストレスフルな大人にこそ沁みる内容。しかも大人になってから誰かに読み聞かせてもらう機会はなかなかないので、童心に返った気分でリラックスできる、癒やしの体験プログラムでした。
ミュージアムショップには、ここでしか買えない限定のマグやチョコレートのほか人気のムーミングッズが揃っています。また館内のレストラン「トゥフト」ではスナフキンのパンケーキなどムーミンにまつわるメニューも提供しているので、鑑賞後のひと休みにもぴったりです。
タンペレ・ホールはフィンランド初のカーボンニュートラルな会議・コンサート施設で、北欧で初めて「Nordic Ecolabel」を取得したそう。大きく近代的な建物ですが、すぐ隣には緑が生い茂る公園が広がり、脇にちょこんとムーミンが立っているので、挨拶をお忘れなく。
■ムーミン美術館(Muuminmuseo)
https://www.muumimuseo.fi/
ガイドツアーの詳細
https://www.muumimuseo.fi/ja/ryhmille-japaniksi/opastetut-kierrokset-japaniksi/
「サウナの首都」のサウナトレンドをチェック!
「サウナの首都」と称されるタンペレは、世界中のサウナ―が憧れる町でもあります。古くからあるおすすめの公共サウナはこちらの記事で詳しく紹介していますが、町の中心部で最近人気なのは、眺めのいいレストランが併設されたおしゃれなデザインサウナ。
2018年にオープンした「クーマ」は、薪サウナとスモークサウナがあり、川に浮かぶように突き出たプールでクールダウンすることができます。レストランのテラス席からは町を流れる川を一望でき、夕暮れ時にチルアウトを求めて訪れる人々で賑わっていました。
料理がきちんとおいしいのもうれしいポイント。お酒の種類も充実しています。サウナのあとに川の風に吹かれながらまったり過ごせば最高の休日になりそうです。
■クーマ(Kuuma)
https://saunaravintolakuuma.fi/en/
「ペリスコープ」は、今タンペレで最もファッショナブルなレストランのひとつと言われているおしゃれスポット。ビルの屋上にあり、もはやクラブのような雰囲気。複数あるサウナはグループ単位で貸し切りができるシステムで、ジャグジーも付いた豪華仕様。せっかくタンペレを訪れたなら、昔ながらの公共サウナと進化系のおしゃれサウナ、ぜひどちらも体験してみてください。
■ペリスコープ(Periscope)
https://www.ravintolaperiscope.fi/?lang=en
サウナ付き客室がおすすめの最新ホテル
ホテルはタンペレ駅の周辺に集まっており、ホテル選びに困ることはありませんが、せっかくならサウナが充実した宿に泊まってみたいもの。今回は2021年末にオープンした最新ホテル「ラップランド・ホテル・アリーナ」に宿泊しました。ラップランド(北極圏)のデザイン要素が散りばめられた、温かみのあるデザインホテルです。
一般的なホテルは、宿泊者用の共有サウナが地下や屋内に設けられていますが、このホテルの共有サウナは屋上!パノラマ絶景を望むリゾート気分が味わえます。さらに特筆すべきは、全273室のうち70室にロウリュも楽しめるプライベートサウナが付いていること。隣にシャワーブースを備えた親切設計で、好きなだけ出たり入ったりを楽しむことができます。
朝食ビュッフェの充実度もすばらしく、シナモンロールやカレリアパイはもちろん、肉厚のサーモンやタンペレ名物の黒ソーセージ「ムスタマッカラ」、フィンランドの焼きチーズ「レイパユースト」など、旅行者が食べてみたいと思うフィンランドの名物料理がずらりと揃っています。かわいい石の器やハチの巣ごと置かれたはちみつなど、プレゼンテーションもおしゃれで、朝からテンションが上がるはず!
■ラップランド・ホテル・アリーナ(Lapland Hotels Arena)
https://www.laplandhotels.com/EN/urban-hotels/tampere/lapland-hotels-arena.html
フィンランド一おいしいドーナツを求めて展望台へ
町の中心部から少し離れた西に広がる森の中には、絵本に出てきそうなレトロな展望台が佇んでいます。タンペレ市150周年を記念して1929年に建てられた石造りの展望台で、塔の上からは森と湖に囲まれた美しいタンペレの町が一望できます。
1階のカフェではフィンランドで一番おいしいとも言われるドーナツが人気。その味を求めてたくさんの人が訪れます。シナモンとカルダモンが効いたやさしい味わいで、コーヒーとの相性もぴったり。カフェの雰囲気もかわいらしく、窓から木々がそよぐ様子を眺めながらのんびりとした時間を過ごせます。
■ピューニッキ展望台(Pyynikki Observation Tower)
アクセス:中心部から3番トラムで終点Pyynikintori下車徒歩10分
塔の入場料2ユーロ
穴場のピスパラ地区でかわいい絶景と幸せのパンケーキを
もうひとつ絵になる絶景スポットをご紹介しましょう。上述のピューニッキ展望台からさらに西に徒歩約15分のピスパラ地区。古い木造住宅が建ち並ぶエリアで、フィンランド最古の公共サウナ「ラヤポルティ・サウナ」があることでも知られています。この地区の高台にあるピューキメッタ公園からの眺めは絵はがきのようなかわいさ。旅行者にはまだあまり知られていない穴場です。
絶景とあわせて立ち寄りたいのが「カフェ・ピスパラ」。大きな看板もなく、住宅街に溶け込むようにあるカフェですが、いつも地元客で賑わっています。おすすめは手作りのパンケーキ。ひと口食べれば思わず笑顔になる幸せの味です。
■カフェ・ピスパラ(Cafe Pispala)
https://www.ohanarestaurants.com/cafe-pispala.html
都会なのにのんびりとした空気感が漂うタンペレは、フィンランド人が住みたい町に選ぶように、旅行者にとっても居心地のいい町。いわゆる観光名所ではなく、ただそこにいるだけで癒されるストレスフリーなスポットが多いからかもしれません。疲れた心と体を解放するにはぴったりの旅先です。
タンペレの情報は『地球の歩き方北欧』、『arucoフィンランド』のほか、『とっておきのフィンランド』『フィンランドでかなえる100の夢』(kukkameri著)でも詳しく紹介しています。ぜひチェックしてみてください。
取材協力
Visit Finland(フィンランド政府観光局) https://www.visitfinland.com/ja/
タンペレ観光局 https://visittampere.fi/
TEXT&PHOTO: 地球の歩き方出版編集室 由良暁世
※当記事は、2022年8月24日現在のものです
〈地球の歩き方編集室よりお願い〉
2022年8月24日現在、国によってはいまだ観光目的の渡航が難しい状況です。『地球の歩き方 ニュース&レポート』では、近い将来に旅したい場所として世界の観光記事を発信しています。渡航についての最新情報は下記などを参考に必ず各自でご確認ください。
◎外務省海外安全ホームページ
・URL: https://www.anzen.mofa.go.jp/index.html
◎厚生労働省:新型コロナウイルス感染症について
・URL: https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708_00001.html
旅したい場所の情報を入手して準備をととのえ、新型コロナウイルス収束後はぜひお出かけください。安心して旅に出られる日が一日も早く来ることを心より願っています。
筆者
地球の歩き方書籍編集部
1979年創刊の国内外ガイドブック『地球の歩き方』の書籍編集チームです。ガイドブック制作の過程で得た旅の最新情報・お役立ち情報をお届けします。
【記載内容について】
「地球の歩き方」ホームページに掲載されている情報は、ご利用の際の状況に適しているか、すべて利用者ご自身の責任で判断していただいたうえでご活用ください。
掲載情報は、できるだけ最新で正確なものを掲載するように努めています。しかし、取材後・掲載後に現地の規則や手続きなど各種情報が変更されることがあります。また解釈に見解の相違が生じることもあります。
本ホームページを利用して生じた損失や不都合などについて、弊社は一切責任を負わないものとします。
※情報修正・更新依頼はこちら
【リンク先の情報について】
「地球の歩き方」ホームページから他のウェブサイトなどへリンクをしている場合があります。
リンク先のコンテンツ情報は弊社が運営管理しているものではありません。
ご利用の際は、すべて利用者ご自身の責任で判断したうえでご活用ください。
弊社では情報の信頼性、その利用によって生じた損失や不都合などについて、一切責任を負わないものとします。