大都会でエコロジー体験――『サンパウロ州立カンタレイラ公園』
先日、サンパウロ市北部のトレッキング・コースを歩いてきました。
『Parque Estadual da Cantareira――Núcleo Pedra Grande』
(サンパウロ州立カンタレイラ公園――ペドラ・グランデ・センター)
「ペドラ・グランデ」とは「大きな岩」を意味します。
サンパウロの中心街から車で北上すること約20分。
州政府が環境保護地区に指定するカンタレイラ公園には、私たちに生活用水を供給する水源地があり、7916.52ヘクタールもの面積を有します……といっても、想像しにくいかも知れませんね。
サンパウロ市にあるサッカースタジアム8000個がすっぽり入るといえば、その広大さの見当がつくでしょう。
公園は4つに区分され、ペドラ・グランデ・センターはそのうちの一つ、最もポピュラーな散策エリアとされています。
公園のゲートをくぐると、すぐに道は二股に分かれ、左はプレイ・グラウンド、右はべドラ・グランデへ続きます。
でも、こちらのトレッキング・コースのいいところは、メインのペドラ・グランデのほか、片道300mから1600メートルまで、長短様ざまなミニ・コースがあること。
600mのBugio(ブジオ)コースではホエザルの群れが頻繁に出没、1200mのFigueiras(フィゲイラス)コースでは食事中の動物が観察できたり、広大な御影石の海原を望むことができます。
生い茂る大西洋林には約200種の鳥類が暮らし、また、人間が足を踏み入れることが不可能なジャングル地帯には、Onça Parda(ピューマ)も生息しているそうです。
そんなことを考えていると、つい、脇道コースに逸れたい衝動にかられます。
ですが、今回、私はペドラ・グランデだけを目指すことに。
眩しい陽光がキラキラとこぼれる森をずんずん進んでいきます。
それにしても、どうでしょう。
行けども行けども、カーブを曲がる度、前方には急勾配の坂が立ちはだかります。
ぺドラ・グランデは標高約1010mに位置しています。
サンパウロ自体の平均標高が700mですので、この日は約300mの高さを登ることになります。
かれこれ2時間近く歩いたでしょうか。
ふっと、入口の看板には、「ペドラ・グランデ、往復9500m、所要時間約3時間」と書いてあったことを思い出しました。
年間の平均気温は18.2度となっていますが、丁度真上に昇った太陽は、容赦なく私を照り付け、額から首筋から、大粒の汗が滴り落ちます。
最後の一踏ん張り、出迎えてくれた急峻な坂道を登り切ると―――
大きな、本当に大きな、丸裸の岩が私を出迎えてくれました(写真)。
そして、岩のすぐ先に横たわる緑のじゅうたんの色の深いことといったら!
さらに遠くは灰色に光るサンパウロの街並みが見えます。
大自然と人間の創造物のアンバランスな組み合わせに心を奪われました。
ふううぅぅぅ―――ぺドラ・グランデの上での深呼吸は、緑の味がしました。
インフォメーション:
『Parque Estadual da Cantareira - Núcleo Pedra Grande』
住所:Rua do Horto - Horto Florestal - São Paulo - SP
一般開園時間:土、日、祝日 08:30〜17:00
入場料:大人2レアル、10歳以下と60歳以上は無料
その他:レストランなし、各自で軽食、ドリンクを準備
参考資料:
UNIBERO『PARQUE ESTADUAL DA CANTAREIRA – NÚCLEO PEDRA GRANDE
MONITORIA AMBIENTAL EM UNIDADES DE CONSERVAÇÃO』大学機関誌
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