バンテアイミエンチェイ - ピーマイ 5日間の旅 初日 7

公開日 : 2008年08月28日
最終更新 :

人目(入場料を取る人)を避けるように寺院から出発し、すぐ近くにある機織り工房へと向かう。到着した機織り工房前で少しねもとを待つが、現れない。どうしたものかと思い、情報部員ピーロムを降ろし、寺院に戻ろうとするとやっとこさ遠くからオレンジ色のウェイブが向かってきているのが見えた。聞くと寺院出口の段々にフットブレーキがぶつかり、ブレーキの角度がへそ曲がり、膝曲がりになっているのだ。まあ、仕方ない、どうせ近くにバイク修理場もあろうこと、さほど気にせず、工房に入る。事前に潜入していたピーロム情報によると、以前は貧しい人々に手に職を持たせるための機織り工房であったが、現在は単なる孤児院と化しているのだという。

さーて、とりあえず時計の針は17時を回った。へそ曲がりのウェイブを修理場に出し、近くの屋台でミーティングタイムである。ピーロム、ねもとと今日の宿をどうするか決めなければならないのだ。ここから先は僕も行ったことがない地域であり、道路状況も全く不明。さらにカンボジアの夜間走行は、まっ暗、でこぼこ、急牛出現などと三変則であり危険なのである。

今からきちんとした宿のある町オダーミエンチェイの州都サムロンまではデイタイムで片道約2時間、シソポン迄は片道1時間30分ほどであるがどちらもこの時間からの走行はきびしい。しかしながらこの近くの宿と言えば、手桶シャワーゲストハウスが一軒しかないと、屋台近くでダラダラしていたさっきの運ちゃんが親切に教えてくれた。ふむ、ちなみに電気はバッテリーで9時消灯だという。ふむむ。明日の予定も検討し三者会談は終了。出た答えは、手桶ゲストハウスである。その主な理由は、タイとカンボジアでの微紛争の場「ターモアン」寺院である。運ちゃん情報によると、この寺院へはここから旅立てば2時間ほどで到着するのだが、サムロンまでいくと大きく戻らなければならず3時間はかかってしまうというのだ。また、基本的には現在は兵隊がいっぱい、寺院に入るとタイ兵に撃たれるので中には入れん、しかし地元の村長に許可をとれば(賄賂を払えば)、寺院近くまで行けるというのだ。ううむ、非常に興味深い。せっかくの旅であり、出発前から少し興味あった寺院でもある。「渡航の是非を検討して下さい」とアナウンスしている外務省には申し訳ないが、実にこの機を逃すのはちとおしいのではないか?という理由で決定したのだ。

とりあえず、一泊一室5$の宿(他に選択肢はない)に決定し、2階のリビングルーム付きの二室を借り受ける。といっても二室しか客室はないのであり、他の客がいなかったことがラッキーであった。部屋わりはもちろん、ねもとキングサイズベッドルーム、ピーロム&僕はエコノミースタンダードワンダブルに雑魚寝となった。まずは今日の一日の汚れを落とす為、ねもとから手桶シャワーに行く、その間、宿のオーナーとピーロム、僕とで情報収集兼オーナーについて話していた。オーナーの本職は米農家らしいが、最近は米の値段も上昇傾向で、あんまり売れ行きが良くないらしい。また最近行われたカンボジアの総選挙のおかげでゲストハウスもあまり客が来なかったという。総選挙とゲストハウスの客数とどのような関係があるかはよく分からなかったが、とりあえずそうなのだそうだ。

ねもとが出てくると次は僕の番である。見ると部屋にはバスタオルなどは置いてなかったので、自分で持ってきた小さなタオルをバスルームに持ち込む。立てつけの悪いドアを開くと、中は思ったよりも広く、タイル張りの水溜め場にはややすすけた色の水が穏やかな波を立てている。たぶん、寺院のお堀から汲んできた置き水なのだろう。とりあえず、南国カンボジアであるので冷たいということはないのであるが、何となくぬるめかしい肌触りの水を頭からザップリとかけ、本日の汚れを洗い流した。

筆者

カンボジア特派員

西村 清志郎

カンボジア観光省プロモーション&マーケティング部に所属しながら、現地旅行会社を運営しています。

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