国立ヴェネツィア宮殿博物館、現在、諸事情により展示室の一部が見学できません。
ローマ中心部のヴェネツィア広場にあるヴェネツィア宮殿の内部には、国立ヴェネツィア宮殿博物館が入っています。
通の間では、ヴェネツィア宮殿はローマで一番最初のトスカーナ・ルネッサンス建築様式の建物(1471年完成)の例で知られており、観察にもってこい(?)なのですが、この建物を有名にしているのは、ファシスト政権時代にムッソリーニがフランスとイギリスに向けて開戦の宣言をした(1940年6月10日)バルコニーがあることではないでしょうか。演説をしたのはヴェネツィア広場に面しているバルコニーです。(写真参照)
↑ ヴェネツィア広場には、"入れ歯"や"ウェディングケーキ"などと陰口を叩かれる、ヴィットリオ・エマヌエーレ2世記念堂があります。
↑ ヴィットリオ・エマヌエーレ2世記念堂を背にすると左側に見える赤茶色の建物がヴェネツィア宮殿です。
前置きが長くなりましたが、昨日、宮殿内部にある博物館を訪ねたところ、博物館の内部の一部ルートが閉鎖となっており、現在、見学できるのは絵画などがある9室のみとなっていました。
本来は26室あり、時代区分では12~19世紀までの15.000点の作品が展示されている見ごたえのある博物館です。いったいどうしたことでしょう!スタッフさんにお話を伺ってみました。
↑ 現在、見学ができるのは、赤丸で囲った部分(絵画)のみです。残念!
↑ カルロ・マラッタの美しい"クレオパトラ"(1693‐1695年)がある、第6展示室。
↑ 中世の絵画を展示しているお部屋。
↑ 700年代の絵画を展示する第9室。歩き廻れたのはこの部屋まででした。
この博物館には、日本の有田焼などを展示するお部屋もあるのですが、現在は見学ができません。
一部どころか7割方閉鎖している博物館なのですが、理由はイタリアの財政難により博物館内部に多くの監視員をおく(雇う)ことができなくなった為、止むを得ず展示室を閉鎖しているということでした。
ですので、現在、この博物館を訪れますと絵画部分の9室のみの見学しかできません。(入場料のお一人様5ユーロは変わりません)
以上の点につきまして、予めお知りおきいただければと思います。
以前に、"世界最古のピアノがある国立楽器博物館"も同じ理由で全ての修復作業を続けることが出来ず、半分だけのオープンとなっている旨、お知らせしました。詳細:世界最古のピアノがある、ローマの国立楽器博物館 こちら
これらの博物館にも、もっともっとたくさんの人が訪れて、また工事が続けられるように資金が少しずつ集まっていくことを願っています。
筆者
イタリア特派員
阿部 美寿穂
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