イタリア人には誕生日が2回あります。
とある講習会に通っているのですが、先日、先生が今日は今年2回目の誕生日だということで、生徒全員にケーキを1個ずつ振舞って下さいました!
40歳位の若い先生で、ご丁寧にシャンパンも持参されていたのですが、さすがに授業前に飲むのはいかんということで飲む方はおあずけとなりました。一同、がっくり来ました。
先生はアルコールに弱いので、飲んでしまうと(先生が)授業にならないということです。
かわいい先生です。(といっても男性ですが)
イタリアでは誕生日を迎える人がごちそうします。
これは、"周りあっての自分" ということから日頃の感謝の気持ちも込めてお祝いするのです。
カトリックの国イタリアでは、聖人歴といって、カレンダーには1年365日毎日、誰かしら(守護)聖人の名前があてられています。
必ずしも1日に1人の聖人だけがあてられているということではなく、日によっては "殉教者の集団" など多数の聖人の記念日となっていることもあります。
日付けとその日を記念する聖人の名前の関連性はキリスト教の宗派によっても違いますが、イタリアで使われているものは、ローマ教皇がOKを出されたものです。
例えば、ロザリアさん(Rosalia 女性)は3月5日生まれだったとします。当然ながら、これは自分の真の誕生の日です。
ところが、カレンダーをパラパラとめくって9月4日を見ると、"ロザリアの日" (聖ロザリア)と書いてあります。ロザリアさんをお祝いする日ではありませんか!
つまり、イタリア人は自分の名前の聖人の日にもお祝いをするので、1年に2回、お誕生日があるということなのです。
全員が全員、この様にお祝いをするわけではありませんが、理想なのは半年程度に1回、お誕生日が来ることですね!そうすると上半期で1回、下半期で1回と、ウシシと2回楽しめるのではないでしょうか。
ところが、両親が自分が生まれた日に、その日にあてられていた守護聖人の名前を自分の名前に付けたという人もいます。その場合、年に1度しかお祝いをできないので残念ですね!
↑ 本屋さんにはこの様な、"聖人"(サンティ Santi)の本も多数売られていますので、ご興味がある方は自分の誕生日の守護聖人がいったい誰なのか調べてみることも出来ます。この本は昔、絵や写真がたくさんあって主な聖人を簡単に覚えられるよ!試験対策用ということでプレゼントされたものですが、結構面白いので寝る前に読んだりして気に入っています。(Mondadori Electa社、15ユーロ)
↑ 左側のページに、聖人の人生やアトリビュート(聖人や神話の人物などが持っている持ち物。持ち物だけでその聖人を特定することが出来る。)などの説明、右側のページはその聖人の絵です。
日本に関係する聖人ということで、この日を選び写真に撮ってみました。
タイトルに"みき"と書いてあるのが見えますか?
1年の中で、2月6日はカトリックでは長崎で処刑されたパウロ三木とその仲間達を記念する日です。右側の絵も、舞台は長崎でその処刑シーンです。手前には鉢巻を巻いた日本人が見えますね。
日本にも、1年に2回誕生日があったらいいですね!(しかも年をとるのは1つだけです)
筆者
イタリア特派員
阿部 美寿穂
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