オスロ・ジャズフェス 現地レポート2015
9〜15日にかけて、市内の約12の会場で60以上のコンサートやライブが開催されました。観光客や市民が集まる大通りのカール・ヨハン通りでは、無料の演出もあり、街はジャズの音色で包まれます。
今回は前半のプログラムしか見に行く機会がなかったのですが、一番注目を集めていたアーティストはチェックすることができました。
様々な会場の中でも、オペラハウスの舞台に立つのはジャズフェスの目玉アーティストとされています。
Photo: Asaki Abumi
ジャズフェスの幕を開けたのはハービー・ハンコック
アメリカ出身のジャズ・ピアニスト、ハービー・ハンコック氏は、フェスの主催者たちが長年かけてラブコールを送っていた人物。熱いファンたちが会場を満席にしていました。
ハンコック氏は、訪問中に、オスロで開催された広島と長崎へ平和の祈りをこめた、核兵器反対のコンサート「ヒロシマ70」でもスピーチをしたばかり。オペラハウスでの演出前にも、「広島のためのコンサートのためにも出向いた」と一言コメントしていました。
演奏後は大きな拍手で包まれ、ハンコック氏が舞台を去った後も、彼のピアノを一目見ようと、舞台前に来てカメラや携帯電話で撮影する人々がいました。
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グレゴリー・ポーターの舞台には日本人も
次の大物アーティストは、こちらもアメリカ出身のジャズ歌手グレゴリー・ポーター。2012年のオスロ・ジャズフェスに続いてのスペシャルゲストです。驚いたことに、サックスを担当していたのは日本人の男性でした。調べてみると、佐藤 洋祐氏 オフィシャルページ「サックス中心世界」を発見。
今回は取材前に主催者側に、「日本の関係者はいるか」、と聞いた時に、「いや、いない」と答えられていたのですが、メイン舞台に立っていたのでびっくりしました。
Photo: Asaki Abumi
Photo: Asaki Abumi
ノルウェーの哀愁ある音といえば、この2人!
最後にオペラハウスで音を響かせたのは、ノルウェーで育つ人なら誰もが彼らの音を耳にしたことがある、2人の年配男性オーレ・パウスとシェティール・ビョーンスタ。渋いノルウェー語で、国内各地の土地のわび・さびを思わせる、哀愁漂う歌を届けました。
オーレ・パウスの代表曲は、「わたしの小さな国」(Mitt lille land)。マリア・メナ(Maria Mena)やスザンネ・スンフォール(Susanne Sundfør)など、多くのアーティストたちによってカバーされている、「まさにノルウェー!」という一曲です。ノルウェーのテロ事件以降、追悼行事の際にも頻繁に流されています。
ジャズフェスは大人のためだけの祭典ではありません。将来のジャズ界を背負う事となる、子どもや青少年の育成にも積極的です。
日本とノルウェーでは数年前から子どもたちの国際交流がおこなわれており、2012年にオスロを訪れた古幡宇海さんは、今年のキッズ・ジャズのイベントに参加しました。
Photo: Tora Frøseth
来年も8月にオスロではジャズフェスが開催されます。無料で聞ける野外ショーもあり、チケットも安めの価格なので、観光のついでにぜひ北欧のジャズの音に耳をすましてみてはいかがでしょうか。
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