コスプレ大好きなノルウェー人が大集合 デスコン2012

公開日 : 2012年06月25日
最終更新 :
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 6月23・24日、ノルウェーの首都オスロのオスロコングレセンターで、アニメ、漫画、ゲーム、コスプレなどの日本と韓国のポピュラー・カルチャーを融合したノルウェー最大規模のコスプレイベントであるデスコン第7回目「desucon7」が開催された。

desucon7_1_asakiabumi.JPGのサムネール画像

 「デスコン」は日本語の「~です。~ます。」の「ます」と、「コンベンション」(英語でconvention、「熱狂的ファンの集まり」という意味)が組み合わさった言葉だ。

 来場者のほぼ全員が、アニメのキャラクターなどに変装して参加する。会場では、日本などから輸入されたアニメ・漫画のキャラクターグッズなども販売される。

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 毎年のイベント内容は、日本のポピュラーカルチャーにコスプレが融合した構成となっているが、今年はそれに加えて、韓国のポピュラーカルチャーもテーマに盛り込まれた。また、日本からの特別ゲストとして、ビジュアル系バンドのAnli Pollicinoが招待された。

写真:デスコンの参加者は、日本の「かわいい」ものが大好き

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 コスプレ衣装は、ボーカロイドの初音ミク、ナルトのキャラクター、ロリータファッション、ぬいぐるみの着ぐるみ、スターウォーズなどのハリウッド映画のキャラクター、自分のオリジナルで作った仮装などが人気のようだった。

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 コスプレをしている若者たちは、カメラを前にすると、すぐさま喜んでポーズをとってくれる。デスコン会場で写真を撮られることを、恥ずかしそうにする人を、筆者はこれまでまだ見たことがない。

 セーラームーンの衣装を着た男の子の姿も見られた。デスコンは、ひとりひとりの個性とアイデンティティが存分に発揮される場でもある。

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 二人連れの若者の姿が目立つ。「このソックスのレースはね、私が自分で縫ったの」と、衣装にちょっとしたセルフアレンジを加えている子が多かった。

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 ノルウェーには、日本の秋葉原のように、ゲーム、アニメや漫画の「おたく」が、日常的に集まれるような「受け皿」となる場所が存在しない。H&Mなどのシンプルカジュアルなファッションが一般的なノルウェーでは、アニメなどのキャラクターの格好をしていると、周囲から変な目で見られることはどうしても多くなる。

 だからこそ、デスコンのような、「コスプレ」が前提となっているイベントは、参加者にとって周囲の目を気にせずに自分を出すことができる、大事な場所なのだ。

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 会場の参加者の中には、10代の中学生が圧倒的に多い。イベントの主催者は、家族が安心して子どもたちを送り出せるように、保護者への十分な情報伝達を重視し、参加者の健康面に関しても注意を払っている。

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 会場では、様々なポピュラーカルチャーをテーマとするイベントが開催された。主なイベント内容は以下の通り、

・日本語を学ぶ講座

・コスプレコンテスト

・ファンタジーをテーマとしたイラストコンテスト

・ポケモンのトレーディングカードゲーム

・ニンテンドーDS愛好家のためのスタンド

・韓国のバンドとファン文化についてのトークショー

・セミナー「声優になるためは」

・講座「漫画の描き方」

・マインクラフト ゲームタイム

・デンマークの人気漫画家Humonをゲストに迎えたトークショー

・擬人化された動物のキャラクターを好む、「ファーリー・ファンダム」(Furry fandom)についてのセミナーなどのイベント

・蒸気機関やヴィクトリア朝のイギリスの舞台に、コンピューターテクノロジー、サイエンスフィクションやファンタジーの要素を組み込んだ世界感「スチームパンク」(steampunk)についてのイベント

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 マレーネ・オーモットさん(15)は、会場内の廊下の隅で、「Free Hugs」(フリー・八グズ)の看板を持って、ひとりでちょこんと立っていた。フリー・ハグズというのは、見知らぬ人々とハグ (抱擁) をして、愛や他人との繋がりなど、「なにか素晴しいもの」を生み出すという世界で広まっている活動だ。ノルウェーの路上でも、「フリー・ハグズ」の看板を持って、他人との抱擁を求める若者の姿が時たま見られる。デスコン会場でも、毎年、必ず誰かがフリー・ハグズを求めて歩き回っている。

 ロリータファッションに身を包む中学生のマレーネさんは、今回が初めてのデスコン参加。アニメに興味を持ち始め、コスプレを始めて約1年半になるという。『神無月の巫女』や『DEATH NOTE』(デスノート)がお気に入りのアニメだそうだ。

 コスプレをすることで、「他人になることが楽しい」というマレーネさん。

 「デスコンに来て、最初はびっくりしたわ。あまりにもたくさんの人がいるから、パニックになっちゃった。でも、みんなとってもいい人たち。フリー・ハグズは、誰かと触れ合いたいと思ってやってみたの。Free Hugsの看板を持っていると、周囲の人も怪しまずにハグしてくれるわ。今日だけで、もう200人くらいとハグしたかな」

コスプレが原因で、学校でいじめられることも

 「学校にも衣装を来て行くことがあるんだけど、時にいじめられることもある。先生は、もうコスプレをして登校してくる私に慣れちゃったみたいだけど。いじめられることもあるけど、私はコスプレをする自分をポジティブに受け止めているわ」と、静かに微笑むマレーネさん。来年のデスコンにも、必ず参加したいと言う。

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