<インタビュー>「日本大好き!」日本語を学ぶノルウェー人大学生エミールさん
エミールさんは、ノルウェー北部にあるフィンマルク県の世界最北の町の一つであるハンメルフェスト(Hammerfest)出身。首都オスロから飛行機とバスで約4時間かかる北部ハンメルフェストは、極夜や白夜などの幻想的な風景が見られるところで有名な場所だ。
3才の頃から高校卒業までを地元で過ごし、2009年からオスロ大学で日本語を学び始めたエミールさんは、2011年の8月に「日本語を学ぶフィンマルク県出身の若者」として、日刊紙フィンマルク・ダーグブラーでも取り上げられたそうだ。
日本から遥か彼方離れたノルウェーの世界最北の町に住んでいた少年は、なぜ日本という国に魅了されたのだろうか。筆者のメールでの質問に、エミールさんが自ら日本語で書いて返信してくれた。
どうして日本語を学ぼうと思ったのですか?
僕は子供の頃から一つだけ才能がありました。その才能は、外国語のイントネーションや発音を完璧に真似することです。そして、言語の学習能力は他の人より高めだと思います。ある単語を覚えたら、それは本国の人のように話せました。その才能を信じて、僕はオスロ大学に入りました。
オスロ大学の言語プログラムでは、英語、ドイツ語、フランス語、スペイン語、中国語、日本語の六言語から、一ヶ国語を専門科目として選ぶことが可能でした。英語やドイツ語などすでに自由に操ることができた外国語を学ぼうという気はなく、頭の中で、「最初に一番難しい言語を学んだら、その後が楽になるだろう?」と考えました。
ノルウェーの人々に、「ノルウェー人にとって一番学ぶのが難しい言葉はどれだと思いますか?」と尋ねたら、答えは恐らく答えは「日本語」か「中国語」でしょう。そのために、僕は最終的に日本語を選びました。
2011年の8月にフィンマルク県の日刊紙フィンマルク・ダーグブラーで、日本語を学ぶ大学生として紹介されたようですが、フィンマルク県で日本語を学ぶ学生というのは珍しいのでしょうか?
(写真:オスロ大学で友人と一緒に日本語の勉強をするエミールさん)
オスロ大学の先生やクラスメートはどのような方たちですか?
僕らのノルウェーでの先生は一言でいうと「スーパー厳しい先生」であって、そして、先生ほど尊敬できる人はほかにいません。クラスメートは皆明るくて、やりがいがある人ばかり。オスロの日本語のクラスは最高です。
現在、日本へ留学中ですね?
そうですね、現在は大阪の西宮市にある関西学院大学で日本語や日本文化を勉強しています。クラスは様々な国の方々で占められているから、日本語以外の色々な言葉を聞く機会がたくさんあります。
関西学院大学の先生たちはノルウェーの先生と結構似ていると思います。学生たちはどんな日本語のレベルであっても、先生たちに期待されるから、日本語の能力は早く上達します。皆が仲良くしているから、クラスの雰囲気はとてもいいです。
日本とノルウェーの大学生の生活はどのように違いますか?
日本で一番ビックリしたことは大学の様々なサークルの積極的な勧誘、そして部活での真面目な練習。それはノルウェーののんびりしたやり方と全然違うと思っています。
あとは授業時間の長さの違いとか。もちろん言葉の違いもありますが、全体的に見ると日本とノルウェーの学生生活はそんなに大きな違いはないと思います。しかし、関西学院大学では人数がもっと多いので、キャンパスで行われるイベントがノルウェーより多いです。
将来はどのような職業に就きたいと思っていますか?
実は、ノルウェーでは、言葉の才能があっても、そのメリットだけでしっかりした職業を見つけるのはかなり難しいです。それで、私は自分の進路がまだはっきり見えません。しかし、私はポシティブなので、「ノルウェーで仕事が無かったら、海外で私の特技を必要とする会社か人がいるはずだ!」と自分を励まします(笑)。
私の夢は、自分の得意分野を活かせる仕事を見つけることです。ですから、このブログを読んでいる方々の中で私に興味がある方がいたら、ぜひご連絡ください。
最後に、エミールさんにとって「日本語」を一言で表すと?
「君子豹変」!
エミールさん、ありがとうございました!
ノルウェーでは、大学での専攻科目に関連した職種に就くのが普通だ。その中で、日本語を学ぶ学生は将来の進路に悩む者も多いという。日本が大好きで元気いっぱいのエミールさん、数年後にはどのような職業でその笑顔を振りまいているのだろうか。
写真提供:エミールさん
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