ノルウェー最大規模のコンピューター大会The Gathering 2012

公開日 : 2012年04月09日
最終更新 :
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 ノルウェーで最大規模のコンピューター大会ザ・ギャザリング(The Gathering)が4月5~8日、ハーマルにあるヴィーキンシーぺ会場で開催された。1992年に第一回目が開催されて以来、何度か主催者と会場が代わり、1996年からは非営利団体KANDUによってハーマルで開催されている。ハーマルは首都オスロから北へ電車で約1時間20分のところにある小さな町だ。

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 1993年の大会では1,400人だった参加者は、毎年着実に数を増やし、2004年からは毎回5,000人を上回るようになった。1997年からは毎回チケットが売り切れとなるほどの人気ぶり。今年度も5,000人の参加者が訪れ、チケットは完売した。

全員がパソコン持参で、4日間を共に過ごす

 伝送速度200 Gbit/sが提供される会場には、参加者全員がパソコンを持参する。ひとりスクリーンを2台持ってくる人もいるので、場内は5,000以上ものスクリーンの光で眩しく輝く。

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 人と人が向き合ってコミュニケーションしているというよりは、人と人が機械を通して交流しているその巨大な空間は、不思議な熱気を帯びていた。

 会場内にはほかにカフェなども設置され、床では寝袋にくるまって眠っている若者もたくさんいた。若者が多く参加することから、場内での喫煙やアルコール摂取は一切禁止され、毎朝警察が麻薬探知犬と共に会場を訪れてチェックを行う。

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 会場の一角でゲームに熱中していたロイ・ヘルゲ・へーゲラン(32)さんは、こう語る。「ザ・ギャザリングは、ノルウェーで唯一同じ趣味を持つ人たちが一同に介する場所。ゲームおたくたちが5,000人も集まるという機会はここでしかありえない。普段はゲーム好き同士が集まるなら、自分が住んでいるエリア内で、自宅か友人の家に集まるしかない。ノルウェーにザ・ギャザリングがなかったら、このような大会に参加するためにはスウェーデンまで足を運ばなければいけなかった。ザ・ギャザリングは私の人生で一生忘れることのない素晴しい思い出です!」 

 隣で一緒にゲーム対戦に熱中していた、ロイさんの友人のヨン・ヘンリック・フレースタ・へッグ(17)さんも、キラキラした目で当大会がどれだけ楽しいものかを話してくれた。「新しい友達もここではたくさんできるし、ゲーム好きな若い人のためのイベントはノルウェーではこの大会だけだよ!」

コンピューターを道具とするクリエイターたちにとっても意義のある大会

 パソコンがひしめき合う会場の中心の舞台では、頻繁に催しものが行われていた。ゲーム・パソコンエリアの若者たちはゲームで遊ぶことが一番の楽しみだが、クリエイティブエリアのアーティストたちにとっての大きい目玉は、作品コンテストだ。プログラミング、音楽、グラフィックデザイン、写真などそれぞれの得意分野のコンテストに作品を投稿し、審査員や場内の人々からの投票で優勝作品が選ばれる。同じ趣味を持つ仲間たちと競争し、作品を見せ合うことで、互いにインスピレーションを受ける。また、優勝賞金の獲得も大きな目的だ。

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 写真右は、PhotoshopCS4をつかった45分間のスピードペイントのセミナー講師をしたアンネ・マルテ・マルクッセンさん(23)。今年度のコンテストのフリースタイル・グラフィック部門では見事優勝を果たした。

(アンネさんのスピードセッション講座のビデオ映像優勝作品

 今大会の参加者の何人かと話をしたが、ザ・ギャザリングのなにがそこまで魅力的なのか尋ねた時に共通して口にした言葉は「同じ趣味の人が集まる場所」、「会場の居心地のよい雰囲気と空気」だった。ただパソコン画面に向かってゲームをすることは家でもできるが、コンピューター好きが4日間朝昼を共にする機会はここでしか起こりえない。ノルウェーには日本のようなゲームセンターやコンピューターやゲームのイベントというのもとても少なく、学校で同じ好みの人が集まるクラブ活動という場にほほとんど恵まれない。このザ・ギャザリングは同じ趣味や価値観を分かち合える人たちに出会える、ほっとする大切な「自分の居場所」のようだった。

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